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擬態と空目・聞き做しと空耳

空目が擬態を進化させる!? 落ち葉チックなアカエグリバ





擬態の名手アカエグリバをみつけた。一見してわかるように枯葉への擬態が実にみごと。枯葉よりも枯葉チックな蛾──僕はそう思っている。いろいろな形のバリエーションがある枯葉の総概念を端的によく表している。任意の枯葉1枚と比較すれば、アカエグリバの方が《枯葉らしさ(総概念)》を備えていると思う。
こうした別のモノに化けて(似せて)天敵の目をごまかす擬態はで生き延びる率を高める生存戦略のひとつ。
といっても、もちろん昆虫が「似せよう」と思って進化したわけではないだろう。たまたま似ていたものが天敵の目をのがれやすくなって生存率を高めることとなった……その似せっぷりの優れたものほど生き残るチャンスに恵まれ、その特徴を子孫を残す事ができたはずだ。天敵を欺く似せっぷりの特徴は、より優れたものが生き残り世代を更新していく中で顕著化していき、完成度を高めていったのだろう。
アカエグリバのみごとな枯葉擬態も、捕食者──鳥などが枯葉だと空目(視覚的誤認)したことで完成度を高めたものなのかもしれない。だとすれば《擬態を進化させたのは、本人(本虫)たちの頑張り(?)ではなく、捕食者たちの【空目】》──と、いえなくもない。カマキリのように捕食者が擬態して獲物の目をごまかしてハンティングの成功率を上げる(ことで生存率を高める)ケースなどもあるだろうから、そうした場合は《擬態を進化させたのは被捕食者たちの【空目】》ということになる。いずれにしても《擬態》の完成度を高めることに貢献した(だろう)【空目】の功績(?)は、あなどれない。

つくつく胞子!? ツクツクボウシの聞き做し(ききなし)





夏真っ盛りのときはアブラゼミとミンミンゼミが圧倒的だった公園では最近はツクツクボウシの鳴き声が支配的だ。「ツクツクボウシ」というのは変わった名前だが、その鳴き声が「つくつく法師」と聞こえることに由来するらしい。こうした【聞き做し】(動物の鳴き声や鳥のさえずり等を人間の言葉やフレーズに当てはめたもの)も──言われてみれば確かに聞こえる(かもしれない?)【空耳】といえるだろう。
そう言われて聞いてみれば、ツクツクボウシの鳴き声は「ツクツクホウシ」と聞こえなくもないが……「つくつく法師」というより「付く付く胞子」!?──というべきものを見つけた↓。




白っぽいものが見えたのでセミヤドリガの幼虫がついているのかと思ったが、よくみるとカビのよう……これはセミカビ(白きょう病菌)と呼ばれるものらしい。セミヤドリガの幼虫の寄生はセミを殺さないが、セミカビの感染はセミを殺してしまう。

ところで、このセミ──「ツクツクボウシ」という名前であることは子どもの頃から知っていたが、鳴き声は「オーシン・ツクツク……」と聞こえていた。
小学生だった頃、一緒にセミとりをしていた友人が、クツクボウシ鳴き声を聞いていて、後半が「トッポ・ジージョ」(当時テレビ放送されていた人形劇のキャラクター)に聞こえると言い出したことがあって、それ以来、僕にも「トッポ・ジージョ」と聞こえるようになってしまった。【空目】は一度見えると次からそう見えてしまうが、【空耳】も一度聞こえると次から自動的にそう聞こえてしまう。
そんなわけでツクツクボウシの鳴き声の後半はずっと「トッポ・ジージョ」だったが……前半の部分を無理やり聞き做せば「往診・着く着く」だろうか? それとも……。

ツクツクボウシの鳴き声を少し離れたところから聞いていると、前半部分は「美味しっ…美味しっ…美味しっ…美味しっ……」と言っているようにも聞こえる。「吸っている樹液がよほど美味しいのだろうか?」なんてイメージを描いて聞いていると、その鳴き声は突如「乏しい! 乏しいじょ! 乏しいじょ! 乏しいじょ! ち~!」と吐き捨てるようなセリフに変わる!?
「美味しい樹液だったのに、乏しくてちょっぴりしか吸えなかったので手のひらを返したように罵倒?」などと思ってみたり?

