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ハリサシガメの捕食~擬装行動

脱皮後!? 体表面がのぞくハリサシガメ幼虫



ふだんは土粒で体をおおい隠しアリの死骸などをデコレーションしているハリサシガメ幼虫。のぞいているのは眼と触角、脚の一部だけで、その本体は見ることができない。なので一見どっちを向いているのかさえ見当がつかないこともある。上の画像は画面右側に向かって触角が伸びているので右を向いていることがかろうじて判る。よく見ると触角の根元ふきんに眼がのぞいている。狩りをするカメムシ(サシガメ)なので眼はちゃんと視界を確保している。
さて、上のハリサシガメ幼虫と同じ向きのハリサシガメ幼虫↓。


背中にデコレーション素材を乗せているものの、体の側面や腹面、脚などは露出している。おそらく脱皮してまだ土粒コーティングをしていないのだろう。ハリサシガメ幼虫の脱皮は、古い殻の背にデコられていた擬装素材をひきつぎながら行われる。脱皮を終えた時点で新幼虫の背中にはデコ素材が乗っているのだが、脚や腹面はまっさらな素の状態。ちなみに、背面の擬装を取り去った幼虫本体の姿は→【ハリサシガメ幼虫のスッピン】。
ハリサシガメ幼虫の完璧な擬装は、獲物となるアリに近づくためのものだと考えているが、狩りをするときは前脚&中脚の4本でアリを押さえ込んで口吻を突き刺す。そのさい、アリを押さえ込みやすいように(だと思うのだが)前脚と中脚の内側にはレガースのような器官がある。


ハリサシガメ幼虫が捕食したアリを背中にデコる



小さなアリを捕えて体液を吸うハリサシガメ幼虫。前脚と中脚にかくれて獲物がわかりにくいが、ハリサシガメは幼虫も成虫もエサとしているのはもっぱらアリ。狩るときや口吻を刺しなおすときには、前脚と中脚の4本を使って獲物をコントロールする。






体液を吸い終えたアリは腹の下をくぐって後脚にわたされ、背中に盛りつけられる。上画像ではハリサシガメ幼虫の頭の方から撮っているが、背中にデコるときは後脚を使うので、尻の方(右斜め後方)から撮った画像↓。




ハリサシガメ幼虫がどんな手段を使って獲物を背中に接着しているのか謎だったが、先日《ペースト状のフンを使って食べかすを貼り付けていると言われている》という情報を知った。アリの死骸を腹の下を通して腹端側にもっていき、後脚をゴニョゴニョ動かす仕草は「ペースト状のフン(接着剤?)を塗り付けている」ように見えなくもない?(正確なところは確認できていない)


捕食後のアリの死骸は、後脚を使って背中にデコられる。






背中のデコレーションに新素材(アリの死骸)を押し込んだあとも、後脚を使って荷を整えるような動作を繰り返す。あるいはこのとき「ペースト状のフン(接着剤?)で補強」をしているのかもしれない?

擬装には視覚的な隠蔽効果もありそう





ハリサシガメ幼虫の擬装はアリ対策としての意味合いが強い──と僕は考えているのだが、昆虫食の外敵に対する視覚的な隠蔽効果も高そうだ。特に土の上にいると見事に周囲に溶け込んでしまう。
ハリサシガメが見られる石垣ではヒガシニホントカゲの密度が高く、ハリサシガメと異常接近することも少なくない。




どん欲な昆虫ハンター・ヒガシニホントカゲだが、不思議なことにハリサシガメ幼虫には全くの無反応。擬装の隠蔽効果で気がつかないのか、あるいは気づいても、食べるには擬装素材がジャリジャリしてマズそうなので(?)エサから除外されているのか? はたまた(ヒガシニホントカゲが捕食しない)アリをまとっていることで、アリ同様にスルー対象になっているのか?
いずれにしても土粒やアリの死骸などの擬装がトカゲに対しても役に立っていそうな気はする。


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