ショートショート『赤いクモ~夢の前兆~』
同人誌《MON48》第5号(1990年11月)の埋め草用に書いた原稿用紙(20字×20行)換算4枚強のショートショート。




虫見を始めるだいぶ以前の作品だが、当時から虫が出てくる作品はちょくちょく書いていた。この作品ではクモやコガネムシの種類については具体的に想定してはいなかった。媒体の《MON48》は朝日カルチャーセンター「大衆文芸の書き方(講師:光瀬 龍)」の受講生によって1985年3月に創刊された同人誌。筒井康隆原作の邦画『文学賞殺人事件 大いなる助走』(1989年)のエンドロールにも、チラッと映っていたりする。
『赤いクモ~夢の前兆~』を掲載した《MON48》第5号と、『文学賞殺人事件 大いなる助走』のエンドロールで映し出された《MON48》第3号↓。

《MON48》の誌名は「大衆文芸の書き方」の講座が毎週月曜日(MON)に新宿住友ビルの48階の教室で開かれていたことに由来する。表紙の図案は翼を広げたペンが新宿住友ビルから飛び立つところ。
和尚のオクリ(寺隠語で愛妻ハニー)が
最近よく言うのです・・・(;´Д`)
何で
お父さんと
結婚したんやろう!。 ?。
・・・(-。-)y-゜゜゜
何を言うんや
赤いエニシやねぇか
何を言っとんの
そんなもん
ズタズタやわ
馬鹿を言うんじゃない
俺が毎晩結んで
イッポンにしとるんやぞ
( ^ω^)・・・
結婚は女にとっては終着駅
オトコは始発駅・・・
楽画きにがお絵和尚より
過去に投稿した創作作品では、こんな↓のにも昆虫が出てきます。
・チョウのみた夢~善意の報酬~
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/20482452.html
・団地さいごの日!?
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/29492727.html
今は、バツイチ、バツ2は当たり前、バツ3、バツ4もざらにあり、何度でもやり直しができますよ。
親がころころ変わって、そのたびに兄弟姉妹ができて、子供の世界も複雑怪奇。孫の同級生の3分の1は、そういう家庭です。
映画『ジュラシック・パーク』に登場したカオス理論の専門家・マルコム博士が「今は次の離婚相手を捜している」なんて言うシーンがありましたね。思うようにいかないのが世の常なのかも?
再読して、認識を改めました。
青いコガネムシの夢を見ると、その後きまって不幸にたたられる。
その青いコガネムシが赤いクモの巣に掛かっていた。当然、コガネムシはクモに食べられてしまう。
よって、今後、男が青いコガネムシの夢を見ることはない。
つまり、男は二度と不幸にたたられない。
借金まみれの男と結婚したのに赤いクモの夢を見たってことは、この女の人が苦労することもない。
なーんだ、男女ともにハッピーエンドじゃーん(>▽<)
読み方によって真逆に意味が変わるとは。深いですね。
実際に誰かが不幸になるわけでもなく、単なる皮肉な笑い話。
不幸な夢の前兆があるなら、幸運な前兆の夢もある──前者を成立させることによって(同様に)後者を成立させるという構造のアイディアストーリーですね。2つの正反対の夢の兆候が皮肉な合致をみせるという着想で描いたショートショートでした。
青いコガネムシが赤いクモに食われることで《不幸を呼ぶ夢》を見なくなった(不幸から解放された)というあらいなかむらさんの着想は、その趣旨を自然に描くことができれば、これはこれで1本のショートショートになりそうですね。
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