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「ピタゴラスの定理」の思いで

「ピタゴラスの定理」を自分なりに解こうと考えてみたこと

加齢による時間の加速感は増すばかり……。最近のことはすぐ忘れるのに、遠ざかっているはずの子どもの頃の記憶が、むしろついこないだのことのように感じられる時間の逆転現象も強まる昨今。
ふと、小学生から中学生にあがった頃に知ったピタゴラスの定理(三平方の定理)のことを思い出した。


学校の授業内容は(当時から?)ほぼ記憶に残っていないが、自分で考えたことはけっこう覚えているものだ。僕がピタゴラスの定理を知ったのは教科書ではなく、当時読んだSF児童小説からだった。《直角三角形の斜辺の二乗は他の2辺の二乗の和に等しい》──直角三角形の辺の上に描かれた3つの正方形の面積に関するものらしい。小学4年か5年の頃──「面積」を習ったときに、任意の図形の面積を求める方法を考えたりしたことがあった(*)ので、ピタゴラスの定理にも興味を持った。どうして斜辺上の正方形の面積が他の2つの正方形の面積の和になるのだろう? 理由が知りたくて数学の本を読んだ。証明にはたくさんの方法があるらしいが、僕は図解されていたユークリッドの証明をじっくり見て、なるほどと合点がいった。
ちなみに、ユークリッドの証明を解りやすく記すと、こんな感じ↓。






とりあえず、ピタゴラスの定理が正しいことは理解できた。しかしこれは「答を教えてもらって、他人の考えをなぞっただけ」なわけで、自分で謎を解決したわけではない。自力で納得できる説明を見つけ出そうと、あれこれ考えて導き出したのが次のような理屈だった。


ユークリッドの証明は手堅いけれど、当時の僕は、もっとシンプルで直感的に納得しやすい説明方法がないかと考えた。直角三角形の頂点から斜辺cへ垂線を引くと、2つの直角三角形(ピンクと黄色)ができる。これは元の直角三角形(水色)と同じ形(相似形)で、それぞれaとbを斜辺としている。
aを斜辺とする相似直角三角形(ピンク)とbを斜辺とする相似直角三角形(黄色)の面積の和がcを斜辺とする相似直角三角形(水色)の面積と等しいことは一目瞭然。aを斜辺とする相似直角三角形(ピンク)の面積をSa、bを斜辺とする相似直角三角形(黄色)の面積をSb、cを斜辺とする相似直角三角形(水色)の面積をScとすると、

Sa+Sb=Sc

つまり、「直角三角形の斜辺上の《相似直角三角形》の面積は、他の2辺上の《相似直角三角形》の面積の和に等しい」となるわけだが、これはピタゴラスの定理──「直角三角形の斜辺上の《正方形》の面積は、他の2辺上の《正方形》の面積の和に等しい》」とよく似ている。
(正方形バージョンの)「ピタゴラスの定理」の相似直角三角形バージョンといっても良いだろう。
正方形バージョン(ピタゴラスの定理)と相似直角三角形バージョンを重ねて図にしてみると──↓。


元の(白い)三角形の辺上に描かれた直角三角形&正方形は、a・b・cどの辺のものも同じ形をしている(相似形)。この形は辺の長さが変わっても変化しない(大きさが変わるだけ)──つまり辺上の直角三角形&正方形は面積の割合も変わらないということだ。
Sa・Sb・Scそれぞれを何倍か(仮にn倍)すれば正方形になるわけで──、
相似直角三角形で保たれていた

Sa+Sb=Sc

の各項にnをかけて《相似直角三角形》を《正方形》に置き換えても、この関係式は成立することになる。

nSa+nSb=nSc

きちんとした数学作法にのっとった証明というにはおそまつかもしれないが、中学生だった僕はこんなふうに考えて、ピタゴラスの定理は正しいと自分なりに納得した。

ところで、面積の関係が一目瞭然の「相似直角三角形バージョン」の関係式だが、これが「正方形バージョン(ピタゴラスの定理)」でも成立したのは正方形がそれ自体相似形だったからだ。僕が考えた「理屈」を用いれば正方形に限らず、様々な相似形図形にこの関係式を当てはめることができる。直角三角形のそれぞれの辺に対応する図形は相似形であれば、(縦横比が決まった)長方形でも、(底辺・高さ比を固定した)三角形でも、曲線に囲まれた円形であっても、図形の関係性は保たれる。もっと複雑な……例えば相似形のゴジラ型(?)であっても成立する。斜線上のゴジラ(例えば全長50cm)の面積は、他の2つのゴジラ(例えば全長40cmと全長30cm)の面積の和に等しくなる。
正方形限定の「ピタゴラスの定理」の証明より、「相似直角三角形バージョン」の説明の方が直感的にわかりやすく、応用範囲が広いのではあるまいか──ちょっとそんなふうに思わないでもない。

学生の頃、学業には全然熱心ではなかった(ので授業内容はほとんど覚えていない)が……自分の頭で考えたことは、いつまでも覚えているものである。


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コメント

No title
すごい!頭痛い!むつかしいから記事はスルーしました。
No title
> みずきさん

当時はちょっとしたパズルのような感覚でした。
No title
「教科書通りをそのまま記憶するのではなく、自分なりの解き方を模索する人こそが、真に数学に強い人なのだ・・・」と、耳にしたことがあります。
・・・これを、しかも中学生で!(はぁ~~~:ため息)
(数学の授業早よ終わらんかな・・・)と、教室の時計ばかり睨みつけてた自分が恥ずかしいです・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

特に数学が得意だったりということはなかったのですが……授業とは別に(このときもピタゴラスの定理を習う前)何か興味があるものを見つけると、自分で攻略してみたくなるタチのようです……。

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