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エメラルドを隠し持つムツボシタマムシ

翅を開くとエメラルドの輝き!ムツボシタマムシ



擬木の上を歩き回るムツボシタマムシを見つけた。この虫はすぐに飛び去るのでなかなかじっくり撮ることができない。この個体も翅を広げて飛び立とうとする仕草を見せたが、故障しているらしく離陸できずにいた。こうした状況は3年ぶり(*)。気の毒ながら、飛び去ることができないのをいいことにカメラを向けた。




ムツボシタマムシは、手もとの図鑑では7~12mmと記されているが今回みつけたのは、ずいぶん小さめの個体だった。




ムツボシタマムシは美麗昆虫の代表格ヤマトタマムシ(30~41mm)にくらべるとずいぶん小さいし、一見、色合いも地味だ。よく見れば凹んだ紋には鈍い金属光沢があって、光線の加減で金~薄緑色にみえたりして、それなりにシブい美しさがあるのだが……この普段の姿が目に入っても多くの人は気にとめることがないだろう。
ところが、一見地味なこの昆虫が飛翔する瞬間を目にした人はハッと息をのむに違いない。ふだん翅で隠されている腹の背面が、実はすばらしく美しい。翅を広げた瞬間、このエメラルドの輝きがあらわになるのである。
今回見つけた翅を故障した個体は離陸できずに何度も翅を開くので、その瞬間をいくつか撮ることができた。










昆虫のメタリックな輝きは画像にするとかなり目減りしてしまうものだが……それでも宝石のように輝いていることはおわかりいただけると思う。
ムツボシタマムシは翅を広げた姿が、とにかく美しい!
一般民間人的にはきらびやかな昆虫を見るとテンションがあがる。せっかくこれほどの輝きを持っていながら、ふだん翅で隠しているのが非常に惜しい。まことにもったいない。残念でならない。やりきれない。くやしいったりゃありゃしない!

これは例えてみれば……いつもさえない衣類を身にまとっているオッサンが、しょぼい服を脱いだら宝石だらけのピッカピカのステテコを履いていた──みたいなのもだ。「おまえ、着飾るところ、間違ってるだろ!」と言いたくなる。
エメラルドのステテコを履いたオッサン──エメラルド・ステテコッサンの別名を与えたくなる……なんて私情はさておいて。
「いったい、どうして、一番美しいところがそこなんだよ」と思わずにはいられない。2年前もいろいろ考えてみたが、今回もあれこれと妄想が展開した。考えたコトを全て紹介していくと煩雑になるので、解釈として一番妥当そうなものを1つだけ記しておくことにする。

飛翔時限定の《宝石の輝き》の理由!?

ふだん翅の下に隠されているエメラルドグリーンの腹──これは飛翔している間だけ露出し、この上なく目立つ。ということは逆に、降りて翅をたたんでしまえば隠蔽効果が高まる──ということなのではないだろうか。
鳥(天敵)が近づくなどして危険を察知したムツボシタマムシは飛翔して逃げようとする。飛んでいる間は輝く腹の背面がよく目立つので、敵はこの《エメラルドの輝き》に注目して追尾するに違いない。そこで追いつかれる前に降りて翅をたたんでしまえば、《エメラルドの輝き》を追っていた敵は目標を見失う。翅を閉じたムツボシタマムシをスルーして《エメラルドの輝き》を探しつづけることになるだろう。こうして「飛翔時限定の輝き」はムツボシタマムシの危機回避に役立ち、生存率を高めているのではあるまいか……。
久しぶりにムツボシタマムシの《エメラルドの輝き》を見て、そんなことを考えた。
ところで、宝石にも(「花言葉」のような)「石言葉」というのがあって、エメラルドの石言葉は「幸運・幸福・希望・安定」だそうだ。翅の下にそれを隠し持っているムツボシタマムシは、縁起が良い昆虫といえるかもしれない。

気づけば今日6月4日は《虫の日(「6・4」で「む・し」)》だ。
64(むし)の日に、6ツボ4タマ64……ということで。

ついでに、やはり擬木の上でメタリックな輝きを放っていたイモサルハムシ↓。





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コメント

No title
こんにちは・・・
美しい!実に・・・目を見張る程の美しさですね!・・・

こうして、飛翔寸前の瞬間をお捉えに成る写真技術!
いつもながらに「凄い!」と感嘆のため息と、そのおかげでこの様な一瞬の輝きを目にすることができた喜びで再びため息をついてるところです。

このメタリックな輝きを目にしながら想うのは、生物の持つ「構造色の効果」です。
構造色の効果は様々ある様ですが、その中に、「対捕食者戦略として(擬態、威嚇、隠蔽)に用いられてる」効果もあると言う説があるようです。
(危険回避説)は、そう言った意味でも、非常に興味深い説だと、ここでまた深くため息をついたのです・・・☆
No title
凄い綺麗なステテコですね。
星の部分もステテコと同じような色をしていていいです!
イモサルハムシ、僕も前に見つけました。
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

撮影に関しては苦手意識があって……今回も翅を開くタイミングに合わせてシャッターを切るのが難しくNG連発でした。

構造色は興味深いですね。以前、ヤマトタマムシの光沢について「光るものを鳥は避ける」みたいな記事を読んだ記憶があります。チョウの中でも蛹が金属光沢を持つものがありますが、そういった効果が関係しているのかも?
ただ、このハッタリが見破られれば逆に見つけやすい事でターゲットになるリスクもあると思われ、実際にヤマトタマムシがよく見られるポイントでカラスに喰われたと思しき残骸(腹を喰われてまだ生きている個体も)が散乱しているのを見たことがあります。
光るものには忌避効果があるケースもあるのでしょうが、陽動効果(?)的な使われ方もあり得るのではないかと、今回の解釈を考えてみました。
No title
> タイコウッチさん

ズボンよりステテコがこんなにゴーヂャスで、どうするんだ!──と、つい思ってしまいました(笑)。
メタリックな輝きを持つ昆虫は目を引きますね。

イモサルハムシもキレイですね。「ぜんぜんイモぢゃないのに……」なんて思ってしまいました(笑)。
No title
ムツボシタマムシは鞘翅の渋めな色合いと模様が、けっこう好きなのですが
ぱかっとしたときの腹部の輝きもやっぱりいいですね~。
一粒で二度おいしいといいますか。。。
飛べないのに何度もぱかっとしてくれるなんて…
本人にはちょっとかわいそうですが、いいモデルに出会えましたね!
No title
コレは、未遭遇(*☻-☻*)
出会ってみたいですヾ(@⌒ー⌒@)ノ
No title
> noriさん

甲虫のテイクオフ・シーン(翅を開いた瞬間)は好きなのですが、ムツボシタマムシはまた格別ですね。まさに一粒で2度おいしい的な……。さらに言えば通常の姿はチョコエッグの本体(チョコ)で、翅を開いた姿は付録のフィギュアみたいな(笑)。
飛べずに何度も翅をひらくので、このチャンスを逃すテはないとばかりに撮り続けてしまいました(後で画像を見て、もっとキレイに撮れるまで粘れば良かったかなとも思いましたが)。
擬木では上手く飛べない昆虫がしばしば見られますね。
No title
> カメレオンアームスさん

時々目にすることはあるのですが、よく飛ぶのでなかなか撮らせてもらえないことが多いタマムシ(の仲間)です。
通常の姿も金属光沢のある凹んだ紋が魅力的だったりしますが、翅を開いた瞬間がやはり印象的です。

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