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仮称トラフヒラタヤドリバエ

和名がついていない仮称トラフヒラタヤドリバエ



先日、雑木林のふちの葉の上にこんな昆虫をみつけた。一瞬《極小の黒いセセリチョウ》をイメージしたが、よく見ると黒いハエの2段重ねだった(2匹の翅が重なって4枚の黒い翅に見えた)。翅の一部が黒いハエ・アブは見たことがあるが、翅全体が漆黒のハエは初めて見た気がする。胸には黄色い帯模様が入っていて、なかなかオシャレだ。これが緑の葉の上で映えて美しいので、カメラを向けた。帰宅後ネットで検索すると、特徴のあるハエだけにすぐに同じ種類と思われる画像が見つかった──「Pentatomophaga latifascia」というヤドリバエの仲間のようだが……どうやら、まだ正式な和名は決まっていないらしい。ネット上では「トラフヒラタヤドリバエ」という仮称で紹介しているところがいくつか見つかった。
以前にも撮影したヤドリバエを調べてみたら和名がついていないことがあった(【白い後翅を持つハエ!?】)が……ハエ方面では和名の整理が遅れているのだろうか?

仮称トラフヒラタヤドリバエの翅はなぜ黒い?

翅の黒さが印象的だった仮称「トラフヒラタヤドリバエ」だが、ネット上の画像を見ると腹にも胸と同じような黄色(橙色?)の模様が入っている。僕が撮った画像ではその特徴が写っていなかったので、「撮り逃した感」が残った。
次にであった時にはそうした特徴がわかる画像を撮らねば……ということで、雑木林のふちで再会をはたした単独の仮称トラフヒラタヤドリバエ↓。


撮影中、ずっと同じ葉にとまっていたのだが、翅の開きぐあいや角度を何度か変えていた。翅を大きく広げると、腹の黄色い模様がよく見える。


この姿勢だと翅の後縁基部が発達した「胸弁」という器官もよく見える。これが、ハチの腰のくびれっぽく見えなくもない?


翅の構え方で印象が変わる気がする。




腹だけ見ると、ちょっとスズメバチっぽい感じがしないでもない。


僕がこの虫を初めて見たときは黒い翅に隠されて、腹の警告模様(?)には気がつかなかった。この模様をよく見ると、黄色い部分は腹の背面中央部で黒くなっている。翅を広げると警告サイン(腹)が露出し目立つが、逆に閉じると黒い翅が腹の黄色い部分をおおい隠し(左右の翅の間からのぞくのは黒い部分になる)目立たなくなってしまう。ハエの翅は透明であることが多いが、このハエの翅が黒いのには意味があって、腹の警告サインを隠す(警告モード/隠蔽モードの切り替え)スイッチ的な働きをしているのではないか……ちょっと、そんなことを思った。


ところで、この仮称トラフヒラタヤドリバエ。ネット上ではクサギカメムシに寄生するというような情報がある。
カメムシが背中にヤドリバエの卵とおぼしきものをつけているのを見ることがあるが……以前撮影したクサギカメムシ↓がつけていた卵も、もしかしたら仮称トラフヒラタヤドリバエのものだったのかもしれない?






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コメント

No title
クサギカメムシ上にヤドリバエの卵(?)を発見される・・・
その意識の高い観察に、ただただ驚き、頭が下がります。
繋がりと仮定と予測と・・・
短絡的な「凄い!」の言葉のみで評しては失礼ですが・・・
つい、口から洩れる、その言葉はやはり・・・
「凄い!」の一言につきます!☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

虫見を始めた頃、撮ったカメムシの画像をチェックしていて、背中に卵らしきものをつけている個体がいることに気づいて、成虫の背中に卵を産みつける寄生蝿がいることを知りました。
このクサギカメムを見た時も卵に気がついて撮っておいたのですが……今回思い出して、ひっぱりだしてきたしだいです。最後の画像で白矢印をつけるさいに、卵ではない白い模様にまで付けてしまっていたことに先ほど気がついて訂正しました。
(卵は2個なのに、白矢印を3つ付けていました……)
No title
たまに白いものを背負ったカメムシに出会いますが、そうですか、ヤドリバエの卵ですか。勉強させてもらいました。
過日、昆虫の写真展示をしているところで、白い卵を背負ったカメムシ(確かクロヒメカメムシに似たもの、、)を撮られていました。しかしこれは違いますね。
私は最初は白いダニでも居るのかと思っていましたが、迂闊でした。
No title
> まーしーてんしんさん

カメムシが時々背中につけている白い卵は寄生蝿のものみたいですね。きっと色々な種類がいて対応する寄主の種類もそれぞれなのでしょうが。

ダニといえば……梅雨の時期には赤いダニをつけた昆虫をよく目にしますね。「あれ!? 初めて見る模様の虫!?」──と思ってよく見ると、ダニ付きだった……なんてことがよくありすます。

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