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ニジオビベニアツバ幼虫@東京

南方系の美麗蛾幼虫を狭山丘陵東京側で確認



先日、ちょっと変わった幼虫(イモムシ)を見つけた。擬木支柱の上面ヘリに静止しているその姿が目に入った時は胸脚が長いシャチホコガ幼虫の系統かなと思った。しかし、よくみると「シャチホコガ幼虫の長い胸脚」っぽく見えたのは先端がヘラ状に広がった「毛」だった。こんな形状の「毛」を持つイモムシを目にしたのは初めて。ふと、冬虫夏草のシャクトリムシハリセンボンが頭に浮かんだ。《先端が広がった毛》は子実体っぽく見えなくもない。これはもしかして、菌類に冒されて絶命したイモムシなのだろうか?──そう考えて触れてみたところ生きていた(動いた)。ということは、これは自前の毛なのだろう。帰宅後調べてみるとニジオビベニアツバという蛾の幼虫だと判った。
ちなみに、パッと見、イメージした虫はこんな感じ↓。


検索した画像を見ると、ニジオビベニアツバの成虫はキレイな蛾で、僕はまだ出会ったことがない。ネット情報によるとニジオビベニアツバの基産地(新種記載時のホロタイプが採集された場所)はインドだそうで、日本での分布は少し前までは「本土南西部」あるいは「本州南西部、四国、九州、対馬、沖縄島」とされていたらしい。それが近年、関東でも確認されるようになっているようだ。ナガサキアゲハやツマグロヒョウモン、ラミーカミキリキマダラカメムシなど、少し前には関東では見られなかった(あるいは珍しかった)のに近年普通種となった昆虫は少なくない。ニジオビベニアツバが狭山丘陵に現われたのも《南方系昆虫の分布域北上化》現象の1つなのかもしれない。とりあえず狭山丘陵東京側で確認したので記しておくしだい。






ところで、ニジオビベニアツバ幼虫の風変わりな「毛」だが、ネット情報では「刺毛の先端部がヘラ状でツムギアリの触角の擬態となっている為、アリの攻撃を受けない」という説を紹介しているところがあった。これにはビックリ!? ニジオビベニアツバ幼虫のヘラ状の毛とツムギアリの触角は(形が)似ているとは思えない……これで「擬態」の役目がはたせるものか疑問に感じた。幼虫がツムギアリに擬態しているという情報はいくつかあったが……アリに擬態しているとすれば、形(視覚的擬態)ではなくニオイ(化学擬態)なのではないだろうか? このヘラ状になった部分にアリを欺く(仲間だと思わせ攻撃を抑制する?)化学物質あるいは忌避物質でも配しているのだろうか? アリをニオイで欺く好蟻性昆虫はいるというし、トビモンオオエダシャクの幼虫は寄主植物に化学擬態してアリの攻撃を免れているという説もあるようなので、対アリ用に化学擬態を用いる昆虫がいること自体は不思議ではない気はするが。
ツムギアリに擬態しているというのが本当にこの種なのか、また、風変わりな形をした毛に何か役割り・意味があるのかどうか──気になるところ。
イモムシも色々と変わり種があって面白い。ということで──、
風変わりなイモムシ・ベスト3(あくまでも個人的なところで)

葉上のドラゴン:ウコンカギバ幼虫
シャチホコガ幼虫の威嚇ギミック!?
紫のピカチュウ!?ウラギンシジミ幼虫の線香花火

2月下旬に撮った昆虫から



擬木の上にいたシロフフユエダシャク♀↑。いま目にするフユシャクの大半はこの種。やはり擬木の上にいたシロフフユエダシャク♀別個体↓。


フユシャクではシロトゲエダシャクの♂をいくつか確認↓。


フユシャクを含め今冬は擬木の虫が少ない気がするが、このタイプの擬木には接続部に隙間があって、ここで越冬している虫や小動物もいる。日中、気温が上がると出てくるものも。




カメムシの仲間は成虫で越冬するものが多いようだが、ムラサキナガカメムシの成虫も冬の間はギボッチ(擬木ウォッチ)でちょくちょく見かける。


やはり擬木の上にいたムラサキナガカメムシ別個体↓。




ついでに1月の終わりに撮って投稿しそこねていた画像も↓。


よく見かけるマツヘリカメムシ↓も数年前から目にするようになった昆虫のひとつ。これは北米西部原産の外来種。



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コメント

No title
蟻に擬態と言えば、なんといってもホソヘリカメムシですね。蟻そのものです。
それにしても今に時期にこれだけ探せばいるもんなんですか。私も結構目を凝らしてみているんですがまったく発見できません。ましてや幼虫など無理。すごいといつも感心しています。ナイス!
No title
> 四季の風さん

ホソヘリカメムシ幼虫のアリ擬態にはビックリしますね。この(見た目の)擬態は対アリというよりアリを敬遠する捕食者に対するものだろうと考えていますが。

キボッチ(擬木ウォッチ)するようになって気がついたんですが、冬でも蛾の幼虫は意外にいるんですよね。擬木のフチで小枝になりきっているシャクトリムシも目にします。木にいたら、まず気がつかないと思いますが……冬は擬木や塀などの人工物にいる虫が見つけやすいかもしれませんね。
No title
毛がへら状になっている幼虫といえば
http://blogs.yahoo.co.jp/isanmeew/62794752.html
が浮かびました。もっともこれはヒトリモドキガ科です。
ツムギアリの触覚は2つに折れ曲がっているのであまり似ているとは思えませんね。同じような環境にいるので、説得力はありますが、、
毛をなめてみて酸っぱければ信じます(?)
No title
> tha*****さん

拝見しました。こんな蛾(の幼虫)もいるんですね──このヒトリガモドキガ科を見ると(毛の位置などかから)アリ擬態の役割りとは思えないので、毛がヘラ状になるのはアリとは関係なさそうな気もしますね。
ニジオビベニアツバ幼虫(の仲間?)がツムギアリに擬態しているというのはどういうことなのか……よく判らずにいます。
No title
こんな幼虫がいるんですね!
星谷さんがおっしゃるように、シャチホコガを思い起こしますね。
私たちから見ると、ツムギアリに似ているとは思えませんが
ツムギアリから見ると、というかアリは眼がよくないので、見た目というよりも触角であいさつする感触とか(例えばですが…)
がもしかしたら似ているのかも、とか思いました。

マツヘリカメムシってきれいだなーと思っていたのですが、外来種だったのですね…
No title
> noriさん

同じフィールドを歩いていても、まだまだ知らない虫に出会うものだなぁと。
遠目にシャッチー!?、よく見れば冬虫夏草!?──調べてみたら「ツムギアリに擬態している」という説(?)もある虫だというので、「へえ!?」の連続でした。
アリを欺くなら「(触角の)形」よりも「ニオイ(化学擬態)」の方がアリそうですよね。

マツヘリカメムシも比較的最近見かけるようになった昆虫ですね。外来種や南方系の、以前はいなかった昆虫が近年増えてきたように感じます。

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