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新成虫vs羽化殻@アカスジキンカメムシ

1月にカメラが壊れてから撮影はしていないが、虫見はぼちぼち続けている。以前は美麗昆虫や面白いシーンに出会うと「なんとか記録せねば」とカメラごしに虫を見ることが多かったが、最近はその負担がないので気が楽だ。「カメラがあれば撮るのになぁ!」と残念に思うシーンもないではないが、記録撮影の負担から解放された感がなくもない。
とはいえ、観察のようすをブログにまとめるにあたっては、その状況を文章だけで説明するのはやっかいだ。現場を見ていない第三者(閲覧者)にはわかりにくいに違いない。公開している場でわかりづらい記事を投稿することには躊躇が働く……。

今年もアカスジキンカメムシの羽化シーズンを迎え、「見られる時に見ておかねば」と《抜け殻落とし(羽化殻落とし)》を観察している。これまでは記録画像を撮影するため接写距離に近づかなくてはならず、それがカメムシを警戒させ行動に影響(羽化殻落としを止めたりなかなか始めなかったり)を与えていたのではないかと気になっていた。しかし今シーズンはカメラが無いので、カメムシをおどかさないように少し離れたところからの観察をしてみた。離れて観察していれば羽化後早いタイミングで羽化殻落としを見られるのではないかと予想していたのだが……個体によって抜け殻落としを始めるタイミングはバラバラだった。
そんな今シーズンの観察も少し記録を残しておきたい。といっても画像ナシではイメージが伝えにくいので、過去の記事からの抜粋画像を交えて紹介していくことにする。

アカスジキンカメムシの羽化〜羽化殻落とし
01赤筋金亀虫成幼R1
まずは、アカスジキンカメムシというのは、こんな昆虫⬆だということで。カメムシは不完全変態なので蛹にはならず、終齢幼虫の背中をやぶって成虫が出現する。アカスジキンカメムシの羽化前後の行動は、これまでの観察からすると──、

①終齢幼虫は葉の裏で頭を下にしてとまり、
②前胸の背面が割れて羽化が始まる。
③殻から離脱した新成虫は羽化殻と向き合う形で対峙(頭を上にしてとまる)。
④羽化殻を頭で押して葉から落とす。
⑤葉の表側に移動してまったり(体色の定着&体が固まるのを待っている?)。


というのがデフォルトのようだ。過去の記事(複数)からの抜粋画像で紹介するとこんな感じ⬇。
02赤筋金亀虫羽化AR1
03赤筋金亀虫羽化AR2
04赤筋金亀虫羽化AR3
05赤筋金亀虫羽化AR5
06赤筋金亀虫羽化AR6
07赤筋金亀虫羽化AR8
08赤筋金亀虫羽化AR11
09赤筋金亀虫羽化後aR
10抜殻落シーンR1
11抜殻落し前後R
12赤筋金亀虫羽化R5
13抜殻落シーンRR
14赤筋金亀虫羽化殻落FR
《抜け殻落とし(羽化殻落とし・脱皮殻落とし)》の意味については【カメムシの奇行!?抜け殻落としプチまとめ】に考察をまとめているのでここでは割愛。
今シーズンは、羽化直前の終齢幼虫をみつけ、羽化〜羽化殻落としまでを観察しようと注目した──のだが……。

