ビデオテープの時代


僕が初めて購入したビデオデッキ(ビデオテープレコーダー)はβ方式だった。これ↑は当時ビデオテープに録画したテレビ番組の内容を記したノート。後で確認したいシーンを探し出しやすいように、登場する動物種を順番に書き出していた。
家庭用ビデオデッキが登場する以前は、せめて音声だけでもとテープレコーダーで気に入ったテレビ番組を録音していたなんてこともあった。昔はテレビ番組は見逃してしまうとそれっきり。だから見たい番組はキアイを入れて視聴していた。
それが「録画」できて、好きな時に何度でもくり返し見られるというのだからスゴイ!──ビデオデッキは夢のような機械だった。ターゲットの番組があると、撮り逃すことが無いように放送時間の前からテレビの前に待機。カウントダウンするような気持ちで放送が始まるのを待ち受けていたものだ。当時はまだビデオデッキのリモコンもワイヤレスではなかった(ケーブル・コードで本体とつながっていた)。ビデオテープも高価だったため、録画時間を節約しようと(&再生時の利便性も兼ねて)、手動でCMカット(一時停止/解除)しながら録画していた。今から考えれば煩わしいが、当時は「テレビ番組を録画保存できるとは、なんと便利な機械だろう」とその機能にすっかり満足していた。
録画内容の整理ノートからも判るようにテレビ番組を録画したビデオテープはたまっていった。録画機も、β方式→VHS→S-VHS→8mmビデオ→VideoHi8へと変遷していったわけだが……その過程の中で、番組録画のみならず、自分で撮影できる家庭用ビデオカメラが登場する。
そんな8mmフィルム時代を経験してきているから、1本のテープで(標準モードで)2時間も撮影ができ、撮影した映像をその場で確認することができ、そのうえ撮り直しもできる、しかも現像代もかからないビデオカメラは、これまたスゴイ製品だった。


ビデオテープの形式がβ→VHS→S-VHS→8mmビデオ→VideoHi8へと推移したことは前記の通りだが、さらにDVDやBD、HDDへと記憶媒体も変化していった。
カセットテープの時代
話は前後するが、「映像」を記録する装置の前に「音声」を記録する装置──テープレコーダーがあった。僕が子どもの頃に初めて我が家にやって来たのはオープンリールのテープレコーダーだった。装置自体もかさばるし、録音・再生する時のテープのセッティングが煩わしい。その後登場したコンパクトなカセットテープを使うラジカセはラジオ放送を録音できたりレコードプレーヤーと直結できて画期的だった。音声の再生専用装置としてはそれ以前からレコードプレーヤーがあったわけだが、好きな曲だけをまとめて聞くにはカセットテープにまとめる必要があった。またレコードは傷つきやすく取り扱いに神経を使う。友人の中には同じレコードを2枚ずつ買っていた者もいたくらいで、なるべくラジカセで録音したテープを聴くようにしていた。
掌編童話『雨の日の通信』のイメージ画(後に僕が描いたもの)と、「ミッドナイト東海」で放送されたラジオドラマを録音したカセットテープ&ケース↓。


当時主流であったカセットテープも、使い続けていると時々巻き込みトラブルがあってダメになることがあった。録音できる容量(時間)も今の記憶媒体に比べればずいぶん少なく、安泰の記憶媒体ではなかった。
再生専用メディア(記憶媒体)であったレコードはその後登場したCDにとって変わられることになるが、そのCDも、今では(楽曲もインターネットでダウンロードできるようになったため?)需要が減っているらしい。何年か前にCD店がずいぶん少なくなっていることに気がついて驚いた。かつては町のあちこちにレコード店はあったものだが……時代の流れを実感する。音声の記憶媒体も移り変わっていった。
ワープロの時代
ところで、冒頭のビデオノートの記述もカセットテープの内容の記載も僕の肉筆。当時はまだ日本語ワードプロセッサもなかった時代。今でこそ文書の作成はパソコンやスマホ等でのタイプが当たり前だが、当時は肉筆で一字一字記すしかなかった。僕には同人誌活動をしていた時期があるが、自分が書いた作品を活字化することにはあこがれがあった。しかし実際に同人誌を作るとなると、活字を組むにはお金がかかる。そのため、オール手書きで同人誌を発行していたこともある。
《窓》は僕が主宰した同人誌で本文は墨一色、手書きの文字とイラストだった。その《窓》第2号と、読者からの便り&返事を紹介したページ↓。


このページ↑をは全て僕が描いた。字は書体を変えて記している(返事の内容は同人メンバーS氏の文章だが、文字は僕が記したもの)。
僕は元々字は汚かったのだが……同人誌を手書き文字で作る必要から、よそ行きの清書は「字を書く」のではなく「記号を描く」つもりで一時一時丁寧に記すようにしていた。しかしこれは時間&労力を要すものだった。
なので、日本語ワードプロセッサなるものの存在知ったときには激しく羨望した。その頃は1台数百万円もする高嶺の花だったのだが……わずか数年のうちに低価格化と普及が進み、僕もついに憧れのワープロを手にする日が実現する。手軽に文章を作成したり編集でき、しかも活字でプリントできるのが嬉しくて、個人紙・個人誌を作ったりした。そこでイタズラ書きから誕生したのが小説版ミラクル☆スターで、その後ビデオでの映像化へとつながったわけである。


