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ヘビの抜け殻&アオダイショウ幼蛇

ヘビの抜け殻&脱皮主のアオダイショウ幼蛇

前記事の石垣でヒガシニホントカゲハリサシガメを撮っていたところ、まだ新しいヘビの抜け殻を見つけた。


セミの抜け殻などは成虫が脱出するさいに背中が裂けているが、ヘビの抜け殻は全体がほとんど無傷で残っていることがある。この抜け殻は残念ながら(?)途中で切れていたが、すぐ近くに残りがあった。


実はこの↑抜け殻の近くに脱皮主と思しきアオダイショウ幼蛇がいたのだが、カメラを近づけると石垣の奥に隠れてしまい、抜け殻との2ショットは撮ることができなかった……。
しかし、しばらくすると近くの石垣の隙間から現れた。




アオダイショウの幼蛇は成体とは違った模様や体色をしているので、一見別種のヘビに見える。幼蛇のはしご模様が、マムシの銭形模様に間違えられるらしく、しばしばマムシと誤認されている。マムシの瞳孔はネコのように縦長だがアオダイショウの瞳孔は丸い。


ヘビは二股に分かれた舌をよく出し入れする。これは舌で集めた空気中の化学物質を口蓋にある一対のヤコブソン器官(嗅覚器官)へ運んでニオイを感知するため。


ヘビは手足がないのに実にスムーズに移動することができる。くねらせた体の要所要所で体を押し当て一定方向(頭の方向)に体を滑らせ続けることで前進できる。下から上への移動も滑るように(実際に滑らせて)自由自在。
ちなみに幼蛇とはずいぶん印象が違うアオダイショウの成体↓。


アオダイショウの幼蛇と成体ではなぜ模様が違うのかふしぎなところだが……以前、これについて考えてみたことがある→【幼蛇と成体・模様が異なる理由:アオダイショウ

ヘビの抜け殻はヘビ本体よりも長くなる

ヘビは体をくねらせて一定方向(頭の方向)に滑る(進む)ことができるが、滑る方向を決めているのが腹板と呼ばれる幅の広いウロコだ。今回の抜け殻で見てみると↓。


腹板はヘビの腹側(つまり地面などと接する部分)の幅の広いウロコ。継ぎ目が前の腹板の下に重ねられているので、頭方向へは抵抗なくスムーズに滑るが、尾方向には腹板の後縁がひっかかってブレーキとなる。つまり腹板が逆進防止のストッパーの役割りをはたしている。
抜け殻の頭を見ると、眼をおおっていた透明なウロコもいっしょに脱皮しているのがわかる↓。


半透明のウロコ(体鱗)の間に見える白っぽい部分は、普段ウロコの下にたたまれている皮膚で、大きな獲物を呑み込んだときなどに拡張する。脱皮のさいには、このウロコの下にたたまれている皮膚も伸ばされていくことになり、そのため抜け殻はヘビ本体よりも長くなる。


ヘビの脱皮は鼻先から始まり、頭をおおっていた古い表皮がめくれ上がり、パーカーのフードをはねあげたように後屈する。その反転した頭が古い体を呑み込んで行くような形になる。ストッキングを脱ぐように古い皮を裏返しながら脱皮は進むので、抜け殻を傷つけることなく本体が脱出できるわけだ。脱ぎ終えたヘビの抜け殻は裏表が逆転している(抜け殻↑では頭の外側だった面が内側になっている)。


(※↑【脱皮マジック】より再掲載)

余談だが……ヘビの脱皮は本体より抜け殻が長くなるのに対し、昆虫の脱皮では抜け殻より大きな本体が現れたりする……これにもビックリだ。


(※↑【脱皮マジック】より再掲載)

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コメント

No title
こんにちは・・・
以前、一見別種に見えるアオダイショウの幼蛇の模様の秘密への考察も楽しく拝読させて頂きましたが・・・
今回の抜け殻を使用してのヘビの部分名や役割の説明も、実に興味深く拝見させて頂きました!!!・・・
腹板の名称と役割・・・そして、ぬけがらと脱皮主との詳細な対比が非常に判りやすく、それ故、更にアオダイショウの幼蛇により関心を抱くことが出来ました。

ヘビのウロコの下にたたまれてる皮膚の役割に興味津々!
成る程!・・・そう言ったわけか!!・・・
と、ヘビの身体の仕組みを全てとは言わなくとも、垣間見る事が出来た事で、今後、ヘビに出会った時、以前に比べ好感が持てるものになってることは間違いありません!・・・☆
No title
脱皮の世界は面白いですね。考えてみれば蝶でもサナギから出たらずっとでかくなりますよね。そうやって成長していく仕組みが不思議ですね。確かにわたしはマムシかと思っちゃいました。ナイス!
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

昆虫も色々と想像力を刺激してくれますが、ヘビもまたユニークな生き物なので、それなりに好奇心を活性化してくれます。
生き物の体はよく見ると「うまくできているなぁ」と感心させられることが多いですね。
「うまくてきている」ことが解ると、実際にであった時の関心も高まりがちです(笑)。

今回、抜殻と脱皮主が見られたので頭部のウロコを対比させてみました。
No title
> 四季の風さん

「脱皮」は生き物たちのマジック──イリュージョンですね。
よくまぁ、こんなスゴイことをするもんだといつも感心してしまいます。

目にする昆虫や爬虫類たちが、みなこうしたプロセスを経て成長してきたのかと考えると、何だか尊いもののように思えてきます。

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