9月も半ばを過ぎ、涼しい日には、ツクツクボウシの鳴き声も勢いが衰えてきた感じがしないでもないが……そんな思いで聞いていると、ツクツクボウシの後半部分が、韓国語で「또(ト) 보시죠(ポシジョ)」と言っているようにも思えてくる。これは「また 会いましょう」の意味になると思うのだが……夏の暑さとともに過ぎ行こうとするセミが、来夏までサヨナラと言っていると解釈すると、なんとなく風情を感じないでもない……。
(※《夏の風物詩》的なイメージがあるセミだが……実際は11月に入っても鳴いている個体がいたりする→【立冬すぎのアブラゼミ!】)


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コメント

No title
ツクツクボウシは最後のセミですもんね。
今日、友人がニイニイゼミを聞いたそーです(^^;)
No title
> ともっくさん

5月頃に鳴くハルゼミは別にして……夏のセミはニイニイゼミから始まって、だいたい最後に鳴き始めるのはツクツクボウシという感じですね。
ニイニイゼミでまだ頑張っている個体がいましたか。個体によっては遅く出てきてしまうものもいるようですね。
No title
アケビコノハも凄いと思いましたが、このアカエグリバもかなりの擬態ですね。ナイスです!
擬態は、何万年にも及ぶ少しずつの変化の結果なのでしょうが、どこかに何らかの意思があるように思いたくなります。
No title
> nika4さん

アケビコノハに比べると少々小ぶりなのですが、造型としてはアカエグリバの擬態もなかなかのハイレベルだと思います。

擬態については《どこかに何らかの意思があるように思いたくなります》というような意見はしばしば目にしますね。擬態という現象はそれ自体興味深いですが、それを見て《何らかの意思》を感じる、ヒトの認知のしくみにも興味があったりします。
No title
こんにちは・・・
虫好きのきっかけを作ってくれた(擬態)には興味津々です!
隠蔽型擬態・・・の中でもカマキリの様なパターンの攻撃型擬態・・・があるとか(?)
進化を探る術は持ち合わせてませんが、壮大な進化のロマンを想えることを有難く思ってます。

セミカビにおかされた(付く付く胞子)・・・(涙)
鳴き声の空耳が、実にユニークで笑ってしまいました・・・
往診着く着く(笑)トッポ・ジージョ(笑)(笑)美味しい~→乏し~~~(笑)(笑)(笑)・・・ああ~~~(爆笑)(涙)

鳴き声一つで、これほど心を高ぶらせてくれるセミ(ツクツクボウシ)って偉大ですね~~~!!!☆・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

カマキリは天敵から逃れる隠蔽擬態もあるのでしょうが、狩りにも(獲物に対しても)その効果があるのではないかと思って例にあげてみたのですが……(他に判りやすい例を思いつかなかったので)。
昆虫の完成度の高い擬態を見ると、驚き・感心し、ついあれこれと想像が展開してしまいますね。

聞き做しも、お遊びですが、ある意味、頭の体操ということで(笑)。
ツクツクボウシの声を聞いたら、そう聞こえるか試してみてください。
No title
わあ~~
アカエグリバって本当に本物の枯葉でさえ顔負けですねー♪
進化の過程もなるほどなあ~って説得力がありました。
この子、みゆきも見てみたいです。
アケビコノハだって幼虫は何回も見てるのに成虫はまだ見たことないの(*^_^*)
No title
> みゆきさん

アカエグリバは見るたびに感心してしまいます。
アケビコノハも擬態の完成度が高いですね。僕もアケビコノハに関しては幼虫はちょくちょく見かけるのに成虫には2~3回しか会ったことがありません。視界の中に入ってもなかなか気がつかないのかも知れませんね。

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