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変化する模様!?キマダラミヤマカミキリ他

変化する模様!?キマダラミヤマカミキリ



僕の図鑑には【キマダラカミキリ】と記されているが、最近は【キマダラミヤマカミキリ】と呼ぶらしい。なんでも、キマダラミヤマカミキリは「ミヤマカミキリ族(Tribe)」だそうで……それでこう呼ばれるようになったらしい。
「長い名前は、わずらわしい……【キマダラカミキリ】でいいぢゃん。だいたい深い山限定のカミキリでもないのに《深山(ミヤマ)》だなんて、ヘンだろう」──一般民間人的には、そう思わないでも無い。
ところで、このキマダラミヤマカミキリ──個人的に面白いなと感じることがある。光の加減や見る角度でマダラもようが変化して見える──ということだ。上の画像では上翅の模様は(ほぼ)左右対称に見えるが、同じ個体のこの画像↓をご覧あれ。


同じ個体でありながら上翅の模様が左右非対称に見える──まるで別人ならぬ別個体だが、同じ時に同じ場所で撮った同じ個体。光沢昆虫が光の加減や見る角度で色合いを変えるのはおなじみだが、キマダラミヤマカミキリの質感で模様が変化するのはおもしろい。このとき同じ個体を撮った画像を3つ並べてみた↓。


ちょっとした「なんちゃってカメレオン」。カメレオンは気分や光・温度などで体の色・模様を変化させるが、キマダラミヤマカミキリの模様の変化は、光学的な現象のようだ。上翅の濃淡部分が領域を変えることで模様が変化して見えるわけだが……なぜ濃淡部分が領域が変化するのかというと、上翅表面は細かい毛が密生しており、この毛の向きが部位によって違うため。
(僕はゴルフをしないが)ゴルフの芝目に例えると、密生した毛の向きが順目だと明るく見え、逆目だと暗く見える(毛に光があたる側では明るく、毛の影の側では暗く見える)。
密集した毛の向きは左右の翅で対称だが、光の入射角度や見る角度の関係で模様は左右の翅で非対称に見えがちだ。また、明るい日向ではコントラストが強まり、影に入ると明暗のギャップは少なくなる。
体表面に密生した癖毛(?)のアップ画像は【キマダラカミキリの左右非対称に見えがちな模様?】参照。

普通、昆虫は左右対称で、虫探しをするときは、この「対称性」が一つのポイントになる──これは僕の場合だが……たぶん昆虫を捕食する鳥や動物等もそうではないかと思う。この「対称性」を壊すことによって天敵から見つかりにくくする──という対策は有効なはずだ。ノコメエダシャクを初めて見た時はそう感じた。
それでは、キマダラミヤマカミキリの場合はどうか……上翅の模様が左右非対称に見えることで、はたして天敵からの被発見率を下げられるのか──生存率に影響を及ぼすほどの効果になっているかは、ちょっと怪しい感じもする。たまたま(?)くせ毛の多い表面になって、それが隠蔽効果のあるまだら模様に見えたので受け継がれた……左右の対称性はさほど生存率に関係せずに「まだらもように見える癖毛」の部分に隠蔽効果があって、この特徴を獲得したのではないか……と想像している。例によってド素人の脳内シミュレーション・頭の体操。

スイカズラ開花時限定!?旬のシラハタリンゴカミキリ



旬のカミキリということで、スイカズラを見ると、のぞいてしまう。葉脈がスリット状に食われる食痕があると、ふきんを捜索。見つかるとやはり嬉しい。


見つけたとき撮りづらい所にいたので、葉を動かそうとしたらポロリと落ちて、近くの葉によじのぼってきたシラハタリンゴカミキリ。




シラハタでないリンゴカミキリ@ベニカナメモチ

今の時期はルリカミキリも気になるので、ベニカナメモチの植込みをのぞきがち。葉の裏にとまっているルリカミキリ(体長9~11mm)の姿を思い描きながら見ていたところ、イメージよりもぐっとデカいカミキリが目にとまった。初めて見る(シラハタのつかない)リンゴカミキリ(体長13~21mm)だった。


