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フチグロトゲエダシャクの産卵他

フチグロトゲエダシャクの産卵



フチグロトゲエダシャクは冬の終わりに現れる昼行性のフユシャク(冬尺蛾)。僕が目にするのはこれが2度目──6年前に初めてフチグロトゲエダシャクのペアを見て以来。今回はメスだけだったが、すぐにフチグロトゲエダシャクと判った。いたのは以前見たポイントから1kmほど離れた場所。メスは擬木を登っており、カメラを向けると落下。近くの草をよじのぼってきたが、不安定でなかな落ち着かない。そこで安定した場所に移動させるために一時回収してみたしだい。


この姿勢だと、やけに腹が長く見える。フチグロトゲエダシャク♀には翅が無いが、こうして見るとプロポーションはシロトゲエダシャクやシモフリトゲエダシャクのメスに似ている感じもする。ちなみにこれら──「トゲエダシャク」がつくものは、フユシャクであっても標準和名に「フユ」がつかない。
このメスを近くのサクラの若木にとまらせてみた。待っていればオスがやってくるかも知れないと期待したのだが……オスを呼ばずに産卵行動をとりはじめた。


一時回収したときとプロポーションがずいぶん違う感じだが、同個体。腹端から産卵管を出し入れし、樹皮に触れながら産卵場所を探しているようす。




動きを止めたフチグロトゲエダシャク♀。この場所で産卵を始めた。


樹皮の隙間に卵を産みつけていく。






♀は移動しながら卵を産み続けていた。
フユシャクの多くが夜行性だが、フユシャク・シーズンの最初(冬の始まり)に現れるクロスジフユエダシャクと最後(冬の終わり)に現れるフチグロトゲエダシャクが昼行性というのが、おもしろい。これには何か理由があるのだろうか?
ちなみに、クロスジフユエダシャクの方は通常メスは落ち葉の下などに隠れており、オスは《婚礼ダンス(はばたき歩行)》によって、物陰にひそんでいるメスを探り当てる

クロスジフユエダシャクはなぜ隠れて交尾するのか

なんちゃってフユシャク(冬尺蛾)メスコバネマルハキバガ



擬木の上にいたメスコバネマルハキバガ♀──(フユシャク同様)メスは翅が退化したフユシャクちっくな蛾だ。しかし、メスコバネマルハキバガは「メスコバネマルハキバガ科」なので、フユシャクとは呼ばない(フユシャクは年に1度、冬に成虫が出現/メスは翅が退化し飛ぶことができないという特徴をもつ「シャクガ科」の蛾の総称)。


この個体……よく見ると、顔に仮面をかぶっているような!?


羽化のさいに、頭部の蛹殻がうまく剥離できなかったのだろうか?
しかし、動き出すとせわしなく元気に歩き回っていた。



なんちゃって冬尺蛾メスコバネマルハキバガ

擬装するイモムシ他



アオシャクの仲間と思われる幼虫。ゴミをまとってカムフラージュするのがおもしろい。


チョウも色々見かけるようになったが、早春の蝶・コツバメも出ていた。


コツバメはコンクリート擬木にとまって太陽光を効率よく浴びる角度に翅を傾けていた。
鱗翅目(蛾やチョウ)以外の昆虫も少しずつ増えてきている。


ミヤマシギゾウムシはコナラの虫こぶに産卵するらしい。擬木の上でもしばしば目にするが、動きまわってなかなか上手く撮れないことが多い。


擬木のふちから思い切り身を乗り出していたミミズクの幼虫↓。


面に貼り付いていると輪郭がわかりにくいのだが、こうしているとよく判る。このあと跳ねて姿を消してしまった。


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コメント

No title
こんばんは・・・
まるで、ヒトの出産時のいきみ(出産のために力を入れる)を想わせるようなフチグロトゲエダシャク(♀)の産卵時のポーズ(フォルム)に、想わず女性同士の(がんばれ!)の声援を送ってしまいました。
それにしても上手くくぼみに卵を産み付けていくものですね!
これも代々から組み込まれた(行動パターン)なのでしょうか?
自然の生物の緻密な生き残り戦略を想います。

・・・「はて、最初と最後だけ・・・」
何故でしょう?冬以外でも、昼行性のものと夜行性のものとが居るので・・・?・・・その訳が解かりません・・・
でも、そこにはきっと、何だかの生き残り戦略(訳)が隠されているのでしょうね!
謎の多い虫!その行動パターンに想いを馳せる一時も、虫好きの方々の醍醐味でもありますね!☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

フチグロトゲエダシャクの産卵ポーズ──腹を縮めているのは内圧を高めて卵をひりだしているようにも見えますね。
フユシャク亜科の♀が毛でコーティングしていくのに対して、フチグロトゲエダシャクなどは(コーティングしないかわりに)隙間に隠すように産みつけていく感じがします。

フユシャクのことを初めて知った時は、「天敵が少ない冬なら、気温が高い日中に活動する種類がもっといていいのではないか?」と疑問に思いましたが、昼行性クロスジフユエダシャクが隠れて交尾をする事を知って、冬でも鳥の捕食圧はそれなりにあるのだろうと考えるようになりました。
鳥にしてみれば冬になるとエサが減るので活動しているフユシャクへの比重が高くなる……冬の始まりと終わりには他のエサもあってフユシャクへの比重が低くなる……なんて可能性も考えたりしましたがよくわかりません。
No title
フチグロトゲエダシャクの♀に出会って
しかも産卵をし始めたなんてすごいです(*_*)
以前オスを見たあたりなんですね。
樹の皮のくぼみに産卵していくんですね。
無事に来年成虫になってくれるといいです。。。

コツバメ、あのあたりにもいるかな~とは思っていましたが
やはりいるんですね!
しっかり撮影されていてさすがです。。。
ミミズク幼虫、私も先日見ましたが
ちょっと移動してもらいたくてつんつんしたら、ぴょーーんと跳ねて失踪してしまいました(>_<)
No title
> noriさん

以前、フチグロトゲエダシャクを見たのも3月の下旬だったので、狭山丘陵での発生は遅め(?)なのかも?
今回のメスは以前見た場所から西に1kmほど(直線ではなく徒歩コースで)離れたところで見つけました。あの界隈では発生場所が点在している可能性もあったりして?

コツバメは、先日、目の前を横切って飛ぶチョウを見て「あれはミヤマセセリかコツバメか?」と言っていた、あのあたりのコンクリート擬木にとまっていました。「どうせ飛んで逃げるんだろうな……」と思いつつカメラを向けたのですが、意外にも(?)撮れたので載せてみました。

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