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覚めぬ夢・夢の中の夢のハナシ


▲フェレット漫画https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-47.htmlより
※本文とは直接関係ありません。

眠らぬ男・覚めぬ夢・夢の中の夢のハナシ

睡眠や夢というのは、誰もが日常的に経験しているあたりまえの現象だ。しかし、あらためて考えてみると色々と興味深い。面白いテーマなので以前も記した事があるし、夢をモチーフにした掌編を書いたこともある(*)。
今回も気ままに夢の話を記してみる。

以前「眠らぬ男」のハナシを考えたことがある。ヒトは皆、眠る。ヒトのみならず動物は眠りの支配から逃れられない。なのに、その男だけがその支配の外にいて、彼はもう何年も眠っていなかった。いったい、どうして眠らずにいられるのか……それは男がいるのは夢の中だったから──というオチ。男は病気あるいは事故が原因で覚醒せずに眠り続けていた──男はその間、ずっと夢の中にいたので、(すでに眠っているのだから)眠らずにいても平気だったというハナシ。
「眠らぬ男」は「覚めぬ夢の中にいた」というのがオチだったわけだが、こんな着想を得たのは、次のような経験があったからだ。

《絶対に遅刻が許されない状況》というのは誰もが経験したことがあるだろう。万が一にも遅れたりしたら一大事──大きなプレッシャーを抱えつつ、前夜は「決して寝坊をしてはならない」と心して就寝についた。しかし目が覚めて時計を見ると……なんと寝過ごしているではないか! あわてて家を飛び出し目的地へ急ぐ。だが、その途上……何か変だと気づき始める。見たことがないものが目の端をかすめ……「今のは、妖精じゃないか!?」と足が止まる。「ということは、これも夢!?」「(目的地に向かっているつもりで)まだ寝ているのか俺は!?」と激しく動揺し、ハッと眼が覚めた。
「ああ、ビックリした」と改めて準備し出かけるが……なんだか違和感がある。目的地に向かいながら、「もしかして……これも夢なんじゃあるまいか」と疑念にとらわれる。確かめるために自分の頭を叩いてみるが……力が弱いのか、よくわからない。そこで思いっきり殴ってみる……と、全然痛くない! 「やっぱり、まだ夢の中か! 俺はまだ眠り続けているんだ!」と青くなった。「早く目を覚まさなくては!」とアセりまくるが、どうやったら覚醒できるのか、その術がわからない。眠っている自分を蹴飛ばしてでも起こしたいところだが、夢の中からでは、どうにもならない……。夢の中で「これは夢だな」と自覚する事はたまにあったが、夢と自覚しているのに目覚めることができない夢は初めてだった。
夢の出口を探してジタバタ走り回り、「起きろってば! オレ!」と念じてみたりするが、いっこうに夢から脱出することができない。「このままずっと夢の中に閉じ込められてしまったら、どうしよう……」という不安&恐怖がこみ上げて来た……。

結局この時は夢の中で散々あがき続けた結果、ようやく金縛りが融けるように眼を覚ますことができた。寝ぼけながら「急がねば!」とあわてふためき、《絶対に遅刻が許されない状況》自体が夢の中のハナシだったことに気がついて、ようやくホッと安堵したのだった。

考えてみれば「夢の中でそこは夢の中だと自覚しているのに、覚醒できない(現実側の肉体とのリンクが切れている状態)」というのは、「意識は目覚めているのに体は眠ったまま動かす事ができない」いわゆる「金縛り」の延長現象のようなものといえるのかもしれない。

夢を見ている間──意識が夢の中の仮想肉体にあるときは現実側に残して来た肉体(実体)とのリンクは切れている。夢の中での行動が、現実側の体でも再現されてしまったら大変なわけで、この睡眠時のリンクOFFシステムはもっともなことだろう。
「金縛り」は「意識が夢の中から現実側に帰還したのに(まだ)肉体とのリンクが復帰しきっていない状態」のことだろう──そう僕は解釈している。
この「金縛り」以前──意識がまだ夢の中にあるうちに(現実側の肉体とのリンクが切れた状態で)、自分は眠っている事を自覚し、覚醒しようと(現実側の肉体を動かそうと)やきもきした──というのが、この夢だったのではないか。

この「目覚めることができない夢」で感じた「このまま夢の中に閉じ込められていたら……」という思いが、「覚めぬ夢の中にいて(だから)眠らない男」という着想につながったのだろう。
「眠らぬ男」という着想を得た当時、僕は「夢の中では眠らない(眠くならない)」ものだという認識でいた。

ところが、その後、「眠くて眠してしかたがない」という夢を見た。覚醒後、「眠っているのに──夢の中で眠いと感じることもあるのか……」と意外に思った。これは言ってみれば、「食べてる最中に空腹感にみまわれる」ようなものではないか──そう考えるとなんだかヘンな気がする。
そしてつい最近も「眠くて眠してしかたがない」夢を見た。夢の中では疲れ果てていて、壁にもたれかかると、そのまま意識が遠のき眠りに落ちてしまいそうな激しい睡魔に襲われていた。一刻も早く帰宅して横になりたいと思うのだが、それまで持ちこたえられるかどうか……エネルギーを使い果たしたレインボーマンを襲う「ヨガの眠り」あるいはマンガ『おろち』の主人公に訪れる「100年に一度のねむり」を思わせる猛烈な睡魔だった。
夢の中で家まで帰り着けたのかどうかは覚えていない。ただ激しい睡魔におそわれていたことはハッキリ覚えていて、このときも覚醒した後、「眠っているのに、どうして眠くなるのだろう?」と首を傾げた。
夢を見るのが《浅い眠り》のレム睡眠であったとすると、レム睡眠の中にあって更に《深い眠り》のノンレム睡眠を欲していると「夢の中での眠気」になるのだろうか? その後の展開を覚えていないのはノンレム睡眠に移行して夢がそこで途切れたからとも考えられる。