リンゴカミキリの仲間だということはすぐにわかったが、シラハタリンゴカミキリではないとも直感した。見慣れたシラハタリンゴカミキリに比べて、だいぶ細い──これがリンゴカミキリかと思い当たった。




リンゴカミキリはサクラにつく──という話はきいていたが、ルリカミキリ狙いで探していたベニカナメモチの生け垣での初遭遇は想定外。ちょっと意外で驚いた。

旬のルリカミキリ@ベニカナメモチ



そんなわけで、ベニカナメモチで探していたルリカミキリ。先日【昔はいなかった身近なカミキリ】でネタにしたばかりだが……。


光沢のある昆虫は葉の裏にとまっていると、逆光になってその特徴──きらめきがキレイに撮れない。なんとかキラキラ感のあるところを撮りたいと思うのだが……みつけてもすぐに落下&飛び去ってしまって、なかなか希望通りには撮らせてもらえないのであった……。

ジンガサハムシの産卵

ルリカミキリからの《葉の裏にとまっている光沢昆虫》つながりで……ヒルガオの葉の裏のジンガサハムシの金タイプ。産卵中だった。例によって逆光のため、そのきらめきがわからないが、とりあえず、このまま撮影。


ジンガサハムシは薄い膜状のカプセルの中にいくつか卵を産みつける。すでに膜層(?)が葉に貼り付けられていた。その上を腹端がゆっくり往復して産卵と膜かけ(?)をくり返しているように見えた。










卵を包む膜は折り返され、いく層か重ねられているように見える。
卵鞘(卵の入ったカプセル)を離れたジンガサハムシは飛び去ったが、別の葉にとまっているところを見つけ、逆光でないところで撮る。


ちょっと上翅が開きかけているが、このあと飛翔した。
ジンガサハムシの産卵は以前も撮ったことがある。【ジンガサハムシの産卵~光沢昆虫は難しい】の記事の方が産卵中の卵は、きれいに撮れていた。

季節の移ろいは早い…



このところ、次々にシーズン初の顔ぶれを見かけているが、今年もアカシジミが出てきた。


この時期、やたらデカく感じるアカボシゴマダラの春型。夏型はもっと黒っぽく、赤い模様が入るので、一見全く別の種に見える。狭山丘陵では数年前に初めて見た外来種だが、今では最も良く見かけるチョウの一つとなっている。


キアシドクガもミズキの周りを飛び始めている。白いチョウよりもエレガントな白い蛾──僕はそう感じる。翅の白さに真珠やシルクのような高級感を覚える。画像は擬木の下で羽化した飛び立つ前のキアシドクガ。奥に抜け殻(蛹)が見えている。この蛹は、かつてマンガ『とりぱん』で極小ツタンカーメンとしてネタにされていたことがあった。


擬木の上にいたアカスジキンカメムシ新成虫。発色の具合は個体によって差があるのだが、今年は鮮やかな色合いの個体が例年より多いような気がする。


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コメント

No title
キマダラミヤマカミキリの偶然の癖毛の隠蔽工作
星谷さんならではの興味深い考察です。
虫さんの学習能力は人間のそれよりも優れているような気がしてきます。

先日のルリカミキリの記事を拝見しまして、我が家のベニカナメの葉の裏を見ると食痕らしいものがあったので、ルリカミキリを一目見ようと待ち伏せしているのですが、リンゴカミキリの可能性もありますね。
白い蛾には惹かれますね、キアシドクガ、蛹の模様もたまりませんです。(^。^)R
No title
> 名もない小島さん

