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レガースで獲物を保定するハリサシガメ

石垣上のハリサシガメ♂



9月も半ばを過ぎると見かける頻度が少なくなったハリサシガメ。このところエサとなるアリの活動も衰えてきた感じがする。シーズンも終焉に近づいている気がしないでもないが……10月に入ってからも頑張っている(?)個体がいた。


このハリサシガメ♂は腹端から交尾器がのぞいている。収納ギミックが故障しているのだろうか。よく見ると背中(小楯板)の棘状突起も先端が欠けていた。


前日、ほぼ同じ場所で確認した時は、棘状突起はまだ欠けていなかったのだが……↓。


棘状突起が欠けるというのは、いったいどういう状況で起こるのだろう? 欠けるほどの負荷がかかったということは、この突起にも何らかの働き(役割り)が課せられているということなのだろうか?

レガース(脛当て)でアリを制御するハリサシガメ♀

棘状突起が欠けたオスを観察していると、近くにハリサシガメ♀が現われた。口吻にアリを刺したまま石垣の上を急ぎ足で移動すると、隙間に身を隠して食事を始めた。


ハリサシガメは狩りをするときには前脚と中脚を駆使して獲物のアリを押さえ込むが、口吻を刺し、しとめたあとは脚を離して通常の姿勢に戻る。


前脚と中脚の脛節(けいせつ:ヒトでいえば膝から足首にかけての部分)の内側に「脛(すね)当て」(レガース)のような器官(海綿窩?)がある。これは獲物であるアリをしっかり押さえ込むとき、グリップ力を高める働きをしているのではないか──と僕は考えている。


食事中、針のような口吻を刺しなおすときにも、前脚と中脚を使って獲物をコントロールする。


獲物を保定するさいに、滑らないようにレガース部分で押さえているように見える。
口吻が打ち込まれると、獲物を押さえていた脚を離す。


食事中は位置を変えて何度も口吻を刺しなおすが、そのたびに前脚と中脚を使ってアリを動かし保定する。








画面右側に頭を向けているアリ↑の、向きを反転させた↓ハリサシガメ♀。




食事を続けるハリサシガメ♀だが……その近くには棘状突起が欠けたオスがいる。

ハリサシガメ・ペア不成立



食事中のハリサシガメ♀と、冒頭のオスとの位置関係は、こんな↑ぐあい。
それまで石垣の上でじっとしていたオスが、フェロモンでも察知したのか(?)、突如メスの方に動きだした。


あれよあれよといううちにメスに近づいたオス↑は、あっという間にメスにとびついた↓。


メスは抵抗し、2匹はもつれあって石垣から落下。地面で別々の方向へ走り去って、交尾は未成立に終わった。

ハリサシガメ♂の腹端



少し経つと、オスは石垣の上に戻っていた。腹端(生殖節)の収納ギミックが壊れている(?)のは、あいかわらず。


どういう仕組みで交尾器が展開したり収納したりするのかは僕にはわからないが……正常な収納状態の腹端はこんな↓。


交尾器がきれいに収納されている。今年8月に拾ったハリサシガメ♂の死骸を仰向けにして撮ったもの。


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コメント

No title
こんばんは・・・
こうしてみますと、レガース(?)の役割、効果は、確かにありそうですね・・・
フェロモンに誘われる♂の姿も、あらがう♀の姿にも、生き物の営みが感じられて興味深いです。
♂の生殖器が未収納なまま・・・どこか動きに故障をきたしているのでしょうかね?
だとしたら、他の♀との交尾の際、何か・・・不手際があったのでは?♀に生殖器をガッチリホールドされているにも関わらず、何とかして逃げようとした・・・など!?その際・・・???
とは言いましても、ハリサシガメの交尾の主導権が♂♀どちらにあるのか?は不明ですけれども・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

こうしたシーンを見ると、レガースはただの飾り(?)ではなく、やはりグリップ力を高める器官のように思えてなりません。
ハリサシガメのオスがどうやってメスを見つけるのかはわかりませんが……メスを察知してのことなのか偶然なのか、どんどんメスのいる方に向かって行き、こりような展開になりました。

余談ですが……この騒動(?)でメスが放り出したアリは、小さなアリが1匹で運び去りました。アリは本当に力持ち。

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