10:14(時:分) トウカエデわきのツツジの葉の裏で頭を下にとまっている終齢幼虫を見つけた(2019.05.16@東京)。
10:25 腹をあおるような動きを始め、少し間をあけて断続的に繰り返すことから羽化が近いと判断して、これを観察することにする。
10:29 脚を踏み直す(移動したり向きを変える気配はない/足場の確認?)。
10:50 黒い上半身(前胸背と頭部)の間に白い隙間(裂け目)が入り羽化が始まる。
10:56 前胸背の裂け目から白っぽい前胸が盛り上がってくる。
10:58〜11:00 前胸がほぼ脱出。
11:02 体の大半が脱出し腹端を羽化殻に残して逆さ吊り状態になる。
11:03 脚を殻から引き抜く。
11:12 新成虫が葉につかまる。
11:21 ほぼ離脱(腹端が羽化殻と接している状態)
11:22 スポンと羽化殻から腹端が離れる(気管が抜けた?)。
11:23 向きを変え羽化殻と向き合う(新成虫が頭を上にしてとまる)。
12:03 羽化殻との距離を詰める。
12:43 羽化殻を頭で押す《抜け殻(羽化殻)落とし行動》に出る。
12:44 頭で押して浮き上がった抜け殻の下にもぐり込み、葉の縁まで押して行くが、抜け殻は落下せず、宙に浮き上がった状態になる。
クモのしおり糸等に引っかかったのだろうかと確かめに近づくと、新成虫の体か葉の裏に羽化殻の爪がひっかかっているもよう。
のぞき込んだこともあってか新成虫は抜け殻をかついだまましばらく動きを止める。
12:51 少し動くが状況は変わらず
13:30 新成虫が葉の表へ移動/羽化殻は葉の裏に残される。
新成虫が葉の表側に移動したので葉の裏に残された羽化殻を回収したが、もしかすると羽化殻落としをしに戻る可能性もあったかもしれない。

4〜5mほど離れて展開を見守っていたが、この個体は殻から離脱したあと、40分後に羽化殻との距離を詰め、抜け殻落とし行動にでたのは更に40分経ってからだった。この個体の観察に2時間半ほどかけたわけだが、《抜け殻(羽化殻)落とし行動》は確認できたものの《抜け殻(羽化殻)落とし》は未遂に終わった。

新成虫が羽化殻と泣き別れになる羽化別れ!?
アカスジキンカメムシの新成虫がとまっている葉の直下には《羽化殻落とし》によるものと思われる羽化殻が落ちていることが多いが、葉の裏に抜け殻が残されていることもある。今回の観察のように未遂で終わるケースもあるのかもしれないが、羽化のさいに新成虫が羽化殻と離れてしまう泣き別れならぬ《羽化別れ(と勝手に命名)》もその原因の1つかもしれない。

今シーズンの観察では、羽化中の新成虫が羽化殻と泣き別れになるケースも確認できた。図にするとこんな感じ⬇。
15羽化別れ図解510
こうした羽化別れの状況でも、下の葉に移動した新成虫が羽化殻落としをするために上の葉に戻ることもあるようだ。以前の記録から⬇。
16赤筋金亀虫羽化殻落E再
今シーズン観察した《抜け殻落とし》確認例など「同じ葉の裏でみつけたアカスジキンカメムシの新成虫と羽化殻」の4つのケース⬇。
17羽化殻落A図
18羽化殻落B図
19羽化殻落C図
20羽化殻落D図
過去の観察例では羽化殻落としがあっというまに完了してうまく撮れないことが多かったが、今シーズンは意外に、新成虫がてこずるシーンが多かった。
羽化後(新成虫が古い殻から離脱後)、羽化殻落としを始めるタイミングも、バラツキがあるようだ。
アカスジキンカメムシの観察をしていて、新成虫が落としたとおぼしき直下の羽化殻をアリが運びんで行くシーンも見ることができた。葉の裏にとどまっているアカスジキンカメムシの羽化殻をアリが運び去るシーンは以前にも記録しているが、羽化殻は「アリが嗅ぎつけてやってくるターゲット(獲物)」と成りうることが改めて確認できた。天敵のターゲットとなる羽化殻を生活圏から排除する《羽化殻落とし》の意味を示唆するシーンともいえるだろう。

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アカスジキンカメムシの臭腺開口部
アカスジキンカメムシ幼虫の臭腺開口部

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コメント

こんにちは
アオダイショウの写真を探していたら2011年の記事に出会いました。こちらに引っ越されたと知りました。ぜひリンクさせて下さい。よろしくお願いいたします。
Re: こんにちは
しばらくインターネットに接続できず、返事が遅れてスミマセン。
リンクは歓迎です。こちらこそよろしくお願いします。

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