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アマビエは龍宮の使い!?

01龍宮使@波間
新型コロナ禍の中で「疫病退散」祈願の象徴として急浮上し、描かれ続けている妖怪アマビエ。僕はその正体──起源は神社姫(やはり海中から現れ予言をした妖怪)経由で深海魚リュウグウリツカイにあるのではないかとみている。アマビエは目撃情報が江戸時代後期の瓦版に1例記録があるのみ。容姿に関する情報は目撃した役人が描いたとされる絵の写し(京都大学附属図書館収蔵の木版画)しか残されていない。これを参考に多くの人がイメージを広げてアマビエを描いているわけだが、神社姫やリュウグウリツカイとはかけ離れたものが多い。
そこで、僕が考えるリュウグウリツカイ風味のアマビエ(アマビエ風リュウグウノツカイ?)を描いてみた⬆。一般のアマビエのイメージとはずいぶん違う!?
アマビエは情報伝達の過程で誕生した虚構の存在(妖怪)だと考えられるが、モデルとなった(と僕が思っている)リュウグウノツカイは実在の存在で、こんな姿⬇。

こうして見るとリュウグウノツカイは瓦版に残されているアマビエ(の図)とはかけ離れている(しかし神社姫には似いている)⬇。
02予言妖怪比較
アマビエと神社姫は、ともに長い髪を持ち体は魚──そして疫病の流行を予言をしている点で共通している。しかし、図で見る限り全体の印象はずいぶん違う。
アマビエの図でまず目をひくのが、飛び出した口だ。この特徴をくちばしととらえて描かれた鳥風のイラストも多い。ところが、リュウグウノツカイの口も、開くときには前方に飛び出す仕組みになっている。

03竜宮の使い口
※YouTubeの【リュウグウノツカイの謎に迫る】より⬆。

アマビエの図は開口したリュウグウノツカイを描いたものなのではないか……というのが僕の想像である。
また、リュウグウノツカイ(もしくは神社姫)と大きく異なるアマビエの体型だが……〝アマビエの図〟には「ズンドウの体/3本の脚(もしくは尾びれ)で波打つ海面の上に直立している」かのような姿が描かれている。龍のように細長い体型のリュウグウノツカイ(もしくは神社姫)とは、まったくの別物に見える。しかし〝アマビエの図〟で描かれているのが「波間から海面上に頭を持ち上げたリュウグウノツカイ(もしくは神社姫)の体の一部」と考えれば、にわかに見方も変わってくる。
そもそもアマビエが「波打つ海面上に3本の脚(もしくは尾びれ)で立っている」というのが不可解だ。脚もしくは尾びれと解釈されている部分は、じつはそうではなく、海中から伸び上がった体にひっぱり上げられた海面のふちを表現したもののように見えなくもない(体の大部分は海面下にあって描かれていない)。
04アマビエ龍宮使
目撃者にして、アマビエの姿を写したという役人が描こうとしたのは、実はこのような⬆イメージだったのではないだろうか?
あらためてアマビエの図とともに記されている記事(京都大学附属図書館収蔵資料の瓦版)をおさらいしてみると、内容はおおよそ次の通り。


肥後(熊本県)の海中に毎夜光るものが出るので役人が行ってみると、図のような者が現われた。「私は海中に住むアマビエと申すものである。今年から6ヶ年のあいだ諸国は豊作になる。しかし病が流行するから、早々に私を写して人々に見せよ」と言って海中に入った。(掲載された図は)これを写した役人から江戸へ届け出された絵である。
弘化三年(1846年)四月中旬


〝光る〟という特徴をもつアマビエだが、リュウグウノツカイも光を反射して銀色に輝くという。実はリュウグウノツカイには鱗はないそうだが、アマビエや神社姫には鱗が描かれている。これは「体は魚」ということを表す記号として描かれたものだろう。同様に記号としての表現で、海面から伸び上がる体に引っ張りあげられる水のふちをギザギザに描くことは大いに考えられる。これが3本の脚(もしくは尾びれ)と誤認されて今のアマビエ像が確立・浸透したのではないだろうか?

アマビエ誕生の真相!?
アマビエについての僕の想像をまとめてみると──、
海中で光るものを確認しにいった役人が見たのはリュウグウノツカイだった。その姿を見た役人は「これは以前から伝えられている神社姫だ」と思った。それで、特徴の長い髪(背びれの一部)がわかる海面から頭部をのぞかせた絵を描き、神社姫が語ったとされる伝承とともに記録した。このとき、妖怪名について、やはり予言をする妖怪アマビコと混同して「神社姫」とすべきところを「アマビコ」と記してしまう。この情報が届けられた江戸の瓦版の記者(編集者)が「アマビコ」を「アマビエ」と誤読して、神社姫の予言(伝承)を「アマビエ」のものとして記事にした……。あるいは、《予言をする妖怪「アマビコ」なら脚は3本》という認識があって、製版(瓦版は木版画)のさいに、役人が描いた図を「3本の脚もしくは尾びれ」に見えるような修正が加えられたのかもしれない。妖怪名については、製版の段階で「コ」が「エ(ヱ)」と間違えられてしまった(誤植にあたる?)可能性もなきにしもあらず?
どの段階で神社姫やアマビコとの混同や錯誤・誤記(誤植?)が起こったのかはわからないが、目撃者(絵を描いた役人)→記事を書いた記者(編集)→木版を作った人(製版)へと情報が伝達する過程でアクシデントが発生し、新たな妖怪「アマビエ」が誕生。その情報が拡散し、記録として残ることになったのではないか……。
これが、僕の想像するアマビエ誕生のストーリー(?)。もちろん単なる素人推理で確証はない。どんな解釈が成立しうるか……という脳内シミュレーション・頭の体操である。



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