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チャバネフユエダシャクのペア

別種のようなチャバネフユエダシャクのペア



チャバネフユエダシャクのメスが擬木にとまっていた。ホルスタインちっくなスタイルはユニークきわまりない。


翅はすっかり退化し消失している──これで蛾の成虫だというのだから驚いてしまう。ちなみに、チャバネフユエダシャクのオスは、こんな姿↓。


サクラの幹の低い位置にとまっていたオス↑。チャバネフユエダシャク♂は地味な普通の蛾。翅もあるし、もちろん飛ぶこともできる。翅の有無が大きな違いだが、翅をのぞいた体幹部分も──♀にはホルスタインやダルメシアンを思わせる斑もようがあって、♂とはずいぶん違っている。
ユニークきわまりない♀と一見普通の蛾である♂──同じ種類だとはにわかに信じがたいルックスだ。
しかしこれが同じ種類であるということが一見して判るのがペア・ショットだ。と、いうことで──、


コンクリートの塀の日陰側にとまっていたチャバネフユエダシャクのペア。本来は夜行性のはずだが、ときどき、こうして日中でもペアになっていることがある。




似ても似つかない♀と♂だが、こうしたシーンを見ると、同じ種類だということが納得できる。

前の記事でも記したが、チャバネフユエダシャクは、冬に出現する蛾・フユシャクの1つ。本来なら昆虫の活動に不向きな冬に成虫が出現し繁殖活動するようになったのは、天敵が少ない時期だからだろう。とはいえ、気温が低い環境では外温性(変温動物)の蛾が飛翔するのは大変なはずだ。卵を抱えた身重の♀が飛ぶのは負担が大きいから、飛ぶのは身軽な♂にまかせ、♀は飛翔能力を捨てて、そのぶん卵を増やすことに専念したのではないかと想像する。天敵が少ない冬なら飛んで逃げる必要性も低いはずだ。
ただ、天敵が少ないといっても全くいないということはない。天敵が全くいなければ気温の高い昼に活動する種類がもっといていいはずだ。フユシャクの多くが夜行性だということは、鳥などの天敵がいるからではないか。目立つ繁殖活動は鳥が活動していない夜に行ない、昼はじっとしている方が生存率が高いのだろう。昼間繁殖活動をするクロスジフユエダシャクなどは♀が落ち葉などの下に隠れていることが多く、♂も葉の下にもぐって交尾する(*)──これも対天敵(鳥など)対策仕様なのではないかという気がする。
チャバネフユエダシャク♂の樹皮や枯葉に溶け込めるような翅の色には昼間目立たぬような隠蔽擬態的な効果があるのだろう。♀が♂とは全く違う色と模様をしているのは、それなりの意味があるのではないかと想像したくなる。
翅を持たず体幹部まるだしの状態では天敵(鳥など)に見つかりやすい──白黒の斑模様は鳥糞っぽく見えなくもないし、樹皮にとまっていればボディラインをかく乱する効果があるのかもしれない。天敵(鳥など)に見つかりやすい個体は食われ、少しでも見つかりにくい個体が生き残ってその特徴を受け継ぎ濃縮していってできたのが、ホルスタインちっくな模様なのではないか……などと個人的には想像している。

ところで、このユニークな♀の模様(の一部)が、ゆるキャラ風の「殿様」の顔に見えてしかたないのは、僕だけであろうか?





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コメント

No title
バ・・・バカ殿?
なっ・・・なんて失礼な事を!お許し下され~~~!

にしても、多くのフユシャク蛾の中にあって、このチャバネフユエダシャク(♀)の姿・模様は独特過ぎるような・・・
何故、チャバネフユエダシャクの♀だけが?と疑問に想わなくもありませんが、確かに、鳥の糞に観える・・・てんなどが、生き残り作戦の一端になったのかもしれないと想像致します。

・・・にしても、チャバネフユエダシャクの交尾シーンもご覧に成りましたか!
日々、丁寧に観察しておられるからだと敬服致します!
生態を飲み込み連想し虫の行動を読むことを観察に繋げていく・・・
私も、こういった観察方法を得とくしたいものだと(見習いものだと)想ってるところです・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

フユシャクの♀はそれ自体、ユニークですが、その中にあってチャバネフユエダシャクは独特のフンイキを感じますね。
翅が退化して無いのは差し置いて……体幹部もまるっきり♂とは似ていないコトが不思議に感じられ、例によって妄想してみました(笑)。

空目は……1度見えてしまうと、次から自動的にそう見えてしまう例にもれず、見るたびに「殿様顔」がイメージされてしまいます。
アップで見るより、少し引きの画像の方が見えますかね?
No title
ものすごっ、、、!
No title
> あじちゃんさん

昆虫の世界は、驚きに満ちていますね。
No title
こんばんは。

チャバネフユエダシャクのカップルさん面白いですね!
特にメスのユニークなかわいさを再度楽しませていただきました♪

わが家のまわりではチャバネフユエダシャクにはお目にかかれないと思いますが、数年前の真冬に写したことのあるコーヒーゴマフボクトウガと並んでいたら両者は一瞬兄弟と間違えそうです(^^♪
全く違う蛾なのに冬のふんわりゆるキャラを思い出しました。。。
No title
> 夏風さん

フユシャクの♀はどれもユニークな姿ですが、ホルスタインちっくなチャバネフユエダシャク♀は特に異彩を放っている感じもしますね。

コーヒーゴマフボクトウ──検索して見ました。たしかにパッと見の雰囲気は似ているかも。
フユシャクのように同じ種類でも♂と♀で全然違っていたり、一方、違う種類なのに似ているものがあったり──蛾もバリエーションが豊富で面白いですね。

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