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ヒロバフユエダシャク♀の前翅・後翅を確認

ヒロバフユエダシャク♀の前翅(小)・後翅(大)を確かめてみた

ヒロバフユエダシャク♀の翅について《後向きの長い翅が前翅》《長いほうが前翅で、短いほうが後翅》という説(?)がネット上にあるというのは前の記事【ヒロバフユエダシャクのペア/♀の前翅はどっち?】で触れた通り。中には《一見すると逆に見えるので紛らわしい》といった説明がつけられていたり、当初は《やや長めの後翅》と記していたのを《前翅》とわざわざ訂正している記事もある。
初めてその説(?)を知った時は驚いた。背面ショットを見る限り、(僕には)「短い(小さい)方が前翅で、長い(大きい)方が後翅」としか思えないからだが……《長い前翅が短い後翅の下を通って後方に伸びている》という認識でいる人もいるようだ。背面ショットでは短い翅のつけ根はわかるが長い翅のつけ根は見えない。そこで、両方の翅のつけ根の位置関係がどうなっているかを確認してみようと思い立った。いずれにしても、前方(頭部の方)からはえた翅が前翅ということになるはずだ。
ということで、ヒロバフユエダシャク♀探し。曇天ではなかったが(というより晴れていたが)、前回みつけたサクラの同じ位置にさっそくヒロバフユエダシャク♀(同個体)が見つかった。


ふつうに見れば、小さい(短い)翅が前翅で、大きい(長い)翅が後翅だろう。


木の幹に伏せるように静止しているヒロバフユエダシャク♀↑。翅のつけ根が見えるように体を起こしてもらう↓。


翅のつけ根をのぞき込もうとするのだが……。


上体を浮かせたところを横からのぞきこもうとするが……なかなか思うようなアングルが得られない。そのうち♀はコロッと落下。見失ってしまった。
しばらく探したが見つからないので、あきらめて別の個体を探す。そしてほどなく別のサクラで2匹目のヒロバフユエダシャク♀を発見↓。


この個体は前翅の先端がアメリカンカール(猫)の耳のように反り返っていた。よくある特徴(?)なのか、アメリカンカール風の個体は何度か見たことのある。


背面から普通に見れば、やはり小さな(短い)翅が前翅で、後方に伸びた大きな(長い)翅が後翅にしか見えない……。


この大きな(長い)翅の根元がどこにあるのか──小さな(短い)翅よりも前方から生えているのであれば、《後向きの長い翅が前翅》説も信憑性をおびてくる。
翅のつけ根の位置を確認すべく、そっと刺激して幹から体を浮かしてもらう……。


幹にとまっている状態ではうまくのぞき込めないので、手に乗せてアングルを模索。


ようやく翅のつけ根が見えるショットをゲット。鮮明ではないが小さな(短い)翅のつけ根の下(後ろ)に大きな(長い)翅のつけ根が見える。


「前翅」「後翅」の厳密な定義は知らないが、これを見る限り「小さな(短い)翅が前翅」「大きな(長い)翅が後翅」といっていいだろう。
とりあえず確認ショットが撮れたのでヒロバフユエダシャク♀をもとの幹に戻す。




少し移動して静止モードに入ると、サクラの樹皮にみごとに溶け込んだ。
引き上げる途中、1匹目を落とした桜をのぞいてみると、根元付近に行方不明になっていたヒロバフユエダシャク♀が戻っていた。せっかくなので、これも落ち葉にとまらせて翅の付け根を撮ってみた。




このアングルから見ると一目瞭然。


翅のつけ根を見ても、小さな(短い)翅の方が前(頭の方)にある──小さな(短い)翅が前翅であることを確認できた。


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コメント

No title
初めまして。

昆虫の体構造を大雑把に分けると、頭部・胸部・腹部に別れますが、それぞれが多数のパーツから成っています。
胸部は大きく分けると、前胸・中胸・後胸から成り、前胸には前脚が、中胸には前翅と中脚が、後胸には後翅と後脚があります。
この辺は甲虫やバッタ、カマキリなら確認は簡単でしょうけど、毛などでパーツの区切りが分かりづらい蛾ではよく見ないと本当のところは分からないのかもしれませんね。
ずっと前方にあって上から出ている方が前翅だと思っていたので、どちらが前翅でどちらが後翅かなんて考えたこともありませんでしたよ。
No title
> 通りすがりさん

きっと正確には中胸から生えているのが前翅・後胸から生えているのか後翅ということになるのでしょうね。
基本的な知識がなく、漠然と前翅・後翅を認識していたので、ネット上で《後向きの長い翅が前翅》と記されているのを見て疑問に思い、位置関係を確かめてみたくなりました。普通に考えて、前方にあって上から出ている方が前翅だとすれば、短い方が前翅になる──ということは確認できました。

フユシャクでもイチモジフユナミシャク♀は前翅の前縁より後翅の後翅の前縁が前方に張り出していることがあるので(フユシャクではありませんがシャチホコガなどもそうですね)、そうした翅の広げ方と混同した誤認が拡散しているのではないかという気もしています。

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