FC2ブログ

チャバネアオカメムシの羽化殻落とし

カメムシが羽化や脱皮の後に自らの抜け殻を攻撃して落下させる──そんな興味深い行動を僕は何度も観察している(*)。この《抜け殻落とし(羽化殻落とし・脱皮殻落とし)》には、寄生蠅や寄生蜂、アリなどが嗅ぎ付けて来ないように、抜け殻を生活圏の外へ廃棄する意味合いがあるのではないかと想像している。この行動をこれまでアカスジキンカメムシ(羽化殻落とし&脱皮殻落とし)・エサキモンキツノカメムシ(羽化殻落とし)・ツヤアオカメム(羽化殻落とし)で観察しているが、今回、チャバネアオカメムシで《羽化殻落とし》を確認することができた。

チャバネアオカメムシの《羽化殻落とし》



ケヤキの幹に羽化してあまり経っていないと思しきチャバネアオカメムシ&抜け殻を見つけた。もしかするとチャバネアオカメムシでも《羽化殻落とし》が見られるのではないか……と思って近づくと、成虫が抜け殻に近づき、頭突きを始めた──ので、あわてて撮り始める。


カメラを近づけると、警戒して動きを止めてしまったが……ほどなく《羽化殻落とし》を再開。画面上隅の数字は撮影時刻(時:分:秒)。


頭突きをするように抜け殻を押し、その下にもぐり込んで抜け殻を浮かす。そして《羽化殻落とし》の瞬間──↓。


風があったので羽化殻は下に落ちず横に飛ばされていった↑。


《羽化殻落とし》を終えたチャバネアオカメムシ新成虫↑。
《羽化殻落とし》の瞬間の前後をリプレイ風に↓。


これまで《抜け殻落とし》の記録には手こずることが多かったが、今回は意外にあっさりと《羽化殻落とし》を確認することができた。


全身緑色なのは、羽化後あまり時間が経っておらず、まだ本来の体色が現われていないため。やがて和名にもある「茶翅」になる。
近くにいた別個体のチャバネアオカメムシ成虫↓。


成虫になる前の姿──チャバネアオカメムシの終齢幼虫は、こんな姿↓。


キアイを入れれば(?)日本髪を結ったつり目の顔に見えなくもない? カメムシのニオイを嗅いで、しかめた顔──みたいな!?


周辺では数匹のチャバネアオカメムシの幼虫が見られた。カメムシは蛹を経ずに幼虫から成虫へと羽化する──これはセミと同じ。セミは頭を上にして羽化を始めるが、カメムシは頭を下にして羽化するものが多いように思う。
ケヤキの幹に下を向いてとまっていたチャバネアオカメムシ終齢幼虫↓。


頭を下にしてじっとしていることから羽化が近いと判断。27分後に戻ってみると、既に新成虫が誕生していた。抜け殻と絡んでいたので《羽化殻落とし》の最中かと思ったら……。


新成虫の左翅が抜け殻の中に残ったまま体が固まってしまったようだ。


羽化不全はしばしば起こる。こうしたシーンを見ると、脱皮や羽化は大変な作業なのだとあらためて感じる。
やはりケヤキの苔むした幹上で、羽化してまもないと思われるチャバネアオカメムシを見つけた。


画面の左側に下を向いた抜け殻。昆虫の脱皮や羽化を見るたびに思うが……よく、こんな小さな殻の中に収まっていたなと感心する。カメムシは抜け殻から出てくる新成虫や新幼虫の方が大きい(体を膨らませることで古い殻を破って体を押し出す?)。余談だが、ヘビの場合は逆に抜け殻の方が大きく(長く)なる


新成虫の翅がのびていく。抜け殻に近づいたので《羽化殻落とし》が始まると思いカメラを近づけると警戒して動きを止めてしまった。この新成虫は左触角が途中で欠けていた。


カメラを構えていると《羽化殻落とし》を始めないので、しばらく他を見て回り、戻ってくると、抜け殻も新成虫も消えていた……。
ついでに、先月撮影していた、(おそらく?)チャバネアオカメムシの初齢幼虫↓。




スポンサーサイト



コメント

No title
こんにちは・・・
カメムシの抜け殻落としの効力を想わせる証明写真!凄いですね・・・
自由に身動きできないうちに、アリなどに見付かると厄介であることは事実ですし・・・
こうして、抱かれた考察を細かく証明される・・・
私は、その星谷さんの能力に驚かされています!☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

カメムシの抜け殻落としは興味のある行動なので、つい注目してしまいます。
今回は、待機時間がほとんどなく記録できたのでラッキーでした。

チャバネアオカメムシというと、珍しいわけでもないし、虫好きの人でもあまり関心ない人が多いとは思いますが……身近なところに「!?」を見いだすという部分で密かに(?)面白味を感じています。

管理者のみに表示

トラックバック