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トカゲの尾は何度も切れる!?

トカゲ密度が高い石垣

何度も記している通りハリサシガメが見られる石垣はトカゲ密度が高い。


あちこちで日光浴しているヒガシニホントカゲ──かつてニホントカゲと呼ばれていたものが今では3種類に分けられ、東京で見られるのはヒガシニホントカゲということになるらしい。




ヒガシニホントカゲにまじってニホンカナヘビの姿もチラホラ。この石垣ではヒガシニホントカゲが圧倒的に多いが、緑地全体ではニホンカナヘビを見かけることの方が多い。




トカゲの尾:自切と再生



日光浴するヒガシニホントカゲの中に尾が短めの個体がいた。よく見ると尾の途中から色が微妙に変わっていて尾の先端もいくぶん丸い……どうやら再生した尾のようだ。再生した尾は元の尾よりもクオリティが落ちるという印象があったので、(長さが劣るとはいえ)こんなにきれいに再生することがあるのかと意外に感じた。
この石垣で見かける多くの個体の中には、尾が切れたものや再生したものの姿もある。


「トカゲの尻尾(しっぽ)切り」という言葉(トカゲが尾を切り捨てて逃げるように、不祥事などが露見したとき、部下に責任をかぶせて上司が追及を逃れること)があるように、トカゲが尾を自ら切り落とすこと(自切)はよく知られている。
僕も、ネコに襲われたヒガシニホントカゲが尾を自切するシーンを見たことがある。切り離された尾は地面でピチピチと跳ねまわり、その動きにネコが気をとられているスキに本体は草の間に逃げ隠れた。トカゲ自切は、敵の注意を尾に引きつけ本体からそらす陽動作戦として機能しているのだと納得した。幼体の尾が目をひく鮮やかさなのも、小さいながら陽動効果を高めるためではないかという気もしている(*)。
そのヒガシニホントカゲ幼体の自切した尾↓。役割りを終えた尾をアリ達が運んでいた。


自切した後、尾は再生するが骨は再生されず、見た目も再生部分はハッキリわかることが多い。


「トカゲの尻尾(しっぽ)切り」は1度限りではない

トカゲの尾の自切&再生は子どもの頃から知っていたが、長い間それは「1回限り」のものだと思い込んでいた。
「トカゲの尾には切れやすい場所があって、そこから切れる」という知識はあったのだが……脱離節(その部位から先が自動的に脱離しやすい構造)はその1カ所だけだと理解(誤認)していた。その「切れやすい場所」で自切は起こり、再生した尾では(脱離節は無いのだろうから)2度と脱離は起こらない──そういう理解でいたのだ。

ところが……トカゲの仲間であるグリーンイグアナで、「2度の《尻尾(しっぽ)切り》」を目の当たりにして驚いたことがあった。飼育中のグリーンイグアナの尾を不用意につかんで自切させてしまったことがあったのだが……当時は「トカゲの尻尾(しっぽ)切りは1度限り」と思い込んでいた。だから再生した尾はもう切れることはあるまい──そう信じてつかんだところ、以前切れたところより上(胴に近い部分)で再び自切が起こったのだ(その後、尾は再び再生した)。
このとき初めて「トカゲの尻尾(しっぽ)切り&再生は1度限ではない」ということを知った。グリーンイグアナで2度目の自切があったのだから、ニホントカゲやニホンカナヘビでも同じことが起こりうるだろうと考えるようになった。
トカゲの尾の骨には一節ごとに「脱離(だつり)節」が並んでいるという。このどこかで自切が行われる──「トカゲの尾の切れやすい場所(脱離節)」は1カ所ではなかったのだ。
尾を自切したヒガシニホントカゲを色々見比べてみると、確かに個体によって尾が切れた位置に違いがある──これは脱離節が1カ所ではないことを物語っている。










自切後に再生する尾には骨はなく(骨の変わりに管状の軟骨が通るらしい)、従って脱離節も形成されないはずだ。(脱離節がない)再生尾での自切は起こらないのだろうが、脱離節を温存した根元近くのオリジナル部分での自切はあり得るということだろう。


