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ヒロバフユエダシャクとシロフフユエダシャク

ヒロバフユエダシャクとシロフフユエダシャク



もうそろそろ見られる頃だと思っていたヒロバフユエダシャクが出てきた。これ↑が今シーズン初のヒロバフユエダシャク♂。♂が出てきたのだから、♀も……と期待していると──いた↓。


今シーズン初のヒロバフユエダシャク♀↑──だったのだが、ちょっと、おかしい。ヒロバフユエダシャク♀は後述のシロフフユエダシャク♀と違ってびしっと翅を広げた姿が凛々しくて好きなフユシャク(冬尺蛾)なのだが……この個体はその翅の開き具合が変だった。よく見ると右後脚の先端も欠けている。撮りづらい場所だったので移動しようとすると擬死状態に↓。




動かないのをいいことに、顔(頭部腹面)のアップを撮影↓。


フユシャクの多くは口吻が退化していて成虫になっても餌をとらないらしい。
とりあえず、今シーズンもヒロバフユエダシャクの♂・♀両方の発生を確認。ちなみに去年は2月9日に初ヒロバフユエダシャク♀を見ている(*)。ならば他にもいるだろうとサクラを中心に探してみる。ヒロバフユエダシャクはこれまで擬木や柵でも見ているが、サクラの幹での発見率が高い。そして狙いどおりに──↓。


桜並木のサクラの幹にとまっていたヒロバフユエダシャク♂↑。雑木林のサクラでも↓。


そして同じ林の別のサクラでヒロバフユエダシャク♀を発見↓。


やはり4枚の翅をびしっと広げている姿は凛々しい。90度回転した画像↓(頭が上)。


よく見ると、この個体は前翅の先端がアメリカンカール(ネコ)の耳のようにわずかにカールしていた。






フユシャクといえば冬にだけ現れる蛾で、《♀の翅が退化している(飛翔能力がない)》ことが特徴の1つだが、翅が完全に消失してしまった種類のフユシャク♀は一見、蛾(成虫)に見えない。「蛾」だとわかる程度の翅があって、なおかつ退化していることがわかる程度に小さな翅であった方が、その特徴がわかりやすくて好ましい──などと個人的には思ってしまうのだが、そういった意味でヒロバフユエダシャク♀の翅はフユシャク♀の特徴がわかりやすく、《フユシャク♀らしい》良いモデルだと思う。


ところでこの【ヒロバフユエダシャク】同様、やはりこの時期に同じ場所で見られるフユシャクに【シロフフユエダシャク】がいるが、両者の♂の違いが以前はよく判らなかった。先のヒロバフユエダシャク♂と同じ日に同じ林のサクラの幹にとまっていたシロフフユエダシャク♂↓。


シロフフユエダシャクは今の時期、よく見られるフユシャク。この日も桜の幹で何匹かみつけている。ヒロバフユエダシャクよりも多い。
撮影したフユシャク♂が、ヒロバフユエダシャクなのかシロフフユエダシャクなのか、当初は判別がつかなかった。翅の模様(線)の入り方が両種とも似ており、この形の違いがどこにあるのか着目したのだが……翅の模様には個体差(変異)があって識別ポイントがよくわからない……。
ネット上の画像を見比べている時はよくわからなかったのだが、実際に両種を見てみると、ずいぶん印象に差があることに気がついた。
大きさには個体差があるのだが……パッと見た感じ、ヒロバフユエダシャク♂はシロフフユエダシャク♂よりも大きい。そして翅が丸みをおびてフォルムがふっくらしている。これに対してシロフフユエダシャク♂は前翅の前縁が直線的もしくは反っていてシャープな感じがする。翅の模様(線)は似ているが、翅の形から受ける印象がずいぶん違う。
ということで、桜の幹にとまっていた両♂の比較↓。


そのシロフフユエダシャクの♀の姿は、こんな↓。


♂の模様には変異があるが、♀も個体によって印象に差がある。




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コメント

No title
こんにちは(^o^)
こちらはフユシャク類の観察は今年は諦めているので羨ましいです(^_^;)
観察ポイントに大規模な桜並木があったのですが、去年の台風で数本が倒れて被害が出た為に去年の晩秋より、若木に植え替える為に伐採されてしまいました(/。\)
桜にもフユシャクにも罪は有りませんが残念な限りです。
No title
> キヨカズさん

こちらでも、いい感じの桜の古木がだいぶ伐採されて、この冬は見られる虫がずいぶん減っているように感じます。サクラだけでなく遊歩道沿いの木が切られたり大胆な剪定が入り、擬木沿いの植込みの中の落葉も撤去され、過剰な緑地管理が影響しているようにも思えてならないのですが……。
観察ポイントに手が入ってしまうのは残念ですね。
No title
こんばんは・・・
ヒロバフユエダシャク♀・・・カッコいいですね~!
退化の様子を想わせる♀の翅にゾクゾクさせられます。

ヒロバフユエダシャク♂とシロフフユエダシャク♂をこういった形で比べてみますと、その違いが分かり易くて大変参考に成りました!(と言いましても、私はフユシャク自体に出会えてないのですが・・・)
つい、模様の違いにばかり目が行きがちですが・・・
翅のフォルムにしっかりお気づきになるところが素晴らしいですね!

・・・虫探し散策に出掛けたくてウズウズして来ました・・・☆
No title
ヒロバにシロフ、いい加減な私には難しすぎる(~_~;)
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

ヒロバフユエダシャク♀は、退化した小さな翅をビシッと広げている姿がお気に入りで、見つけると、ついテンションが上がってしまいます(笑)。
♂は最初、シロフフユエダシャクとの違いを翅の模様に見いだそうとしたのですが、よく判りませんでした。ネットで絵合せをしようとすると、つい模様の違いを探してしまいがちですが……実際に見てみると全体のフォルムの印象がけっこう違うのだと実感しました。

先日はオオイヌノフグリが咲いているのに気がつきましたが、もう少しすると虫たちが動き出す季節ですね。
No title
> skittoさん

フユシャクは生態が面白いので注目しているのですが……種類を見極めるのは難しいのも少なからず……。
ヒロバフユエダシャクとシロフフユエダシャクの♂はネット上の画像からは違いがよくわからずにいました。で、実際に見てみて「ああ、そういうことか」と納得したしだいです。
画像にするとディテールはよくわかりますが、実際に見た時の印象も大事だなと気づかされました。
No title
ヒロバフユエダシャクとシロフフユエダシャクの違いが並べて頂くとよく分かります。
実は、先日東京に住む娘から「マンションの壁にいたんだけど、この蛾の名前なんていうの?」ってメールがきました。
ヒロバフユエダシャクを見たことがない私はシロフフユエダシャクと教えてしまいました。
今、娘の写真を見ると翅の形が明らかにヒロバフユエダシャクでした。
いつもですが、勉強になります。
ありがとうございました。
No title
> ピンちゃんのママさん

ヒロバフユエダシャクとシロフフユエダシャクは単独の画像で見るとまぎらわしいですね。僕も模様だけに注目していたときは違いがよくわかりませんでした。

実際に見てみると、画像だけ見ていた時にはわからなかった印象の違いに気づくことがありますが、ヒロバフユエダシャクでは特にそうでした。
No title
きょうは訪問いただき、その上、カメムシの名前まで教えていただきましてありがとうございました。
こちらで勉強させていただきますのでよろしくお願いします。
No title
> 帆立のnekoさん

僕も詳しいわけではないのですが……オオトビサシガメは、こちらでもよく見かけるもので。
ちなみに、オオトビサシガメのバナナ臭については以前、確かめてみたことがあります↓。
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/36424207.html

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