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クモ擬態の蛾!?オオナミモンマダラハマキ

ハエトリグモに擬態!?オオナミモンマダラハマキ

葉の上動くものがあった。大きさや動きからハエトリグモかと思いスルーしかけたが、ちらっと見えた模様がきれいだったので、のぞき込んでみると……クモではなく小さな蛾だった。この蛾には見覚えがある──オオナミモンマダラハマキ。蛾としては小ぶりだが模様がコッていて美しい。光の加減でメタリックに輝いて見えたりもする(*)。


近くにいた別個体↓。


去年の6月に撮影した画像があるが、その時も葉の上にとまっていた。後ずさりしたりクルクル回るので撮りづらかったのを覚えている。そのときはなんでこんな動きをするのか不思議に感じただけだったが……今回、ひょっとするとハエトリグモに擬態しているのではないかと感じた。




頭を低くし、尻を上げるような姿勢でナゼか後ろ向きに進む。カメラを近づけると尻をこちらにむけて迫ってくる!?──「おまえは、『クレヨンしんちゃん』の《ケツだけ星人》か!?」とツッコミたくなってしまう。


ときにクルクル向きを変え、持上げた尻の方へ進む──この蛾とは思えない動きが、パッと見、葉上のハエトリグモに見えた。
ハエトリグモは頭の方にボリュームがあり逆三角形っぽく見える(頭側を底辺とする三角形)。オオナミモンマダラハマキがとまった姿は(頭を頂点とする)三角形──これが後ずさりするとハエトリグモが前進したように見える。クルクル向きを変えるのもハエトリグモがよくやる動きに似ている。ハエトリグモが眼を高い位置に構えて前進し、周囲の動きに反応してクルクル向きを変えるのはわかる。しかし蛾が尻をかかげて後ずさる行動にどんな意味があるのだろう? クモに擬態した行動!?──それ意外には思いつかない。


《ハエトリグモ擬態》──そう考えると、思い当たることがある。ハエトリグモの仲間は頭の前面に円形の眼が4つ並んでいる。


葉上のヨダンハエトリ♂&葉裏のカラスハエトリ♂↑。
アリそっくりに擬態したアリグモも、この眼をみれば昆虫ではなくクモだとわかる↓。


ハエトリグモの頭部前面にならぶ丸い眼──それをイメージさせる紋が、オオナミモンマダラハマキの翅の縁にも並んでいる。翅にはクモの脚に見えなくもない模様も配置されている。


また、オオナミモンマダラハマキの翅には谷折りのような凹みがあって後ろから見ると変わったフォルムを作っていて──これがハエトリグモの頭胸部と脚部を演出ているように見えなくもない。




そう考えて見ると、(動きだけではなく)デザインも《ハエトリグモ擬態》に符合しているように思えてくる。


これ↑やこれ↓も近くにいた別個体。


ただ……よく判らないのが、《ハエトリグモ擬態》であったとしたら、どんなメリットがあるのだろうか?──ということだ。昆虫の天敵というと、鳥やトカゲ、カエルなどが思い浮かぶが、これらは蛾であろうとクモであろうとエサとして認識されてしまいそうな気がする(とすればハエトリグモに擬態する意味が無い)。他に《蛾は狙うがクモは敬遠する》ような天敵が存在するのだろうか? 《クモの4連眼》に反応しこれを警戒するものがいなければ、オオナミモンマダラハマキの模様(擬態?)も意味をなさないことになる。
《クモの4連眼》に反応するものがいるのかどうか僕にはわからないが、ハエトリグモの中には《4連眼》を目立たなくするデザインやカラーリングがあるように思う。


マミジロハエトリ♂↑は黒い《4連眼》の形がわかりにくくするように(?)周囲は黒い。さらに上下に白い(明るい)模様をほどこすことで、黒い部分に配置された《4連眼》の隠蔽効果をより高めている。こうしたデザインは、《4連眼》に反応するものがいることで発達したものではないか。例えば、エサとなる被捕食者が《4連眼》に反応して逃げるようになれば、クモの側としては捕食率を高めるために《4連眼》を隠すことが有効となってくる……。
ハエトリグモの《4連眼》に反応するもの……というと、ハエなどだろうか? ということは、オオナミモンマダラハマキの《ハエトリグモ擬態》の対象はハエあたり? あるいは、寄生蠅などを近づけないために発達した《ハエトリグモ擬態》なのではないか……そんな風に想像は展開したが、実際のところは判らない。

オオナミモンマダラハマキを検索してみると、《幼虫はホオノキの実を食べる》らしい。今回撮影した場所はコブシの木の周辺で、数匹の個体が確認できた。去年オオナミモンマダラハマキを撮影したのは別の場所だったが、やはりコブシの木の近くで複数見ている。ホオノキもコブシもモクレン科だそうだから、あるいはコブシでも発生しているのかもしれない?

オオナミモンマダラハマキの後ずさるユニークな動きについては、waiwaiさんのブログ【オオナミモンマダラハマキ:ネコな日々】で動画が紹介されている。

さて、種の生存率にかかわる擬態はさておいて……それとは別に僕には(空目的には)、オオナミモンマダラハマキの模様がウルトラマンに登場した脳波怪獣ギャンゴや宇宙怪獣ベムラー系の顔に見えてしまうのであった……。




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コメント

No title
ほんとうです!ハエトリ蜘蛛に見えてきますね。
No title
> レッドイヤーさん

そう思って見ると、見えてくるでしょう(笑)。
これが「擬態」なのか、単なる「空目」なのか……確かなことはわかりませんが、この蛾を見てこんなことを感じ・考えたということで。
No title
こんばんは・・・
先ず、オオナミモンマダラハマキの翅模様が、詳細な部分まで色彩鮮やかに写し出されていることに、感嘆のため息です。☆

ほんとだ!(笑)確かに、一見ハエトリグモに似てますね!
こういった感性、観点に頭が下がる想いです!
只・・・ハエトリグモに似せる利点が?・・・?
アリグモは、強者のアリに似せることで、天敵(捕食者)から逃れるのでは?との説もあり、クモを狩るハチの仲間も多種存在することなどからも・・・?
ハエトリグモに似せる利点が・・・思いつかないところが・・・何とも、合点がいかないところではあります・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

オオナミモンマダラハマキの不思議な行動……その意味が思いつかなかったのですが、ハエトリグモに擬態しているのでは?──という仮説を立ててみると、妙に符合する点がある……ということで、考えたことを記してみました。例によって頭の体操なので、真相はわかりませんが……。

おっしゃる通り、ハエトリグモに擬態する利点が今ひとつイメージできないでいます。最後に記したように、理屈としては寄生蠅対策の可能性もあり得そうな気がしますが……具体的に蛾の成虫を狙うハエがいるものか……謎解きはまだまだ続きそうです。

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