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ハリサシガメ:前胸背の模様など

ハリサシガメの死骸~前胸背の模様/臭腺開口部は!?

この夏は異様に暑かったせいか、7月後半以降、 ハリサシガメ(*)を見る機会が減った。観察しやすい石垣は陽が射すと高温になるためだろう、アリやトカゲの姿も少なかった。本来ならペアの姿が観察できてよさそうな時期だが、さっぱりダメ。活動していれば目にとまりそうなアリの死骸(ハリサシガメ成虫はアリを捕え体液を吸った後、デコらないので死骸が残される)も見つからない……。
そんな中、石垣の下にハリサシガメ成虫♂の死骸が落ちてた。


活動を終えた成虫だろうか? ふだん動き回っているときにはじっくり撮れない部分を撮影してみることにした。死後、どれくらい経っているのか……容器に移すさいに左後脚がとれてしまった。


触角は欠け、複眼も壊れているようだ。その背面からの上半身ショット↓。


捕食性カメムシだけあって(もっぱらアリを狩る)複眼が発達している。前胸背の両端には牙のような側角が突き出していて、頭に近い部分(前葉)は複雑な立体模様がほどこされている。その胸部を左側面から見ると──↓。


横から見ると小楯板がら突き出した棘状の突起が目をひく。牙のような前胸背側角もそうだが、こうした鋭い突起は、鳥などに呑み込まれにくくする、ささやかな抵抗(?)になっているのだろうか?
『日本原色カメムシ図鑑 第3巻』(石川忠・高井幹夫・安永智秀/全国農村教育協会)には(ハリサシガメについて)《前胸背側角は棘状に突出し、後葉に4つの黄褐色の楕円紋が横一列に並ぶ》と記されているが、この個体にはその特徴(4紋)が無い。側角の部分をのぞいて前胸背後葉の紋が消失している。僕が見たところ、前胸背後葉の紋が消失している個体は少なくない。昨年8月に撮影した「紋が明瞭な個体」との比較↓。


前胸背後葉の4つの紋の大きさ(や有無)は個体によってまちまち──ということは、この模様には特に意味(生存率に関わる効果)は無いのだろう。


ハリサシガメの死骸を仰向けにひっくり返すと、腹が湾曲していた──これはオスの特徴(【ハリサシガメの腹】参照)。
仰向けにして確かめたかったのは、ハリサシガメ成虫の臭腺開口部だったのだが……。


色々な角度からクローズアップで撮ってみたが、臭腺開口部を確認することはできなかった……。ハリサシガメの臭腺開口部は消失しているのか、目立たぬほど小さいのか? 成虫のオスがメスを探すさいにはニオイを(も?)頼りにしているのだろうから(?)、臭腺はあっても良さそうな気がするが……幼虫時代は土粒やアリの死骸などで体をおおっているので、臭腺液を分泌することがあるのかどうか……疑問を感じる。あるいは幼虫の臭腺液にあたるものが、土粒などをまとうさいの接着剤になっているのではないか──などと考えたこともあるが、真偽の程はわからない。擬装素材を貼り付けるのにペースト状の糞が使われているという説もあるようだ。
ハリサシガメについては情報が少なく、わからないことが多いので、観察を続けることで推測素材を増やしていきたいところだが……今シーズンは暑くなってからの観察があまりできていない状況……。


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