最初の自切のさいに残った尾に脱離節が温存されていれば、そこで2度目の自切は起こりうるだろう──今はそう考えている(グリーンイグアナでは確認しているがヒガシニホントカゲやニホンカナヘビでは未確認)。
余談だが、自切したのち再生した尾が二股になることもあるようだ……。


(※↑【なんちゃってフタオトカゲ!?】より)

ちなみに、かつて飼っていたグリーンイグアナ↓。




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コメント

No title
私も尾が切れるのは一回までだと思っていました。
そして、ニホンカナヘビも尾って再生するのですか?
知りませんでした。。。
切り離されたトカゲの尾にアリがたかっている写真、衝撃です。
切断された尾を見てみたいと思っているですがなかなか見られないのは
アリなどが持って行ってしまうからなのでしょうかね。

いろいろな位置で尾が切られたたくさんの個体の写真、
撮りためたものかと思ったら、全て2016年9月だったので
そこにも驚いてしまいました!
No title
> noriさん

たぶん「トカゲの尻尾切りは一度きり」と思っている人は多いのではないかと思います。
僕もてっきりそう信じ込んでいたので、グリーンイグアナで2度も尾を切ってしまった時は驚きつつ凹みました(笑)。

ニホンカナヘビも尾の自切&再生はします。ときどき尾の途中から色や質感が違う個体がいますが、その部分が再生尾です。

切り離した尾は天敵が食べてしまうことも多いのかも。残っていたとしても、こうしてアリなどが撤去してしまうんでしょうね。

これまでヒガシニホントカゲはあまり撮る機会がなかったのですが、ハリサシガメを見に行く場所で高密度に見られることがわかって撮るようになりました。
最初はキレイな個体を選び、尾が欠けた個体はスルーしていたのですが……先日ふと尾が欠けた個体の自切ポイントを確かめるために撮り比べてみようと思い立って撮影してみたものです。
カメラを向けたときに逃げられることも多かったのですが、それでもこれだけ撮れました。それだけ密度が高い場所だったりします。
No title
こんばんは・・・
「グリーンイグアナって、美しいですね!」
これまで、まじまじと観る機会が無かった事を残念に感じます。

ヒガシニホントカゲの尾っぽの脱離節の観察・考察を興味深く拝読させて頂きました。
それらの様々な造形にも見入ってしまいました・・・
観察されたお写真が、全て9月のものである事などから、如何に注意深く詳細に観察されてるかが解ります!
加えて、多様な自切尾っぽの個体の紹介には驚かされました!

成体の模様も多様なのですね・・・

観察・考察・撮影の極意を堪能させて頂きました!!!☆・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

グリーンイグアナは美しくてカッコ良いトカゲでした。昔のSF映画に恐竜として登場していたこともありましたし。

ヒガシニホントカゲは、ハリサシガメ目当てて出かけたときに目につくので撮ってみました。被写体豊富な石垣は重宝しています(笑)。

実はこの自切トカゲを撮っていた日に、やはりこの石垣で脱皮したてのアオダイショウの幼蛇も撮っているのですが……それは記事を分けることにしました。
No title
自分も一度限りと思っていました(´・ω・`)
フタオトカゲは、友達が試したようですが、腐ったようである程度の条件がかなわないとダメらしいですね。
No title
トカゲの尻尾切り、再生するんですね(・∀・)

そうでないと小さなツチノコみたいになったままですもんね。

カッコイイ!!イグアナ(・∀・)♪♪
No title
> タイコウッチさん

お友達が双尾化を試したんですか?
自切しないと(脱離節で脱離させないと)再生しないのかも?
イモリは卵をゆるく糸で縛ると双頭化するみたいですね。
No title
> ☆彡Maria☆彡さん

種類によっては尾が再生しないものもあるそうですが、ふつうトカゲの仲間は再生しますね。元の尾より短くなってしまうようですが。

イグアナは昔のSF映画で恐竜として登場していることがありました。なかなかの存在感です。
No title
エ~( ゚д゚)こんなに…たくさん現れているところがあるンですか~(=゚ω゚)ノ
凄い数だなぁ!
No title
> カメレオンアームスさん

1フレームに4匹入るシーンもあったんですが、シャッターを切る前に逃げられてしまいました。
僕もこれほど密度の高い場所は初めてです。

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