最近の「眠くて眠してしかたがない」夢を見た状況をふり返ってみると……花粉症が強く出ていて、鼻がつまり息苦しく安眠できない時だった。僕はこの時期、花粉症の予防薬を服用しており症状はだいぶ緩和されているが、それでも花粉が多く飛散した日には症状が強く出ることもある。また底の減った靴で歩き回り、足の裏に疲労感が残っていた時でもあった。そうした休息したい(眠りたい)状況で、眠りについたものの、つまった鼻で呼吸するのは疲労感が蓄積する……安眠感が得られないために、夢の中でも安眠を強く欲し、それが「眠気」という形になったのではなかろろうかと解釈している。

さて。夢のエピソードや眠りと覚醒の狭間で起こる金縛りについては自分なりの解釈で思うところを過去にも記しているが(*)……目覚めのエピソードで思い出した事があったので、ついでに記しておくことにする。

僕は目覚めは良い方で、タイマーをセットしておくと大抵そのちょっと前に目が覚めるのだが……以前ベル式の目覚まし時計を使ってたとき、その音で目覚めた事があった。ジリリリリ……とけたたましくベルが鳴り響くやいなや、ガバッと飛び起き、間髪入れず目覚まし時計をむんずと掴んだ(ベルをたたくハンマーをおさえると音もとまる)。瞬時に行動を起こしたところだけみると「目覚めが良い」感じもするが……脳みそはまだ半分眠っていたのだろう。掴んだ目覚まし時計をおもむろに耳元にあてて「はい、もしもし……」。そのあと「はて、自分は何をしているのだろう?」と寝ぼけた頭で考え、目覚まし時計と電話を間違えたことに気づくと自分でも笑ってしまった。

また、てのひらの中で縮れた輪ゴムがほぐれていくような感触を感じて目が覚めたことがある。眠っている間に無意識に布団の中で何かを掴んだらしい。
にぎった掌の中では「輪ゴムの感触」が続いている。はて、何だろうと思い布団から手を出し、握っていたこぶしを開いてみると……クロゴキブリが飛び出し一目散に走り去った! ゴキブリも慌てたろうが、こっちもビックリ──眠気が一気に吹き飛んだなんて事もあった。

夢の最中はもちちろん、夢入り際・目覚め際にも、色んなコトが起こるものだ。
夢はフシギでおもしろい。

*つれづれに夢の話(※夢がもたらすインスピレーションなど)
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-227.html

*金縛り考
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-215.html

*ヒトはどうして眠るのか?~ロボットの反乱&自意識の覚醒
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-465.html

*チョウのみた夢~善意の報酬~(※夢を扱った掌編ファンタジー)
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-82.html

■エッセイ・雑記 ~メニュー~
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-130.html

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コメント

No title
夢で私は不思議なことが一つあります。ときどき足をふみ外したりする夢をみます。でも足をふみはずす動作を体がする前にちゃんと足を踏み外すような夢を見ます。
足を踏み外すような夢を見た結果、足をガクンとさせるのか。そうじゃなくて、足を踏み外すのは突然でそれを予感してないと思うのに、きちんと足を踏み外すような状況になるのを夢見るのは人間の予感、超能力にようなものか?と思ってしまいます。
No title
> 四季の風さん

ちょっとよく判らないのですが……、
眠っている間は、体は弛緩して「リンクOFF」になっていると僕は解釈しています。が、いくらかは反影していて、寝ながら立てた膝が倒れると夢の中に「踏み外した」感となって反影するようなことはあると思います。
夢の中での足を踏み出す動作が実体にも反影して足を踏み出すような動作となり、実体の足が空をかく格好になると、夢の中にバランスを欠いた感覚が反影して「足をふみ外した」夢になるのではないでしょうか?
No title
若い頃はよくトイレに行く夢をみました。オシッコを出しても出しても終わらない。長い時間かかって出して、部屋に戻るとまたもよおしてくる。あ、これは夢だからおさまらなかったんだ、と目が覚めてトイレに行くとまた長い時間かかる。そしてまた夢だと気づいて目を覚ましてからトイレに行く。というループをくりかえして本当に目が覚めてトイレに行く、という具合です。最近は眠りが浅いので、1ループで目覚めます。幼少期の頃はちびってしまうので、ループなしでした。
No title
> 佛生山孝恩寺さん

トイレ起きの疑似覚醒夢というパターンがありましたか! なるほど、考えてみれば、ありそうな。
【つれづれに夢の話】でも記しましたが、夢の中でトイレを探すというのは皆さん経験あるようですね。僕は「ようやくみつけたトイレはマトモではなくて安心して用が足せない」パターンが多く、しかたなく他のトイレを探しているうちに目が覚めるといった次第です。
夢の中のトイレで用を足してしまうとオネショという事態になりかねないので、それを回避するために無意識的に(?)夢がそんな(マトモじゃないトイレという)演出をするのだろうと考えていました。
やっぱり幼少期には夢の中で用を足して失敗するというコトがあるのですね……。
No title
こんにちは。
つい最近観た映画「インセプション」が思わず頭に浮かびました。
潜在意識と夢との関係、解明される日はくるのでしょうか、それとももう解明されているのかな。^^
No title
> 凛ささん

我々は自分が自覚できる範囲──意識の中で生きているつもりになりがちですが、意識(自覚)できているのは脳の活動(心?)のほんの一部。
眠っているときは意識の支配が弱まっているから、普段は意識化されずにいる無意識・潜在意識が浮かび上がってきやすい──それが夢に反影されるんでしょうね。
夢は意味深でエモーショナル……色々考えてみると、おもしろいですね。

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