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飛来したトビナナフシ

飛んできた!?ヤスマツトビナナフシ

ハリサシガメの姿を探して石垣を眺めていると──目の端から飛翔する虫が視界に入ってきた。なだらかな角度で飛来した虫は、そのまま石垣に着地──その姿を見てビックリ! ヤスマツトビナナフシのメスだった(この昆虫のオスは見つかっていない)。トビナナフシの飛翔を見たのは初めてだった。


このあたりで見られるトビナナフシはニホントビナナフシとヤスマツトビナナフシの2種(僕はこの2種しか見たことが無い)。ニホントビナナフシも見かけるのはたいていメス(本州では単為生殖といわれている)。ごく稀に見つかる小ぶりな割に翅が大きいオスはともかく……ニホントビナナフシとヤスマツトビナナフシのメスは飛ぶことができるのだろうか?──と、これまで疑問に思っていた。よく出会うニホントビナナフシ♀も、これまで飛翔する姿を見たことがない。カメラを向けると警戒してジャンプすることはよくあるのだが、これは「落下」というべきもので、落ちる姿ばかり見てきたので飛翔能力を疑ってきた。
今回飛翔する姿を見たのは、ほんの1~2秒。着陸した石垣は雑木林のふちにあるので、離れた場所から飛んできたのではなく、近くの木の上からジャンプして降りてきたのかもしれない。石垣に着地する寸前に減速するようなことはなく、ぶつかるように貼り付いたので、あるいは滑空に近い形だったのかもしれない。しかし、いずれにしても、これまで見てきた「落下」とはずいぶん違うなだらかな軌跡で、その翅はちゃんと機能していて「飛翔」と呼べるものだった。
「この虫は飛べるのかな?」と疑問に思っても、飛んでいる姿を見たことがないからといって「飛べない」と決めつけることはできない。飛ぶ姿を見ないかぎり疑問はずっと「謎」のままだ。だが一度飛翔する場面を確認すれば、「飛べる(飛べるものもいる)」ということが確定できる。
「ヤスマツトビナナフシ♀は、飛ぶことができるんだ!」と驚くと同時に、ひとつスッキリした。
僕を驚かせたヤスマツトビナナフシ♀↓。


トビナナフシには見てわかるように翅があるが、パッと見で上翅(前翅)だと思いがちな部分は後翅の革質部(かくしつぶ)と呼ばれる部分で、この下に薄い膜質部(まくしつぶ)が畳み込まれている。後翅革質部の付け根にある小さなカバーのようなものが前翅。


肉眼では判りにくいが、ヤスマツトビナナフシの触角には緑色の部分がある(ニホントビナナフシにはない)。複眼に入った模様もニホントビナナフシとは少し違っている。


これがヤスマツトビナナフシ♀の小さな前翅↑。この画面でいうと白い模様の下がヤスマツトビナナフシ♀は緑色だが、ニホントビナナフシでは赤褐色(*)。


腹端の「尾毛(びもう)」と呼ばれる1対の突起↑は長め(ニホントビナナフシ♀はもっと短い)。
顔のつくりはよく似ているのに複眼の模様でニホントビナナフシ♀とはずいぶん違った印象に見えるヤスマツトビナナフシ♀↓。


複眼の模様とは別に、黒い点──偽瞳孔(擬瞳孔)が撮影角度に応じて位置を変える。


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コメント

No title
こんな小さな翅で飛ぶとは驚きですね。
虫たちの世界もたいしたものです。 「ナイス」
No title
> 東北の温泉バカさん

ケラが飛べると知ったときも驚きましたが、トビナナフシが飛来してきたのを見てビックリでした。
No title
[星谷仁のブログ]訪問を疎遠にしていた私のブログを折に触れて見て頂き、沢山のアドバイスを頂き感謝しております。カメラ機種を教わり、昆虫の写すべきところなども星谷さんの画像を参考に自身の画像に取り入れた部分もあるのですが、個体別の知識が無く、ただの拡大写真になっていたように思います。本当にありがとうございました。
No title
> skittoさん

昆虫関係のブログはよく閲覧しています。同じ昆虫を取り上げていても人によって感じ方・考え方、切り取り方が様々なのが昆虫ブログの面白いところだと思っています。
僕にはカメラの知識や撮影技術はありませんが……閲覧利用者としての自分が納得できるような内容でありたいという思いで、あれこれ試しながら記事を記していたりします。

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