今シーズン初のハリサシガメ成虫
土粒やゴミ、アリや昆虫の残骸などをまとって体を覆い隠していたハリサシガメの幼虫だったが──成虫ではその秘密のベール(?)を脱いで全身をあらわに。本日、今シーズン初の成虫を確認。
「ハリサシガメ」の「ハ」を逆さにしたような模様がトレードマーク。
幼虫時代は隠し続けていた体を惜しげもなく披露──1年ぶりに目にした美しく凛々しい姿。
背中(小楯板)から突き出したツノのような突起や前胸背の複雑な立体模様、両側の突起(前胸背側角)などもコッていて味わいがある。逆「ハ」模様のある翅は個体によって大きさにかなりのバラツキがある(翅多型)。
きょう見ることができたハリサシガメ成虫はこの1匹だけだったが、とりあえず羽化が始まっていることを確認できた。
この石垣でハリサシガメの幼虫を確認できたのは5月末だった。それから7月の第1週くらいまで観察ができたが、その後、石垣から姿を消して全く見なくなっていた。ハリサシガメだけではなく、ヒガシニホントカゲも姿を消し、アリの活動も少なくなっていたので、暑さのため(陽があたる石垣は温度が上がるため)、活動時間を変えたか、ふきんの涼しい場所に移動していたのかもしれない。しかし、去年初めてハリサシガメ成虫&幼虫を見たのは7月下旬──今年もそろそろ成虫が出現しているのではないかとは思っていた。今日は曇って気温も低めだったので、あるいは出ているのではないかと期待して見に行ってみたしだい。
1年ぶりに目にしたハリサシガメ成虫の姿に、なんだか懐かしいものを感じてしまった。
しばらく見なかった幼虫の姿も1匹確認↓。
石垣にはヒガシニホントカゲの姿もいくつか見られた↓。
ヒガシニホントカゲがたくさん見られるような気象の日にはハリサシガメも見ることができるだろう。
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♧珍虫ハリサシガメの観察❲総集編❳
ハリサシガメ成虫ってなかなか美しいんですよね。
翅の長さが長いのやすごく短いのがいるのでしたっけ…?
暑い時期の昼間でも、石垣の隙間の奥のほうは、洞窟みたいに涼しいのかもしれないですね。
最後の脱皮で成虫になるところも見てみたいですね。
人類には(夏休み)の長期休暇を取る習慣も・・・
虫の世界でも(夏眠)があるようですし・・・
アリの世界でも?(そう言いますと、クロナガアリは晩秋から春先にだけ登場するとか?)
・・・か?環境を一早く察知した(適応した)生き物たちの処世術なのかもしれませんね!
そこを、しっかり観察されている星谷さん!流石だな~と想います!(そろそろと想える感性?観察眼!察知能力!が素晴らしいですね!)
ユニークな生態を持つ幼虫もですが、背中にツノらしき突起を持つ成虫の姿形も非常に興味深いですね!!!☆・・・
そうなんです、けっこうキレイなんですよね、ハリサシガメ成虫。
幼虫のときのイメージとのギャップがまた面白いというか不思議というか。
今回の成虫はこのあと石垣の隙間に隠れてしまったので、暑い時間帯は隠れているのかもしれませんね。
脱皮や羽化のシーンを見てみたいと思っているのですが……はたしてそんなチャンスがめぐってくるかどうか……。
ああ……そう言えば夏眠する虫もいるんでしたっけ。僕の虫見の時間帯はだいたい決まっているので、虫の活動スケジュールとズレてきて見なくなったのかと思っていましたが、夏眠で見かけなくなった虫もいるのかもしれませんね。
背中のツノ状突起も目をひきますよね。カメムシの仲間でこんなところにデザインされているというのも不思議な気がします。
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