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クロオビフユナミシャク♀@桜ほか

苔むしたサクラを登るクロオビフユナミシャク♀



サクラッチ(桜ウォッチ)をしていたところ、苔むしたサクラの幹をのぼっていく小さな蛾が目にとまった。動いていなければ見逃していたかもしれない。よく見るとクロオビフユナミシャクのメス──サクラで出会うとは、ちょっと意外だった。これまでクロオビフユナミシャク♀を見るのは、もっぱら擬木や塀・柵などの人工物ばかりで、近くにはツツジの植込みやコナラ・クヌギなどがあったので、そうした木で発生するのだろうと思っていたからだ(サクラはホストとして認識していなかった)。この場所はサクラばかりで、コナラ・クヌギなどはない。しかし、道路を隔ててツツジの植込みがあったので、あるいはそこからやってきたのかもしれない。
──と思っていたら……↓。


サクラの幹に生えた苔に腹端をさしこんで産卵行動のような動きを始めた。サクラで産卵するということは、サクラもホストの1つなのだろうか? 観察するには位置が高く、実際に産卵しているかどうかは確認できなかった。
撮影しにくいこともあって、移動してもらうことに──。


指の上を歩くクロオビフユナミシャク♀↑。フユシャクのメスは、じっと止まっている時と歩いている時では姿勢が変わって印象も違う。小さな頭を起こして触角を前に向け、歩き始めるとけっこう活発に動きまわる。クロオビフユナミシャク♀はフユシャク♀としては(退化している割には)大きめの翅を持っているが、この翅をやや持上げるようにして歩く。
同じ木の低い(撮影しやすい)位置にうつしたクロオビフユナミシャク♀↓。


サクラの幹を登り始めたクロオビフユナミシャク♀↑。
少し登ったところでとまったが、翅は持ち上げたまま……↓。


しばらく動きが無かったので、近くのサクラを見て回る。ちなみにこのクロオビフユナミシャク♀がとまっていた木にはイチモジフユナミシャク♀も2匹いたが、いずれも産卵後の腹が縮んだ個体だった(少し高い位置にいたので撮らなかった)。
少しして戻ってみると、クロオビフユナミシャク♀は翅をふせて通常の(?)静止姿勢になっていた↓。




斜めに差し込む陽射しで鱗粉がテカり、じゃっかん模様がわかりにくいので、直射日光をさえぎって撮ってみた同個体↓。


産卵後の個体が目立つイチモジフユナミシャク♀@サクラ



クロオビフユナミシャク♀がいたのとは別の苔むしたサクラ。今年は正月を過ぎてから見つかるイチモジフユナミシャク♀は産卵後の個体ばかり……。








「旬」の時期は過ぎ、イチモジフユナミシャクの時期もそろそろ終わりか……と思っていたところ、産卵前のぷっくり感のあるイチモジフユナミシャク♀が見つかった↓。


腹は卵が詰まっていて大きいく、翅との比率が産卵後の個体と比べるとだいぶ変わる。これはやけに白い個体だった。


フユシャク亜科のフユシャク♀と卵塊



コンクリート製の鉄道柵にとまっていたのはフユシャク亜科のフユシャク♀↑(メスだけでは僕には種類がよくわからない)。腹端には化粧ブラシのような毛束があるが、この毛は産卵の際に産みつけた卵をおおうのに使われる。その卵塊が↓。


この種類は卵をかためて産み、毛のコーティングをしっかり行なうタイプ。
※産卵のプロセス→【フユシャクの産卵とその後
種類によっては卵を列状に産みつけ、毛のコーティングが雑なものもいる。

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コメント

No title
こんばんは・・・

私は、フユシャク蛾との出会いの経験が少なく、出会えても(偶々かな!?)的な想いしか持てずに居ましたが・・・
時には、ハンドブックに載る食草とは異なる樹種に産卵してる(えっ、何故?)と想う事がありました。
その際には、(ああ、多分私の種の判別が異なってるのだろう!)と、他のケースを考察することも諦めることもままありました。
こういった時、「確かな(種の判別)が出来る観察眼!」と言うものは、非常に心強いと感じます。そこから、様々なケースを考察できる・・・
今回も、そのケースなのだと・・・
読んでて新しい発見に触れた想いが致しました!!!☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

以前、アカボシゴマダラがチャノキに卵を産みつけているのを見て「!?」と思ったことがあります(近くに食樹のエノキがあったので間違えた?)。
今回サクラで見つけたクロオビフユナミシャク♀が、このサクラで育ったのか(サクラも食樹なのか)、道路の反対側にあるツツジで育って、たまたまこのサクラまでやってきたのか(フユシャクのメスは飛べないのにけっこうな距離を歩くことがあるようなので)、まだ診断がつかずにいます。擬木に産卵しているフユシャクは何度か見ているので、食樹でないところでの産卵も無きにしも非ずですし……。
とりあえず、こんなケースもあったということで記しておくことにしました。
No title
どれもこれも見つけることができません。すごい観察力です。フユシャクの飛んでいるのは時々見ますが止まらないので撮影できませんし、止まってもどこにいるのだか?ナイス!
No title
> 四季の風さん

早い時期に出てくるクロスジフユエダシャクは昼行性なのでオスが飛んでいるのは目につきやすいのですが、夜行性の種類は昼はじっとしていることが多いので目につきにくいかもしれませんね。
擬木や柵・塀など人工物にとまっていると見つけやすいのですが……イチモジフユナミシャク♀は桜の古木での発見率が高いので、この時期はサクラを注意して見るようにしています。

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