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赤い眼のアカスジキンカメムシ

赤い複眼のアカスジキンカメムシ新成虫

前記事のルリカミキリを撮った場所──ベニカナメモチの植込みでは、アカスジキンカメムシの新成虫もあちこちで見られた。




羽化が近いだろろう終齢(5齢)幼虫の姿もちらほら。




葉の上にとまっている新成虫を見ていて気がついたのだが、複眼が赤いものがいる。


よく見かける成虫は複眼が黒い──そう思い込んでいたので、ちょっと意外な感じがした。比較に、今年の初成虫の画像を再掲載↓。


体色がしっかり出ているこの成虫では複眼は黒っぽく見える。
複眼が赤いのは羽化後あまり時間が経っていないからだろうか? ヨコヅナサシガメやキバラヘリカメムシでは羽化直後の個体では本来黒い部分が赤かったりするが……それと同じことなのだろうか?




羽化直後のキバラヘリカメムシ成虫↓。


※【真・青リンゴの香り/キバラヘリカメムシ】より再掲載↑。
あるいは複眼が赤いか黒いかは、周囲の明るさに関係するのだろうか? カマキリの複眼は、暗くなると真っ黒になる(明るい時には小さな黒い点だった偽瞳孔=擬瞳孔が拡大する)。
しかし、アカスジキンカメムシの新成虫をみると、同じ場所で赤みが強いものと黒っぽいものが混在している↓。


同じ場所にいながら複眼の色に違いがあるということは、やはり羽化後の経過時間が関係しているのだろうか?
しかし、この画像↑では、一見右の個体の方が胸や背の体色が薄く羽化後の時間経過が少ないようにも感じられるが複眼の色は黒っぽく、前足の色も濃く出ている。画面左の個体は背の模様は色が濃く出ていて、羽化後より時間が経っているように見えるが、複眼は赤っぽく脚の色も薄い。
さらに、こんな個体も↓。


まだ体色がちゃんと出ていない──羽化後さほど経っていないと思われる個体だが、すでに複眼は黒かった。


そういえば……昨年9月に羽化を観察したアカスジキンカメムシは、羽化中すでに複眼が黒かった↓。


一転、今回みつけた新成虫の中には羽化直後から体色が出現しつつある状態でも複眼が赤いままのものもいた。


羽化直後で体色が出ていない新成虫↑。画面右には抜け殻がある。


時間をおいて見に行ってみると、模様の形がわかるほどに体色は濃くなってきていたが、複眼は赤いまま。とまっていた場所がちょっと移動して、抜け殻が消えていた。
抜け殻が消失していたのは、羽化後の新成虫による《抜け殻落とし》によるものなのか、あるいは自然に落ちたのか──この点についても興味のあるところだが、サダカなことは判らない。

あったのか?無かったのか?《抜け殻落とし》

アカスジキンカメムシでは脱皮後の幼虫が抜け殻を落とすシーンは観察したことがある。羽化後の新成虫が落としたと思われることもあった。エサキモンキツノカメムシでは新成虫が羽化後抜け殻を落とすのは2度確認しているし、ツヤアオカメムシでもそれらしい行動を目撃している。
羽化や脱皮の後に、わざわざ抜け殻を落とすのは、自分たちの生活エリアから抜け殻を遠ざけ排除するためだろう。抜け殻が残っていると寄生蜂や寄生蠅に嗅ぎつけられやすくなるとか、それをみつけたアリ達が集まってくるなど、カメムシにとって都合が悪いことがあるのかもしれない。《抜け殻落とし》にはそうした危険を回避する効果のあるのではないか……そんな想像しているのだが、周辺には落とされずに残っている抜け殻もあったりする。


《抜け殻落とし》に種としての生存率を高める効果があるのであれば、もれなく行われてもよさそうな気がするが、葉の裏に残されている抜け殻が見つかるということは、必ず行われる行動というわけでもないようだ。
新成虫の数からすると残っている抜け殻の数は少ない気はするので《抜け殻落とし》は行われているのだろうが……それが、どのくらいの割合で敢行されているのかはよくわからない。


これ↑などは、抜け殻の脚が浮いており、羽化時のポジションから動かされているのがわかる。風などで自然にズレた可能性もあるだろうが、抜け殻落としが行われたが、ひっかかって完了しないまま放棄された感じに見えなくもない……。

《赤い眼の謎》も《抜け殻落とし》も、ちょっと気になっているアカスジキンカメムシである。


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コメント

No title
抜け殻って落とすんですか?カメムシの脱皮は去年初めてみましたが、不思議ですよね。脱皮しながら模様が変化していく。
興味は尽きませんね。ナイス!
No title
> 四季の風さん

昆虫の脱皮や羽化は不思議ですね。知識としては知っていても、実際に目の当たりにするとスゴイことをしているなぁ! と感心してしまいます。

カメムシが脱皮や羽化したあと抜け殻を落とす行動を僕は何度か見ているので、それには何か意味があるのだろうと考えています。
期待しつつ見ていたのに羽化後、ぬけがらを落とさないカメムシもいたので、種類や個体によっても違うのかもしれませんが。
No title
こんにちは・・・
カメムシの色彩の違いは、個体変異もあるのでしょうか?私には全く解りませんが、長年をかけて行われる遺伝子の起こす進化の過程の一環なのでしょうか?・・・???

そう言った意味では、抜け殻落としも、ひょっとすると遺伝子に組み込まれた種の保存、生き残るための本能!?
そう考えますと、カメムシに対する見方や観察の仕方が、これまでとは少々異なり、より楽しく興味深いものに成って来ますね!

赤い眼のカメムシと黒い眼のカメムシ・・・
どちらがより多く生き残ることができるのか?
まだまだ虫の世界は激しい進化の過程なのでしょうか?

今回も、非常に興味深い考察を拝読、楽しませて頂きました・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

アカスジキンカメムシの赤い眼──きっとやがて黒眼になるのだろうと思っていたりするのですが……それともルビーアイのまま定着する個体もいるのか……今後、ちょっと気をつけて見てみたいと思います。

羽化の時点ですでに赤眼と黒眼があるのは、単に個体差なのか……複眼の色はみな同じだろうと思い込んでいたことに今回気がつきました。
No title
脱皮直後の新成虫って、色が全然違うんですね~。
触ったらふにゃっと柔らかそうです。
ヨコヅナサシガメは最初あんなに真っ赤なんですね。
知りませんでした。
この記事を読まずに見つけたら、「アカサシガメだ~」とか
間違えてしまったかもしれません。。。
危なかったです。汗
No title
> noriさん

脱皮や羽化の直後──体色が違うとイメージもずいぶん違うことがありますね。以前、擬木で脱皮直後の白っぽい虫をみつけ、「おっ、初めてみる種!?」とテンション高めでシャッターを切り続けていたところ……「もっ、もしやコレ、ゴキブリ!?」と気づいてガッカリしたことが(笑)。黒ければすぐに判ったハズが、脱皮直後で白かったためにイメージが結びつきませんでした。

ヨコヅナサシガメは4月の後半頃、あちこちのサクラの幹で羽化しているのを見かけます。この時期、集団でいることが多いのですが、そのなかで何匹かが羽化中or羽化直後で赤いので、その目立つこと……。
真っ昼間にあの鮮やかな赤は、いくらなんでも目立ちすぎるだろうに……と、いつもその時期になると思います。

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