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立派な触角ヒゲコメツキ

立派な触角のヒゲコメツキ♂とブルウィンクル



葉の上にヒゲコメツキのオスがとまっていた。なんと立派な触角だろう。天空でソアリングする鳥の広げられた翼を思わせる。このりりしい姿はコメツキムシの仲間の中でも異彩を放っている。
見かけるとカメラを向けたくなるが、この立派な触角を持っているのはオスだけ。メスの触角は鋸歯状。比較用に過去に撮ったメスの画像を探したら、2015年の6月に撮ったきり……やはり見映えのするオスと比べるとメスはスルーしがちなのであった……。


オスとメスの見た目の違いは触角で顕著だが、眼もオスの方が大きい。これはオスがメスを見つけるための機能拡張のためだろう。眼が大きければメスを見つけやすいだろうし、触角の表面積が広ければメスのニオイ(フェロモン)を察知しやいのだろう。
しかし──それにしても立派な触角だ。ヒゲコメツキ♂の触角が立派なのは「メスの放つフェロモンをキャッチするため」と考えられているそうだが、「これほど立派な触角が《必要》だったのだろうか?」とも思えてくる。他のコメツキムシたちは、こんな立派な触角が無くても、ちゃんと生きのびて来ている。ヒゲコメツキ♂の立派な触角が進化のどの時点で獲得されたのかは知らないが……「ヒゲコメツキのオスがメスと出会うためにこれほどの触角が《必要》だった」のだとすると、「オスが触角を櫛状に進化させる前は、どうやってメスと出会っていたのだろうか?」ということになる。
オスの触角が櫛状になる前には、それでもちゃんとメスを見つけることはできていたはずだ(でなければ生き残っていない)。櫛状の触角を持つオスが出現したことで、メス探しに有利なオスが優勢になってその子孫に特徴が受け継がれ顕著化したということなのだろうか? 触角を発達させることで繁殖率を向上させることができるのであれば、他のコメツキムシの中にももっと触角を発達させた種類が多くいてもよさそうな気がする。
他のコメツキムシと比べるとやたらと立派な触角は、単に「機能拡張」のためというより、イレギュラーな(?)過剰形成的なところもあるのではないか──そんな気がしないでもない(必要がないから他の種ではこれほど発達しなかった/あってもさほど不都合は無いからヒゲコメツキ♂ではこの特徴が受け継がれている)。
あるいは、これだけ立派な触角なのだから、メスをめぐるオス同士の争いで、ボリュームのある触角は威圧効果が高い(→メスの獲得率が高まる)──みたいにコトでもあるのではあるまいか……。そんな想像も湧いてきたりする。
ホントのところはわからないが、「それにしても立派すぎる触角」には意味深オーラを感じてしまう。

さて、立派な触角を持つヒゲコメツキ♂だが──この虫に出会うと僕は子どもの頃に見ていた海外アニメ『空飛ぶロッキー君』に出てくるブルウィンクル(ヘラジカ)を思い浮かべてしまう。
ヒゲコメツキ♂を見てブルウィンクルを連想するのは僕だけであろうか?


ムササビのロッキー君(画面右)とヘラジカ(ムース)のブルウィンクル↑。

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コメント

No title
見事ですね。オスメスでこんな違いが。ナイス!
No title
> 四季の風さん

カブトムシやクワガタ、フユシャクもそうですが、オスとメスの違いが顕著な昆虫はけっこう(?)いますね。そんなところにもフシギと面白味を感じます。
No title
こんばんは・・・
他にも、オスがやたらと立派な触角を持つ種がいますね・・・

形・模様・色彩・・・それぞれが持つ特徴を観ては・・・
「その由を虫に尋ねてみたい!」と
いつもそう想います。
(いや待てよ・・・その由に想像を膨らませる方が人生をより愉しめるかな?)☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

蛾の仲間もオスの触角が立派のが多いですね。クロスジフユエダシャクの婚礼ダンスの観察で、オスの触角が発達しているのはメスのフェロモンを感知するため──というのは解る気がします。だから同じ理由をヒゲコメツキに当てはめるのも解釈としては成り立つのでしょうが、「それにしても立派」なので、ホントにそれだけなのかな……と思ってもみたり。
興味のあるものを目にすると、想像が膨らみますね。
No title
おはようございます!

先日見かけて、同定出来ませんでした。
名前が判ると、断然、興味が湧いて来ます!

ありがとうございます!
No title
> 森のゴンズイさん

コメツキムシの仲間は似たようなのが多くてスルーしがちなのですが、ヒゲコメツキの特にオスは特徴がわかりやすいですね。

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