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アカスジキンカメムシ羽化後《抜け殻落とし》確認

羽化シーズン中に《抜け殻落とし》現場を押さえたい



発生ポイントで見かけるアカスジキンカメムシは成虫が多数派になっている。しかし、幼虫がいないわけではない。終齢(5齢)幼虫が見られるうちは、まだ「羽化後の《抜け殻落とし》」を観察できるチャンスが残されている……。
《抜け殻落とし》とは僕が勝手につけた呼び名だが、羽化や脱皮したあとのカメムシが抜け殻を落とす行動のこと。寄生蜂や寄生蠅などの天敵あるいはアリなどを自分たちの生活圏に呼び寄せないように抜け殻を落とすのではないか──などと想像している。この行動は過去にエサキモンキツノカメムシやアカスジキンカメムシなどで観察している。
アカスジキンカメムシの羽化シーズンに《抜け殻落とし》を見ておこうと、このところ何度が観察に出かけてみたのだが……【アカスジキンカメムシの羽化《抜け殻残し》のケース】の時は、羽化の様子を観察でき、残るはいよいよ《抜け殻落とし》──という段階で、突然テントウムシが乱入。パニクった新成虫は抜け殻を放棄して遁走してしまうという中途半端な結末になってしまった。これまでに葉の裏側にアカスジキンカメムシの抜け殻が残されている(つまり《抜け殻落とし》をしなかった)ケースも確認しているので、どういう状況で《抜け殻落とし》が行なわれたり行なわれなかったりするのだろうと疑問に思っていた。新成虫が《抜け殻落とし》をする前に天敵に襲われたり逃げたりすると残るのではないか……という気はしていたのだが、それに準じた状況を確認することができたことは収穫だった。
アカスジキンカメムシ新成虫《抜け殻落とし》のケース】では、羽化後間もない新成虫と抜け殻をみつけ、「これで《抜け殻落とし》が観察できる」と楽観したのだが……肝心のシーンを見逃すというポカをおかして、「ばんざーい…無しよ(欽ちゃん風に)」的なコトに……。このときは、抜け殻から離れてしまった新成虫が「わざわざ抜け殻のある葉に戻って《抜け殻落とし》をした」ことがわかって、これはこれで収穫ではあったのだが……。
ただ、このまま《抜け殻落とし》の現場を見ずに終わってしまったのでは心残りなので……今度こそと、《抜け殻落とし》を確認すべく羽化を控えた終齢幼虫を探してみた。これまでの観察では、通常羽化は葉の裏側で行なわれる。




葉の裏側にとまっている終齢幼虫が2匹みつかったが、いずれも上を向いていた。これまでの観察では羽化時、抜け殻は下を向いていた。まだ上を向いているということは、羽化直前ではないだろうと判断。他を探す……。そして、うってつけの状況に遭遇。

アカスジキンカメムシ羽化後の《抜け殻落とし》を確認



同じ葉の裏に羽化して間もない新成虫と抜け殻を発見。《抜け殻落とし》の瞬間を見逃した【アカスジキンカメムシ新成虫《抜け殻落とし》のケース】のときの個体よりもいくらか体色が濃い(それだけ羽化後の時間が経過している)──いつ《抜け殻落とし》を開始してもおかしくない状況だ。


《抜け殻落とし》は、すぐに始まるだろうと予想し、数枚撮ったあとは新成虫を警戒させないように2メートルほど離れて見守る。
しかし、新成虫は動かず……始まって良いはずの《抜け殻落とし》はなかなか始まらない……。警戒しているうちは動かない可能性があるので、念のためにさらに離れ、5メートルほど距離をおいて待機することに。


見つけてからおよそ52分後──それまでじっとしていた新成虫が動き出した。「いよいよか!」と脅かさないように近づくが、新成虫の動きは思いのほか早かった。抜け殻に突進すると頭突きをするようにぶつかり、そのまま押し出すように抜け殻を落としてしまった。10秒程度の出来事でピントを合わせる間もなく、抜け殻が落ちる前に撮れたのはこの1枚だけだった↓。


