FC2ブログ

イチモジフユナミシャク♀は地衣類擬態!?

水色の小さな翅が魅力のイチモジフユナミシャク♀

今シーズンは12月半ばから目にするようになったイチモジフユナミシャク(これまで12月下旬に入って確認することが多かった)。冬限定の蛾・フユシャクの仲間で、メスは翅が退化して飛ぶことができない。その小さな翅は可愛らしく、あわい青~緑色を帯びている。この色が濃い個体は特に美しい。


イチモジフユナミシャク♀はサクラの幹でよく見つかる。このメスがとまっていた柵も桜並木沿いに設置されたもの。背景に幼虫時代を過ごしただろうサクラ(幼虫の食餌植物)が写っている。


飛ぶには小さなメスの翅。飛翔能力をもつオスの翅とは大きさや形だけでなく、色合いも全く違う。






以上5枚は同一個体。

個体によって印象もさまざまなイチモジフユナミシャク♀



サクラの古木にとまっていたイチモジフユナミシャク♀↑。
やはりサクラの古木の幹にとまっていた別個体↓。


この個体↑は前翅の黒帯模様が太め。この黒帯模様が途切れているものも多い↓。


この個体↑は青みが薄く、全体に白っぽい。
それに対し、こちら↓は全身に黒い鱗粉がまじり、ゴマをふったように見える。


擬木にとまっていたイチモジフユナミシャク♀↓は腹の背面が黒く、ぐっと印象が変わる。




腹の背面が黒いイチモジフユナミシャク♀は以前も見たことがあったが、僕がこのタイプ(?)をみたのはこれが2例目。
対照的な印象のイチモジフユナミシャク♀↓。




このメス↑は、ふくよかな腹に張りがある産卵前の個体。
産卵後は腹が縮み、体型がずんぶん変わってしまう↓。


淡いブルーは地衣類にまぎれる擬態カラー!?



このイチモジフユナミシャク♀↑は撮るにはやや高い位置にとまっており、逆光でもあったので、降ろして撮影を試みた。そのさい、擬死状態になったものの、動き始めるとせわしなく歩き動き続けて、なかなか思うように撮らせてくれない。なかば撮影をあきらめ、近くのサクラの幹にとまらせて、落ち着くようであったら撮ろうと眺めていると……メスは幹を降りていき、地衣類のあるところで静止した。


みごとに地衣類と同化して、こうなると、どこにいるのか、ちょっとわからない!?


このコケのような地衣類は桜の幹ではよく見られるものだが、あわい青~緑色をおびている──この色合いがイチモジフユナミシャク♀に似ていて、実際に《イチモジフユナミシャク♀探しモード》でサクラをチェックしていると、しばしば小さな地衣類片に反応してしまう。
イチモジフユナミシャク♀のあわいブルーは、オスにはない特徴だ。わざわざ(?)オスと違う特徴を獲得したということは、そこに何か意味があるのではないかと考えたくなる。これは地衣類にまぎれるための擬態カラーなのではないか?──そんな可能性を想像していた。
ただ、もしそうなら、もっと積極的に地衣類の上にいてもよさそうな気がするが……これまで地衣類の上に好んでいるといった状況は確認したことが無かった(地衣類から離れていてもサクラの幹上にいれば地衣類っぽく見えないことも無いわけだが)。
今回、イチモジフユナミシャク♀が、みごとに地衣類にとけこんでしまうようすを目の当たりにして、《イチモジフユナミシャク♀のあわいブルーは地衣類擬態》という見方も、あながち間違いではないのではないか……などとあらためて感じた。


こんなメスとは全く異なるオスの姿↓。


オスには飛翔用の大きな翅があって、枯葉を思わせるような体色は、この時期には目立ちにくい隠蔽色のような気もする。この翅がメスのようにブルーであれば目立って鳥などに狙われやすくなってしまうに違いない。翅が退化したメスは体の大きさやフォルムがオスとは異なることから、独自のスタイルで──地衣類に紛れる隠蔽カラーを獲得することになったのではないか……今はそんなふうに考えている。


スポンサーサイト



コメント

No title
見つからないです。自然の営みって素晴らしいですね。ナイス!
No title
> 四季の風さん

イチモジフユナミシャク♀はサクラの幹でみつかることが多いのですが(時々ケヤキでも見つかります)、♀は飛べないので代々同じ木で発生している可能性が高いと思われるので、古くからあるサクラの名所・桜並木を探すといいかも?
いつも綺麗に掃除されている場所より、根元に低木の植込みがあるような古木で見つかることが多い気がします。
No title
先ほどはありがとうございました。
青い翅のイチモジ♀はいいですね~。
写真を拝見していても、青い色合いは角度によってやはり少し変化するのでしょうか。
落葉の上のとそのあとの幹の上のは、翅の色が少し違って見えるような気がしました。
形も色も、地衣類に本当にそっくりです。
No title
> noriさん

こちらこそ、ありがとうございました。
新鮮な♀を見ることができてよかったでいね。淡いブルーは角度や背景・露出などで感じが変わって見えるような。
今日、noriさんが見つけた個体は、プチ移動のあと静止した背景に地衣類が写り込んでいましたが、色合いが良く似ていると画像を見てあらためて感じました。

管理者のみに表示

トラックバック