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蛹の時は大きい!?フユシャク♀の翅

退化した小さな翅を持つシロフフユエダシャク♀



2月に入ってから出会う頻度が増えてきたシロフフユエダシャク。フユシャク(冬尺蛾)なので♀は翅が退化して飛ぶことができない。退化の度合いはフユシャクの種類によって異なるが、シロフフユエダシャク♀には小さいながら翅が残されており《退化した翅》感をかもしだしている。


擬木支柱の上部フチにとまっていたシロフフユエダシャク♀↑。
こちら↓は、木製の手すりの上部フチにとまった♀。




同じ木製の手すりの上面(水平面)フチの継ぎ目の凹み部分にいたシロフフユエダシャク♀↓。フチ(角)や段差・凹み部分にいることとも多い。


擬木支柱の上面(水平面)フチにとまっていたシロフフユエダシャク♀↓。


ということで、ユシャクはメスの《翅が退化したユニークな姿》が特徴的なので、ついついメスばかりに注目してしまいがちだが……比較してオスはこんな感じ↓。


オスには飛翔能力があって、見た目も普通の蛾。メスだけが翅を退化させたユニークな姿になってしまったわけだが……このメスの翅は形成が途中で阻害されて短くなったものではないらしい。なんと蛹の段階では1度長翅が形成され、その後わざわざ(?)アポトーシスで(オタマジャクシの尾が消失していくように?)萎縮するのだとか。
《退化した翅》は見た目もフシギだが、形成過程もなんだか謎めいている。
♀の小ささな翅は1度形成された翅が(細胞死で)萎縮したもの──というのは興味深いことだが……これまでどうも、あまり実感がわかなかった。が……それを思わぬ形で実感することに……。

蛹の抜け殻では♀翅も大きかった!?



これは擬木支柱の上面ふちにいたシロフフユエダシャク♀。羽化のさいにきれいに抜けきることができず、蛹(抜け殻)の一部をつけている。以前も右中脚が抜けきれずに蛹(抜け殻)の一部をつけていた♀を見たことがあったが、この♀は左触角がひっかかっているようだ。
別アングルから見ると、抜け殻は蛹の上半身・腹面だとわかった。


抜け殻は蛹の腹をのぞいた部分──そのように見えるが、よく見ると普通の蛾の蛹のように「翅」の部分がある。この蛹の「翅」が羽化後の成虫♀に比べると明らかに大きいことに驚きを覚えた。




これは、蛹の時期に1度長翅が形成されたことを物語っている──そう考えていいのではなかろうか。
フユシャクは土中で蛹になるらしいが、僕はまだ見たことがない。蛹の外見から♀でも(1度は形成される)長翅が確認できるとは知らず、これを見て「へえ!」と感心した。
フユシャクの中には成虫♀の翅が消失したものもいるが、やはり蛹自体にはちゃんとした(?)翅があるのだろうか……今まであまり関心が無かった蛹にも、にわかに興味がわいてきた。

翅が消失したフユシャク亜科のフユシャク♀↓


木製の手すりにとまっていた↑と同じ個体↓。



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コメント

No title
我が家には研究室の先輩より頂いたフチグロトゲの蛹があります。
まさに翅の発生についての材料でした。

ずっと飼育、観察、実験をされているので蛹の段階で性別も分かると教えて頂きました。
飼育下で累代を重ねると季節感もなくなることがあるそーで、我が家のも9月に羽化してきました。
No title
> ともっくさん

フチグロトゲエダシャクの蛹ですか。貴重ですね。
僕はフユシャク♀の翅が退化していることには興味を覚えたものの、蛹は見たことがなく、想像したこともなかったので、普通の蛾のように翅があることにプチびっくりでした。

飼育下では羽化の時期がズレることがありますか……ホルモンスイッチの入る条件のようなものがあるのかもしれませんね。
ヒメシロモンドクガみたいに羽化時期によってフユシャクも長翅♀がでたりして!?(笑)

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