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チョウのみた夢~善意の報酬~

みくに出版《知の翼》1997年12月号に『チョウのみた夢』というタイトルで掲載したファンタジー。原稿用紙(400字詰)12枚余の読み切り作品。

チョウのみた夢~善意の報酬~



 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 
『チョウのみた夢』作・星谷 仁/知の翼(みくに出版)1997年12月号

※【覚書】(執筆当時のもの)
 この作品の構想は以前から持っていたものである。イメージとしては『善意の報酬』というタイトルでずっと頭の中にあったのだが、対象年齢を考慮して『チョウのみた夢』となった。
 アイディア・ストーリーにおいて、<意外性>が用意されているのは当たり前。できれば二重にも三重にも用意されていることが望ましい──と僕は考えている。
 この作品でいうと、虫の妖精が出現したのは、クモに襲われる<チョウを助けたご褒美>──と思いきや<クモを虐待した報い>だったという、視点の逆転……それが第一の<意外性>であり、チョウを救ったためにチョウにされ絶体絶命となった<僕>を救ったのが、チョウになる前の自分であった……というのが第二の意外性。そして、夢から覚めた<僕>が、もしクモの巣のチョウをみつけたら助けるべきか否か──メビウスの帯のような迷宮に迷い込む<リドル・ストーリー>(結末に謎を残すスタイル)の幕切れ……それが第三の意外性である。
 僕はファンタジーやSFを好んで描いているが、実は<妖精>のようなものを描くのは好みではない。ファンタジーは現実では起こり得ない世界を描くものだが、既成の空想キャラクター(妖精や小人のような)を安易に持ち込むと、作品イメージが類型化し新鮮味を欠くことにつながりかねない危険があるからである。既成の空想キャラクターにたよらずに、独自の架空の世界を描くことができればその方がよいに決まっている。そんな考えを持っているにもかかわらず<妖精>を登場させたのは、<妖精>のもつ甘い既成イメージを逆手にとって意外性を演出できると考えたからである。

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コメント

No title
何回か見たのに挿絵だけだと思っていました(^_^.)
「善意の報酬」内容もタイトルも素晴らしいですね、虫たちにはまった頃の私みたいでもあり・・・小さな虫たちも人間と同じ生き物であることが伝わってきます!
精霊と妖精がちょっと違う感じがするのは私だけかもしれませんが・・・
文章の中ではたまに妖精が自分の分身だったりもします~(^_^.)
No title
>>200pさん

ありがとうございます。
日本語で書かれた文芸作品はやはり縦書きがしっくりくると思い、あえて画像で縦書きの文章をつくってみました。この挿絵は今回ブログにアップするさいにお飾りとしてマウスで描いてみたものです。

「妖精」や「仙人」はファンタジーの中で登場させていますが、民族学的な知識はないので、個人的なイメージが強いです。僕の中では「精霊」はアニミズム的な(?)印象・「妖精」はより擬人化したイメージでしょうか。あくまで個人的なものですが。

昔は自分の作品を活字表記することに憧れたり、発表する場をつくるのに苦労しましたが……今ではパソコンでカラーのイラストをつけたり、こうしてブログに簡単にアップし、自由な表現ができる──すごい時代になったものだと思います(笑)。
No title
非常に面白かったです!
流石!星谷さんの作品は、期待をうらぎりませんね~~~!!!☆

最初のチョウの恩返し的なところで、(あら?星谷さんらしくないな(笑:失礼))と感じてたら・・・
何が何が、妖精が悪魔に豹変!(言ってることは正しい!)
ここで、先ずはゾクッとそそられて・・・
蜘蛛に攻められてどう対処するのか?と興味をそそられて・・・
自分が助けるのか~!と、この発想が、「流石、星谷さん!」と感嘆のため息!

圧巻は、最後の(迷宮入り)への恐怖!・・・

読み終えた後、いつまでも心に残る作品とはこのことなのでは?

やぁ~~~実に面白い作品を拝読させて頂きました・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

拙作におつきあいいただきまして、ありがとうございます。
ヒトの観点から見ると「襲われている弱者を助けてあげたくなる」という心理はありがちですが、自然の観点からみれば、それは思い上がった偏向かもしれない……そんな思いを背景にアイディア・ストーリーにしてみました。
楽しんでいただけたようで嬉しく思います。

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