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新型コロナウイルス報道をみて感じること

新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船・ダイヤモンド・プリンセス号に関する一連の報道を見ていると、なんとも心もとない。陰性と判断され下船した人たちの中から、隔離後に感染していたことが発覚する例が相次いでいるが、これは水際対策が失敗したことを意味している。

僕がまだテレビを見ていた頃(テレビを離脱する地デジ化以前)、新型インフルエンザ(強毒性H5N1型のヒトヒト感染)に対する警戒感が高まった時期があった。テレビ番組でも度々特集が組まれていて、あれで世の中の新型感染症に対する意識は高まったのではないかと思う。あれから準備期間もあったわけだし、今では当然国としての防疫体制はしっかり整えられているものだと思っていたのだが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する報道を見ていると、防疫対策がお粗末だった印象が強い。感染拡大を防ぐために隔離したはずのクルーズ船内で感染が拡大し、陰性と判断して下船させた人が隔離後に陽性を示す事例が相次いでいる状況は、新たな感染リスクを国内に持ち込み拡散させた可能性がある。これは防疫措置をきちんと行っていれば防げたリスクだ(下船後に隔離期間をおくことは他国では行われている)。

2014年には、蚊が媒介するウイルス感染症・デング熱の国内感染(日本では69年ぶり)が確認されて話題になった。東京の代々木公園で蚊に刺されて感染したと思われる患者が相次ぎ、園内で採取した蚊からデング熱ウイルスが確認されたことで、代々木公園は封鎖。蚊の駆除が行なわれた。しかし、感染地は新宿中央公園・上野公園・隅田公園・中目黒公園へと飛び火した。東京以外でも感染が確認され、最終的に感染者は160名にのぼったという。
デング熱感染者の血を吸って媒介能力を持った「代々木公園の蚊」が離れた他の公園へと移動したとは考えにくい。当時の報道を見て思ったことは、「代々木公園を閉鎖したことによって(あるいは自主的に)、代々木公園で生活していた人たち(蚊に刺される機会が多く感染リスクが高い人たち)が他の公園へと生活の場を移したことで、移動先の公園の蚊にウイルスを提供し汚染地域を拡大させたのではないか」という可能性だ。代々木公園を閉鎖する措置をとったとき、感染リスクの高い人たちのケアをしていれば、汚染地域の拡大は防げたのではなかろうか?

今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やデング熱に対する行政の対策は、どうも中途半端に思えてしまう。なぜザル対策になってしまうのか? 対策を主導する行政側に部外者(知識や技術を持った専門家)の関与を嫌う縄張り意識のようなものがあって対策に齟齬が生じている感がなくもない。

一連の報道では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威のみならず、政府の危機管理能力についても多くの人は関心を向けている。
「失策」を認めて不備を改善する姿勢を見せるのか、それとも原発事故のときと同じように都合の悪い事は認めず矮小化してごまかそうとし続け国民の不信感をつのらせるのか。
感染症対策では個人の自由が制限されるケースがでてくるわけだし、国民の協力は不可欠だ。そのとき重要なのが「行政への信頼」のはずだ。失策を犯してもそれを認めず都合の良い解釈や言い訳に終始すれば国民の政府の言う事を信用しなくなる。そうなれは対策の実行にも支障をきたすことになりかねない。
感染の拡大を食い止めることはもちろん重要だが、同時に状況をどう国民に説明するか──そのあたりの危機管理能力も問われているように思う。



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