角度も悪いし、それ以前にピントがまるっきり外れていて判りにくいが……この直後に抜け殻は落下。あっという間だった。初めてエサキモンキツノカメムシで抜け殻落としを見たとき、その行動を抜け殻への「攻撃」だと感じたが……じゃまになった抜け殻を「廃棄」あるいは「処分」するというより、抵抗することのない抜け殻に対して容赦ない「攻撃」──そんな印象を強くした。
羽化する時まで自分の体の一部──「自己」であったのに、羽化後は「非自己」として認識されて攻撃される……免疫反応に似た(?)システムが働いているかのようなイメージ!?
肝心の《抜け殻落とし》のシーンがうまく撮れなかったので……その前後のシーンの比較を↓。


画像左↑は見つけた時の新成虫と抜け殻。画像右は《抜け殻落とし》直後の新成虫。抜け殻があった位置まで移動して落とした。


葉の裏にとまっていると逆光になるので、葉をめくって順光でとったもの↓。


そして、目の前で落とされた抜け殻は↓。




今回も肝心の《抜け殻落とし》シーンがちゃんと撮れず悔しい思いをしたが……とりあえず、確認したかった《抜け殻落とし》のシーンは見ることができたので、ちょっとホッとしているところもある……。

アカスジキンカメムシの羽化
アカスジキンカメムシの抜け殻おとし
カメムシの抜け殻落とし行動
ハート亀虫羽化 見守るキリスト!?※エサキモンキツノカメムシの抜け殻落とし2012
エサキモンキツノカメムシの抜け殻落とし他※2015年11月
モンキツノカメムシとエサキモンキツノカメムシ他 ※ツヤアオカメムシの《抜け殻落とし》
アカスジキンカメムシの臭腺開口部
アカスジキンカメムシぷち実験で輝き復活
アカスジキンカメムシ新成虫と抜け殻
アカスジキンカメムシの羽化《抜け殻残し》のケース
アカスジキンカメムシ新成虫《抜け殻落とし》のケース
アカスジキンカメムシ:羽化~抜け殻落とし
《抜け殻落とし》の瞬間!?

他の昆虫も 少し…



地味系のムツボシタマムシ類だが……凹面鏡のようにくぼんだ紋が鈍く輝く。普段はシブめだが、翅を開くと腹がエメラルドのように美しく、僕は密かにエメラルド・ステテコッサンと呼んでいる。




ムネアカナガタマムシ西南日本に多く、以前は東日本では珍しいタマムシだったそうだが、最近ふえてきたらしい?


ヒシモンナガタマムシ──菱形の模様が名前の由来だろう。ダイヤ型のこの紋、頑張れば、ハートやスペード、クラブに見える個体もいてもよさそうな……トランプタマムシが揃えられたら……と思わないでもない。


ミズイロオナガシジミも見かけるようになった。
アカボシゴマダラは最もよく見かけるチョウのひとつになっている。




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コメント

No title
面白いですね~!
「カメムシの抜け殻落とし行動!」
教えられたわけでもないのに、そういった行動に出ると言う事は、遺伝子に組み込まれているのでしょうか?

寄生者やアリなどの天敵から生息域を守る(自分の身を守る)ために「抜け殻落とし行動に出る」考察は、あたってる!・・・?
先日、芋虫が自分の抜け殻を食べるシーンを家族にも観せて上げようと(良かれと思って!)「芋虫が抜け殻食べるから見に来て~」と叫んだら・・・
家族「ああ、知ってる。それって敵に見付からないために食べるんでしょ!」って言ったんです。
(ちょっ?その説は学校で習ったの?)と尋ねたら・・・
「聞いたことがある。」って・・・
私、芋虫の場合は、己の栄養のために食べるのだとばかり思っていました。(この話は別にしても・・・)
虫は、如何にして己の身を守るか!が重要課題でもある様です。
「カメムシの抜け殻落とし行動説」を、(あたっているのかどうなのかは専門家でもない私には測りようもありませんけれど)見事に発見し考察された星谷さんに・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

カメムシの抜け殻落とし行動──僕も初めて見た時は「!?」でしたが、考えられるシナリオ(可能性)を想像してみたしだいです。
昆虫は捕食者も被捕食者も進化の最先端を極めている気がしますね。

イモムシも抜け殻を残しておくとそれを手がかりにイモムシを見つけ出すことができる天敵が現われたことで、抜け殻を食べた個体がより生き残ってその性格(?)が受け継がれて証拠隠滅のノウハウ(?)が確立していったのかも?
捕食者と被捕食者の切磋琢磨(?)が進化をおし進めた感じがしないでもありません。

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