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白腹のハリサシガメ幼虫

白い腹がのぞく脱皮後のハリサシガメ幼虫



石垣の上で食事中のハリサシガメ幼虫を見つけた。前脚と中脚でアリをおさえ口吻を刺して体液を吸っている。おそらく脱皮してあまり経っていない個体なのだろう──脚にはまだ新たな土粒コーティングがほどこされておらず、そのため脚の隙間からアリの姿がのぞいている。背中には脱皮のさいに引き継いだデコレーションを羽織っているものの、側面は隠れておらず、幼虫の腹部がむき出しになっている。
少しアングルを変えると、背中の(前齢から引き継いだ)旧デコレーションと腹部背面の間に隙間があいているのがわかった↓。




(旧齢時代の)デコ素材同士はくっつきあって固まっているが、新幼虫の背中にはまだ(?)ピッタリ貼りついていない。
ちなみに、このとき捕食していたアリは、その後、この《隙間》に押し込まれデコられた。


新しいデコ素材は、後脚によって腹端側から盛られるようだ。
ところで、このハリサシガメ幼虫は腹部が白っぽい。羽化殻では腹部は黒だった。先日ひろって異物を取り除いた幼虫も、腹部は黒っぽかった↓。


ハリサシガメの終齢幼虫が(他の多くのカメムシと同じように)5齢だとすれば、この死骸↑は4齢、そして今回みつけた腹が白っぽい幼虫は3齢あたり?──ということになるのだろうか……。

脱皮時のデコレーション引き継ぎの謎

今回、新幼虫の腹部背面から浮き上がっていた旧デコ素材(接着していなかった)を見て、《脱皮の際のデコ素材の引き継ぎ──脱皮殻から新幼虫への移行がどうして可能なのだろうか?》と改めて疑問に思った。
脱皮したての新幼虫の体はベタベタしているわけではないだろう(体表面に粘着性があったのでは脱皮の妨げになる)。それを裏付けるように今回のケースで新幼虫の腹部背面はデコ素材に貼り付いていなかった。脱皮後の新幼虫の脚や腹には土粒がほとんど付いていないことからも、脱皮後は体表面はスベスベ(粘着性はない)だろうことは想像できる。同様に頭部や胸部の背面にも粘着力がなければ(おそらく無いのだろうが)、それではどうして新成虫は脱皮時に抜け殻に貼り付いていたデコ素材を引き剥がしてまとうことができるのだろう?
ハリサシガメ脱皮後の再装備は?】でも記したが、脱皮しながらデコ素材が引き継がれるなど、実際に見ていなければ、とても信じられない光景だ。実際に見ていてもにわかには納得しがたいものがある……。脱皮しながらデコ素材が移行するとうのは《ハリサシガメ・マジック》とでも呼びたい現象だ。
捕食したアリの死骸などをデコるときには《ペースト状のフンが接着剤がわりに使われる》というような説(?)があるらしいが……脱皮後、旧デコ素材はフンで貼りなおされるか、あるいは粘着処理をした(?)新たな素材がデコられ糊着することで、安定していくのかもしれない。

大きめのアリを捕えデコるハリサシガメ幼虫



これも最近、脱皮したのではないかと思われるハリサシガメ幼虫。脚の土粒コーティングが甘く、腹の一部ものぞいている。ただし、こちら腹の色が黒っぽく体も大きいので、4齢か5齢だろう。この幼虫、実際は石垣の鉛直面に頭を下にしてとまっていた(画像を90度回転している)。大型のアリを捕えていたので、これをデコるようすを観察しようと、そのときを待っていた。大型のアリは食いでがあるのか(おそらく消化酵素を注入して溶かしながら吸収しているのだろうが)食事時間も長い。口吻を位置を変えながら何度も刺しなおしていた。そろそろ食事を終えて擬装行動に移る頃ではないかと期待してたのだが……石垣の上に別の大型アリが現れ、ハリサシガメ幼虫に近づいてきた。ハリサシガメ幼虫は捕えていた獲物を放し、近づいたアリを捕えようとしたが失敗……捕えていた獲物は落下してしまった。その様子にイソップ寓話の「よくばり犬」が脳裏に浮かぶ……(肉をくわえて橋を渡っていた犬が、水面に映った「肉をくわえた犬(自分)」の姿を見て、その肉も欲しくなって脅し取ろうと吠え、自分がくわえていた肉も落としてしまう話)。
素材(アリの死骸)を落としてしまったことでデコるシーン(擬装行動)は観察できなくなってしまった……ということで、その場を離れたのだが、翌日同じ場所で同じ個体を見つけた(多少配置変更はあるがデコ素材から同じ個体と判断)。大きなアリがデコレーションの腹端側にくわえられている。あの後もハンティングを続けていたらしい。


ハリサシガメ幼虫は幼齢によって、あるいは個体によっても(?)デコ素材のアリの大きさにバラツキがある。


やや小さめのアリを多くデコったハリサシガメ幼虫↑。おそらく前回の記事で捕食~擬装行動を紹介した個体ではないかと思う。ハリサシガメ幼虫は同じアリの巣の(同じ種類の)近くで狩りをするという傾向があって、同じサイズのアリがそろいがち──ということもあるのかもしれない。
こちら↓は大きめのアリを多くデコったハリサシガメ幼虫。




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