昆虫はヒトに比べて進化の度合いは桁違いでしょうから……獲得した能力はヒトの想像の上をいく──なんてことが、けっこうありそうですね。

ベニカナメモチに食痕がありましたか。ならば、きっといるハズ!
ルリカミキリは、その姿を見つけてもすぐに落ちたり飛んだりして、なかなか撮らせてくれないんですよね……。
まだ気温が上がらない(飛びにくい)午前中に見つけると撮りやすいかもしれません。飛んでいる時の方が見つけやすかったりはするんですが。
No title
こんばんは・・・
先ず、真っ先に驚いたことは、「キマダラミヤマカミキリと言う甲虫は、同個体でも、光の当たり具合で、こうも多様に異なって観えるものなのか!(ヒトの目から観た場合)」です。

その変化に気付き、詳しく観察され疑問に想った事を調べ考察されたところ・・・
いつもながら、頭が下がる想いです。
キマダラミヤマカミキリの模様は、非常に樹皮に似てますね!
樹皮に似せるなら、微妙に異なってる模様の方がより効果的かもしれません・・・
ならば、整い過ぎた毛より、癖毛の方が光の当たり具合で、よりリアルな樹皮に成る?・・・

その癖毛効果の発想にも驚かされますし、非常に面白いです!
甲虫の表面の毛の並びに興味が湧いて来ました・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

甲虫の模様って、けっこう微毛が関係しているものが多いのかもしれませんね。
以前はじめてラミーカミキリをみつけたとき、飼育したことがあったのですが、青白い部分の色が剥げて黒くなっていくのに驚きました。青白い部分は微毛で、それが禿げると黒くなるんですね。
コフキゾウムシなども微細な鱗片で被われているうちは緑色ですが、禿げると黒くなってしまうとか。

微毛への光のあたり具合(反射具合)でもようの濃さが変わるのはヨコヤマトラカミキリでも見られました(グレーの部分)。
光の加減で色合いが変化するというとメタリックな昆虫をイメージしがちですが、そうでないタイプでも変化するものがいるというのを知った時は意外に感じました。

キマダラカミキリも理屈の上では左右非対称に見えた方が隠蔽効果は上がると思います。ただ、それが実際どの程度影響があるのか……キマダラカミキリの場合は、左右対称でもやってこれたのではないか……という気もしていて、こんな解釈を考えてみたしだいです。
No title
ルリカミキリの見つけ方をいろいろ教えていただきありがとうございました。
わが家で見つけることが出来て、ほんとに幸運です。

目当ての虫さんの食草と食痕を知ることは重要ですね。
予習の大切さ、子供の時に知っておくべきでした(^。^)R
No title
> 名もない小島さん

虫探しに関しては僕も知らないコトが多いのですが……とりあえず、食草で見つけ「この植物につくのか」と判ると、次から見つけやすくなりますね。

僕も予習は苦手で、虫見に関しては、「見つけた虫を調べる」パターンがほとんど。なので、普通種でも見たことのない虫が多く、見たことがない虫のコトはさっぱりわからなかったりします。
No title
キマダラカミキリはたしかに毛並みがよさそうというか
ふさふさしていそうだなーと思っていましたが
角度によってこんなにも見た目が変わるなんて驚きですね。

リンゴカミキリ、ベニカナメモチにもいるんですか。
意外なところで見つけると嬉しいですね!
先日スイカズラがあったので
シラハタリンゴカミキリがいないかとじろじろしたのですが…
クリープのないコーヒーのほうでした…
No title
> noriさん

キマダラカミキリの模様の変わりっぷりにはビックリですね。撮った画像を見ていて、左右の模様が非対称に見えたので気がついたのですが……これほど変化するとは。

カミキリ屋さんによればリンゴカミキリはベニカナメモチにもいることがあるとか。ベニカナメモチ=ルリカミキリというイメージでいたので、リンゴカミキリが目に入った瞬間は「でかっ!」と驚きました。

去年マルモンサビカミキリを見た桑ポイントへ先日行ったら、出ていました(今、ブログ用にまとめ中)。
クリープの方は、その桑ポイントへ向かう途上や駅周辺のスイカズラでも発生しているところがあるんですよね。食痕が手がかりになると思います。

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