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婚礼ダンスでペア成立:クロスジフユエダシャク

続・《婚礼ダンス(はばたき歩行)》で♀探し

昼行性フユシャク(冬尺蛾)のクロスジフユエダシャクは、オスが《婚礼ダンス(はばたき歩行)》を舞うことで、落ち葉の裏などに隠れたメスを探し当てる。今シーズンも《婚礼ダンス》を確認したことは先日【クロスジフユエダシャク:冬尺蛾の不思議】で記したが、このとき見つけたメスは木の幹にとまっていた1匹だけ。《婚礼ダンス》もうまく撮れていなかったので、「オスの《婚礼ダンス(はばたき歩行)》でメス探し」~「ペア成立」までの追加観察をしに、雑木林に行ってみた。
林床を低く舞うオスの姿はだいぶ増えていたが、《婚礼ダンス(はばたき歩行)》は、いつどこで始まるのかわからない。散々待たされ、やっと見つけても近づいてフレーミング~ピント合わせをしているうちに終了してしまうことも多い。そして、今回もやはり苦戦した……。

2匹のオスが反応していたが…



少し離れたところで2匹のオスが《婚礼ダンス(はばたき歩行)》を始めたたので、近づいてカメラを向けたのだが……撮る前に《婚礼ダンス》は終了。オスはすでに落ち葉の陰に姿を消していた。問題の葉の裏側に回り込むとオスの翅が見えてきた↓。


さらに回り込んで落ち葉の裏をのぞきこむと、既にペアが成立していた。


《婚礼ダンス》に注目することで、ここでの交尾を確認することができたが、この静止した状態を見つけるのはまず無理。ちょっと目を離すと周囲の落ち葉に紛れて見失ってしまうので油断ならない。
ペアがとまっていた落ち葉をひっくり返して撮影↓。


クロスジフユエダシャクに限らず、フユシャクのメスは翅が退化して飛ぶことができない。


4匹のオスが反応:《婚礼ダンス》の乱舞



動きがせわしない1匹の♂を目で追っていると、視野に次々と別のオスも入ってきて《婚礼ダンス(はばたき歩行)》が始まった。


複数のオスが狭いエリアで同時に《婚礼ダンス(はばたき歩行)》を始めることはよくある。どのオスが「当たり」なのか、その時点ではわからないので、被写体の選択&フレーミングにまごつき、ピントもボケがち……。
オスたちが1カ所に集まり、葉の裏にもぐり始めた。すると、大挙して押し掛けたオスたちにあわてたのか、メスが葉の裏から姿をのぞかせた。


すでに交尾は成立していて、あぶれたオスたちも魔法がとかれたように《婚礼ダンス(はばたき歩行)》を終了。






ペアがもぐりこんだあたりの落ち葉をそっとどけていくと……。


卵が詰まったメスの腹ははちきれそう。伸びきった腹の節の間から卵の緑色が透けている。

単独♂《婚礼ダンス》を撮る間もなくペア成立



1匹のオスが《婚礼ダンス(はばたき歩行)》を始めたので、近づくが……あっという間にペアが成立していた……。


《婚礼ダンス》で落ち葉の下へ



別の場所で《婚礼ダンス(はばたき歩行)》が始まったので、撮影しようとするが……やはり撮る前にオスは落ち葉の下へもぐり込んでしまった……。葉の下をのぞきこむと、オスが逆さにとまっているのが見える↓。


暗いので上の落ち葉をとりのぞくと、黒っぽいメスの姿も確認できた。


とまっていた葉を裏返して撮影↓。


大きさがわかるように直径20mmの1円玉と──。


《婚礼ダンス(はばたき歩行)》でオスがメスを見つける瞬間



《婚礼ダンス(はばたき歩行)》を始めたオスを追いながら撮影を開始。メスを見つける直前&ペア成立直後のシーンが撮れた。この2枚の画像↑の撮影間隔は、わずかに10秒。ペア成立はあっという間だ。


オスが羽ばたいている時は目立つが、静止すると落ち葉だらけの背景に溶け込んでしまい、見つけるのは困難。


オスの《婚礼ダンス(はばたき歩行)》を追っていなければ、こんなシーンを見つけることはできなかったろう。昼行性のクロスジフユエダシャクは、オスを目にする機会が多い──そういった意味ではありふれたフユシャクだが、こうして日中、配偶行動が観察できるという点では貴重な存在という気もする。


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コメント

No title
ああ~~~素晴らしいですね!
観察できるまで、しっかり粘られて・・・「こうでなきゃな~~~」と、頭が下がる想いです・・・
ここ最近、お天気が良く散策日和が続いていましたのに、今年こそは!と心に誓いながらも、どこか億劫で虫探し散策に出る事をこばんでしまった私を悔やむばかりです。
記事内の素晴らしいショットを拝見しつつ、経験からくる観察眼といいましょうか?感?感性?・・・う~~~ん、素晴らしい!
と、これらお写真に(観察意欲)を、再び触発された私です。☆
No title
星谷仁 讃江

今日、和尚がアルバイト先の仕事で
クロスジフユエダシャクの♂一匹を
見つけました。
星谷仁さんのブログを毎回見ていますから
判ったんですよ。
桜葉の枯葉が堆積した所で見付けました。
11月の台風で法面に敷いた草防除の薄板がハガレ
その後始末をしていて偶然に発見しました。
ブログを読み込んでいなければ
親戚の身内を( ^ω^)・・・
そんな感じになりましたよ。

らく画きにがお絵和尚より
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

あわててピンぼけ量産ですが……とりあえず、観察の内容がわかるようにと。
クロスジフユエダシャク♂の婚礼ダンスは、いつ・どこで始まるか読めないのですが……ここれまでの経験からいうと、♂がたくさん飛んでいれば効率よく見つかるかというとそうでもなく、むしろさほど多くないところですんなり観察できたり……効率的な観察ポイントの条件のようなものがあるのかもしれません。そのあたりがまだ良くわからないのですが……とりあえず、お目当てのシーンが観察できるとホッとします。
No title
> らく画きにがお絵和尚の日記さん

らく画きにがお絵和尚さんも、ごらんになりましたか、クロスジフユエダシャクの♂。
知らなければ、ただの蛾ですが、知っていれば「これか!」ということになりますね。馴染みになると、冬の始まりを告げる風物詩的な存在として感じられるようになるかと思います。
No title
前にも興味深い記事を書かれましたね。それからフユシャクを探しましたが逃げられて発見できません。観察力に驚きます。ナイス!
No title
> 四季の風さん

この時期、クロスジフユエダシャク♂は飛んでいる姿をよく見ますが、落ち葉の上を低く飛んで降りそうでなかなか降りなかったり、止まって翅を休めても、すぐにまた飛び去ってしまうことも多いですね。
フユシャクでも、夜行性のものは昼はあまり動かないので撮りやすかったりします。
No title
すごい写真ですね。
やはりこうした光景を見て写真に収めるには辛抱と執念が必要と感心します。
たまたま偶然にこうした機会か訪れないかなと思っている私には無理ですね。雌を見たこともまだ数度しかありません。
ナイス
No title
> トミさんさん

ピンぼけ画像も多く、写真としては恥ずかしい出来なのですが……とりあえず、虫たちの様子がわかるものをまとめてみました。
クロスジフユエダシャクの婚礼ダンス観察は、待たされがちな地味な作業ですが、目的のものが目の前で観察できるとテンションがあがります(笑)。

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