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フユシャク♀5種

冬の風物詩・フユシャク(冬尺蛾)。このグループの特徴を顕著に現しているのがメス──翅を退化させたユニークな姿が見どころのひとつといえるだろう。ということで、最近目にしたフユシャクのメスを5種。

今シーズン初のイチモジフユナミシャク♀



淡い水色の前翅と腹の側面に並ぶ輪紋がお気に入りのイチモジフユナミシャク♀。今シーズンの初個体が桜並木ぞいのフェンスの上に出ていた。






オスや普通の蛾とはまったく違うフォルム&色合いが独特の雰囲気をかもしだしている。飛翔能力のあるオスの翅はもっとずっと大きく、美しい水色は入っていない。そんなオスを含む過去の記事↓。
あわいブルーの冬尺蛾
イチモジフユナミシャク♀は地衣類擬態!?

今季初のシモフリトゲエダシャク♀だったが…



これも今シーズン初のフユシャクだったのだが……何だか、ちょっとヘン!?




腹の先端がまだ蛹のような感じで、形成不全っぽい。シモフリトゲエダシャク♀は大型でユキヒョウや高級毛皮を思わせるゴーヂャスなイメージが(僕には)あるのだが……ちょっと残念で痛々しい(?)個体だった。とりあえず今季の発生を確認したということで。
本来の美しい姿は、こんな感じ↓
シモフリトゲエダシャク♀@桜
シモフリトゲエダシャクペア&ヒロバフユエダシャク

このところ目につくクロオビフユナミシャク♀



前回(*)も紹介したクロオビフユナミシャク。フユシャク♀の中では大きめの翅をもつメス。その後もいくつか見ることができた。




別の擬木の支柱上面のフチにとまっていたクロオビフユナミシャク♀↓。


模様の色合いやコントラストは固体によって変異がある。
クロオビフユナミシャク♀色々

ホルスタインことチャバネフユエダシャク♀





クロオビフユナミシャク♀の大きめな翅とは対照的に、翅が消失しているチャバネフユエダシャク♀。そのため、より蛾には見えず、ミステリアスな正体不明感(?)を漂わせている。見た目のイメージから「ホルスタイン」の愛称で親しまれているチャバネフユエダシャク♀も続々と出てきた。ギボッチ(擬木ウォッチ)でみつけたメス↓。


擬木支柱の鉛直面にとまっていたチャバネフユエダシャク♀↑と、水平面にとまっていたチャバネフユエダシャク♀↓。


木製手すりのこんなところにも↓。


オスにはないホルスタイン模様がどうしてメスだけにあるのか等、不思議さ満載の存在だ。
ホルスタインちっくなチャバネフユエダシャク♀

翅を広げたクロスジフユエダシャク♀



少し前にはオスたちの乱舞が見られたクロスジフユエダシャクだが、その舞台となった雑木林も今では閑散としており、祭りのあとのよう……。季節の移ろいは早いもので、オスは単体でチラホラ見られる程度になってしまった。擬木では4枚の小さな翅をしっかり広げたメスの姿が見られる。


色合いや模様は固体によって変異がある。


この時期、擬木などにとまっている単体のメスは(産卵前の個体は)姿勢が良い──4枚の小さな翅を展翅したかのようにきれいに広げているものが多い。発生初期~ピーク期に、ペアになっているメスでは翅がきれいに整っているものが少なかった気がする。メスが羽化後どの程度経った時点で交尾に至るのかは知らないが、まだ羽化してさほど経たぬうちに──翅が完全に伸びきっていないうちにフェロモンを発散するのではなかろうか? 未交尾のメスが見えないところに隠れていてもフェロモンを発すると、とたんにオスたちが集まり婚礼ダンスが始まる。そして1匹が交尾を成立させると他のオス達はさっさと引き上げてしまう。交尾中の♀がいても、メス探しをしているオスたちは無反応。また、交尾後オスが離れた後のメスにもオスたちは反応しない。交尾が成立した時点でオスを呼ぶフェロモンはシャットダウンされるのだろう。やはり昼行性のフユシャク・フチグロトゲエダシャクの場合はメスが時間をおいて何度も交尾するというが、クロスジフユエダシャクも同様に複数回フェロモンを放つことがあるのか僕は知らない。ただこの時期、単体で擬木などにとまっているいるクロスジフユエダシャク♀はおそらく(交尾後の)産卵前後の個体であることが多く、羽化からある程度時間が経っているために翅が充分伸びきって「展翅したかのように」広げているものが多いのではなかろうか……。


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コメント

No title
ひらひら飛ぶフユシャクをみますが、とまったらもう分からない。どうして発見できるのか不思議です。見つけて撮影しようとしてもすぐに逃げます。ナイス!
No title
> 四季の風さん

昼行性のクロスジフユエダシャク♂ですね。落葉の上などにとまると意外なほど周囲に溶け込んでしまうので……一瞬目を離すと、もうどこに降りたのかわからなくなってしまうなんてコトもあります。
メス探しで活動中のクロスジフユエダシャク♂は止まっても近づくとすぐに飛び立って撮影しにくいですね。
No title
イチモジも出ましたか、山では♂を見かけてました。
クロオビが減り始め、チャバネが増えてくる感じですかね。

シモフリは益々出現が早まってる感じですね、こちらも交尾を見ました。
No title
> ともっくさん

イチモジフユナミシャクは、まだこの♀1匹しか見ていません。予想よりちょっと早目の初個体でした。
今シーズンはクロオビフユナミシャクが多い印象です。チャバネフユエダシャクも増えつつある感じ。
シモフリトゲエダシャクは見ずに終わったシーズンもあるので、今年はどうだか……。特大級のメスを期待しているのですが……。
No title
フユシャク♀、いろいろ撮れましたね!
フユシャクはやはり♀がそれぞれの種で個性があっていいですよね。
シモフリトゲエダシャクは、もう?!と思いましたが
書かれている通り形成不全ぽいですね。
以前教えていただいたあたりを今季は見に行こうと
今からはりきっています。
イチモジも翅が青くてかっこいい個体ですね!

クロスジは翅がしゃっきりしているほうが姿勢がよく見えますね。
時期が遅いほうが翅が伸びている個体が多いとは…なるほどです…
今度気にして見ようと思います。
No title
> noriさん

イチモジフユナミシャクは予想より早めでした。まだこの1匹しか見ていないので、本格的に出てくるのは(?)これからだろうと思っています。
シモフリトゲエダシャクは、狭山丘陵ではもっと後だろうと思っていたのですが……これもまだ1匹しか見ていないので、フライング気味(?)の個体だったりして?
フユシャク♀は飛べないわけですから、発生していた場所(木)で産卵している可能性が高く、同じ場所で見られる可能性が高いだろうと考えています。

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