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なんちゃって冬尺蛾メスコバネマルハキバガ

フユシャクに似てフユシャクにあらず:メスコバネマルハキバガ





フユシャク(年に1度、冬に成虫が出現するシャクガ科の蛾でメスは翅が退化し飛ぶことができないという特徴をもつものの総称)の終盤グループと重なる時期(3~4月)に見かける蛾・メスコバネマルハキバガ。フユシャク同様、メスの翅は退化しているので初めて目にした時はてっきりフユシャク♀だと思った。しかしシャクガ科ではない(メスコバネマルハキバガ科)のでフユシャクとは呼ばないらしい。フユシャクモドキとでも呼びたいところだが、この呼び名はハイイロフユハマキという別の蛾の旧名なのでまぎらわしい──ということで、個人的には「なんちゃってフユシャク」と呼んでいたりする。


メスは翅が退化して小さい(それで雌小翅──?)というフユシャクチックな特徴をもつメスコバネマルハキバガ♀に対してメスコバネマルハキバガの♂は↓。


フユシャク♂とは雰囲気が違っている感じもするが……やはり普通の蛾に見える。
以前撮ったメスコバネマルハキバガのペア・ショットを再掲載↓。


※↑【なんちゃってフユシャク?】より
例によって1円硬貨との大きさ比較↓。


やはりフユシャクチックなヒメシロモンドクガ秋型

《昆虫なのに冬に(成虫が)出現し、蛾なのに♀は翅が退化し飛ぶことができない》──そんなフユシャクの存在を知った時は意外に感じ、こうした生存戦略もあるのかと感心したが、シャクガ科以外でも同じような特徴を持つ蛾がいるというのは興味深い。
フユシャクとの関連でメスコバネマルハキバガを考えるとき、やはり思い浮かぶのがヒメシロモンドクガ(*)という蛾だ。この蛾は(フユシャクと違って)年に2~3回発生するそうだが、秋に羽化する♀はフユシャクのように翅が退化する。夏型は普通の蛾と変わりないのに秋型だけ《フユシャク化》するのが面白い。気温が低くなることと♀の翅が退化することに関係があることを示唆しているようにも思われ、昆虫の面白さや不思議さを感じさせるものの1つだと思う。




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コメント

No title
冬に現れるシャクガだから冬尺というのですね。
冬に現れる蛾は、翅が退化しやすいのかもしれません。
ニセ冬尺ですね。
No title
> タイコウッチさん

冬に現れるシャクガだから冬尺──というのは判りやすいネーミングですね。
そうすると、シャクガ科でない蛾はフユシャクにあらず──というのもしかたない気がしますが……メスコバネマルハキバガ♀もひっくるめて冬(というか春?)に現われて♀の翅が退化するユニークな特徴を持った蛾をひとくくりにする呼び名があってもいいのではない……なんて思わないでもありません。
No title
秋のモンシロドクガ、見てるんですね。
私は未見です。他のシーズンや幼虫ならよく見るんですが。

いざ探すとなると、普通種だけに絞れなくて…
個体?地域?によって翅の縮小具合が異なるみたいです。

以前翅が退化と言ったら違うと言われちゃいました。翅を無くすという、これもまた進化なんですよね。
No title
> ともっくさん

秋型のモンシロドクガ成虫♀を見たのはこの1匹だけですが、越冬卵は他にも1度見た記憶があります。やはり擬木の支柱と手すり下側交わる部分で繭に産みつけられていました。♀の翅の退化具合には変異があるんですね。いずれにしても秋型♀は飛べないのだから翅の変異があっても問題ないのかも知れませんが……。

「進化」と「退化」は逆のことのようにイメージされがちですが、方向性が違うだけで同じ現象だという風に捉えています。「退化」は「退行進化」というイメージですね。
フユシャク♀の場合は蛹の段階で1度形成された翅がアポトーシスで整理されるようですから、まさに(退行的)進化ですね。

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