緑に輝くアカスジキンカメムシは死ぬと黒化!?

メタリックグリーンの体に赤い模様が鮮やかなアカスジキンカメムシ成虫。よく見るとメタリックグリーンなのは、体の表面にほどこされた点刻まわりの小さな環。黒地に無数の緑色極小リングがちりばめられていることで、これがメタリックな輝きを生みだしている。ただ残念なことに、この輝きは標本にすると(死んでしまうと)失われてしまうという。ヤマトタマムシのように標本にしてもこの輝きが保たれるなら、アカスジキンカメムシはもっと人気がある昆虫だったかもしれない?
メタリックグリーンの輝きが魅力のアカスジキンカメムシだが、まれに黒化型がみつかるらしい。ネット上の画像を見るとツヤ消しの黒い姿は──これはこれでシブくてなかなか美しい。黒化型の画像を見ると、点刻まわりに極小環はあるがこれが緑ではなく黒い──ということのようだ。
黒化型アカスジキンカメムシの存在を知ってから、いつか見てみたいと思っていたが、なかなか縁がなかった。ただ、死骸では一部黒化したものを何度か目にしている。どうやらアカスジキンカメムシは死ぬと黒っぽく変色してしまうらしい。死ぬと色があせるのは乾燥によるものだろうが……乾燥と黒化には関係があるのだろうか?
一部黒化したアカスジキンカメムシの死骸を見つけるとそんなことを考えていたが、去年は生きている成虫で体の大部分が黒い個体をみつけたことがあった。

待望の黒化型か!?──と思ったが、どうも雰囲気がちょっと違う。頭の周辺にはメタリックグリーンが残っているし、黒い部分の感じも、ネット画像で目にしていた黒化型とは少し違うような気がする……。

遺伝的な欠損(?)で起こる黒化型ではなく、発育途上で起こった後天的な原因で中途半端に黒くなったのではないか?……などと想像してみたが、本当のところはよく解らない。

アカスジキンカメムシの前胸(中味はカラ)だったが、いわゆる黒化型の「ツヤ消しの黒」っぽい感じ!? しかし、これも生きている時はメタリックグリーンだったものが乾燥して黒くなったのだろうか?
死んで色褪せたアカスジキンカメムシを水で濡らすと緑色が復活するというハナシをネットで知っていたので、試してみることにした。
ツヤ消し黒からメタリックグリーン復活

ピンセットの先にひっかけたアカスジキンカメムシの黒い前胸↑。よく見ると無数にある点刻の周りには小さな環が確認できる。通常はこれが鮮やかな緑色をしているわけだが、これが黒いために黒地にみえるということのようだ。
この黒い前胸がどうなるか……水を吸わせた筆で濡らしてみると……。

みるみるメタリックグリーンの輝きが復活! 予想以上の鮮やかさにビックリ!
枯れ木に花を咲かせた花咲か爺さんの気分!?
点刻まわりの極小リングが黒から緑に変わったのがハッキリわかる。

乾き始めると、輝きも失われていく……。画面右側から乾燥していくのがわかる。

みているうちに緑の領域が、どんどん侵食されていく。

乾くと、ツヤ消しの黒に戻った。

どういう仕組みかはわからないが、濡れると点刻周りの極小リングがメタリックグリーンに発色し、乾燥すると黒くなるということのようだ。
乾燥した前胸背は黒化型個体と同じように見える。黒化型も同じ仕組みで黒く見えるのだとすると……生体が本来もっている「体表面の潤い」を保つことができない欠損(機能不全)個体なのかもしれない。だとすれば、黒化型アカスジキンカメムシも、水で濡らせばメタリックグリーンに輝くのだろうか?
あるいはニスでも塗ったら、アカスジキンカメムシの死骸もメタリックグリーンの輝きを保っていられるのだろうか?(*)
いずれチャンスがあれば、そんなプチ実験もしてみたい。
死んで色褪せたアカスジキンカメムシを濡らすと色が復活するという情報は知っていたのですが、まさかこれほど鮮やかに蘇るとは思いませんでした。
構造的なもので光学的な現象なのかもしれませんね。
昆虫には驚かされることが多いです。
僕は標本を作らないので実感としてわからないのですが、アカスジキンカメムシは標本にすると色褪せるという話はだいぶ前から知っていました。それが水に濡らすと復活すると知ったのは最近。しかし、これほどの変化は予想外でした。
黒化型も不思議ですが、黒くなった個体がメタリックグリーンに輝くのもフシギですね。
知りませんでした!
おもしろいですね~。
カミキリなど甲虫の鞘翅を水に濡らすと色が変わってしまうというのを
見たことがありますが、それと似たような仕組みなのでしょうか…
生きている黒化型のアカスジキンカメムシを濡らすとどうなるのか、
気になりますね!
アカスジキンカメムシは大きくてキレイなカメムシなので、カメムシの中ではメジャーといっていい存在だと思います。
クサいニオイがらみの警告色ってこともあるのでしょうが、カメムシの中にはキレイな種類も少なくありませんね。
とりあえず、アカスジキンカメムシの場合は死んで退色した個体は濡らすと発色が復活するのを確認しました。予想以上の鮮やかさには驚かされました。
死んで色が変わる昆虫はけっこういるようですが……他の種類はどうなんでしょうね。やはり構造色でないとダメなのかも?
すりガラスが濡らすと透明になるように、表面が乱反射する構造で水がしみやいすものは濡れると光の吸収率や反射率が変わって色合いが変化するんでしょうね。
ナナホシキンカメムシやカメノコハムシも水で復活するんですね。知りませんでした。死んで色あせる虫の中には、復活可能なものがまだいるかもしれませんね。
それにしても、アカスジキンカメムシの期待以上の復活ぶりには驚きました。
アカスジキンカメムシ自体は以前から知っていたのですが、こんなマジックの持ち主だったとはビックリです。
乾いている時と濡れているときで光の反射・吸収の率が変化する構造なのかもしれませんね。
黒からメタリックグリーンへの変化、そこから素の黒にもどる。
感動ものでした。
発色なのかくぼみに入った水がレンズになってるからなのか?
全く分かりませんが感動しました。
今だアカスジキンカメムシをみたことのない私です。
いつか出会える日を楽しみにしています。
水を吸わせた筆て拭いただけなのに、この鮮やかな変化! まるでマジックを見るようで驚きました。
細かいしくみはわかりませんが……イメージ的には多層構造になっている隙間(?)に水が入ることで光の反射吸収率が変わってメタリックグリーンが復活するんでしょうかね。
アカスジキンカメムシの発生ポイントがみつかるといいですね。
「濡らすと緑が復活する」と結果はわかっていたのですが、これほど鮮やかな変化だとは予想していませんでした。メタリックグリーンとツヤ消しの黒ではずいぶんイメージが変わりますね。
黒化型が羽化しましたか! 僕はまだ、ちゃんとした(?)黒化型をみたことがないのですが……黒化型を濡らしてもメタリックグリーンにならなかったということは、黒化型は水分が抜けて(行き届かなくて?)黒いわけではないということですね。
とても興味深いお話を、ありがとうございます。


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