※ミラクル☆シリーズさくっと制作経緯より
ところが……羨望の最新機器であったワープロ専用機自体も、廃れるのは早かった。パソコンの普及によって既に絶滅……ワープロ時代に使っていたフロッピーディスクも化石化してしまった……。
「より便利なもの」より「長く使えるもの」を
ビデオテープやカセットテープ、フロッピーディスク等に記録したものは多い。冒頭のノートを見ると、収集や整理に時間やお金(記憶媒体代)・労力をつぎ込んでいたのがわかる。しかしそうしてコツコツ蓄積してきたデータが、記憶媒体の変化によって(現役の再生機が残っていないため)利用できない状態にある。けっきょく一番長く安定して利用できているのは最古参の紙媒体だ。便利なはずの最新記憶媒体がどんどん衰退・絶滅して行くのをみてくると、再生装置が無くても(ヒトが標準装備した器官のみで)再生(見たり読んだり)できる紙媒体の優位性が改めて実感される。
これからも便利な道具はたくさんでてくるだろうが、僕が切望するのは「より便利なもの」よりも「長く使えるもの」だ。記憶媒体は長く保存&再生(利用)できることが、何よりも大切なはずだ──僕はそう考えているのだが、最古参の紙媒体に勝るメディア(記憶媒体)はでてくるのだろうか。
*テレビが終わる日
●ミラクル☆スター~実写版~※ひとりで撮ったスーパーヒーロー・アクション
●ミラクル☆キッド~実写版~※小学2年のスーパーヒーロー誕生
◎ミラクル☆シリーズさくっと制作経緯
●ファンタジー童話『雨の日の通信』
それにしても監督として大活躍だった歴史を覗かせていただきました。尊敬申し上げます。去年の秋にリフォームしたときにビデオとカセットは処分、CD,DVDは残っています。今はハードディスクですが壊れるという心配もありますが、その時はその時、死んだらあの代に持ってはいけませんしね。
大変興味深いお話でした。ナイス!
只々、ため息です・・・「凄い!」
ただ、その一言につきます!!!
発想力と言い、絵画、文才、創作力、運動機能・・・
「全てが、ずば抜けてます!」
ですから・・・
私、一ファンとして!ねっ!以前の様な疑問が湧いて来るわけですよ!
特に、星谷さんのお書きになる、ファンタジー・・・
あれを雨の日に、しっとり読み聞かせる!
「お母様方!是非、お勧めいたします!!!☆」
テクノロジーの進歩には驚くばかりですね。ただ、おいしい商品も意外に賞味期間が短いことに不満を感じています。
あれこれ感じること・思うことを記しておこうと思って、雑感を記事にしてみました。
いやいや、全て我流なもので……画力や運動能力は優れた人にはとてもおよびませんです。
ファンタジーは、日常を舞台とするものが好みで、現実と幻想の融合ということで──密かにフュージョン(融合)ファンタジーと呼んでいます(笑)。
8mm(フィルム)カメラも当時は画期的でしたね。当時は多くの人が使っていましたが、そのフィルムが今はどうなっているのか……メディアの移ろいに憂いを感じます。
テレビ番組には多くの人が同じように感じていると思います。制作側もわからないはずかないと思うのですが……それでも目先の視聴率にとらわれざるを得ない(?)テレビ界の硬直化はいかんともしがたいと感じて見切りをつけました。
最近の生き物番組(特に民放)はひどいですね。こどもたちが好きで見てますが、あの引っ張りかたは何とも…
なので録画して見るよーにしてます。
そーいえば録画機器の自動CMカットもいつの間にか消えましたね。聞いた話だとやはりCMカット機能には圧力的なものがあったとか…
メディアとは少し異なりますが、一眼もデジタルになり家電化しましたね。世代交代も早いし、値下がりも…
私のボディも買って一年で半値くらいまで下がりました(^^;)
僕も昔は生き物番組をよく見ながら録画していたのですが、バラエティー化した頃から観るのにストレスを感じるようになりました。生き物の生態をそのまま紹介してくれればいいのに……もったいつけたクイズ形式にしたりタレントを出演させたり──いらない演出ばかりが増えていった気がします。
一時は生き物のシーンだけ録画したり抜き出して編集していたのですが、好きなジャンルをストレスを感じながら観るのが嫌になって足を洗いました。
デジカメの家電化は普及率をだいぶアップしたでしょうね。
僕も昔は(フィルム時代)一眼レフを持っていてたのですが失敗ばかりで苦手意識を植え付けられました(笑)。本体もお手頃価格でフィルム代・現像代がかからないデジカメがなければ、僕は虫撮りしていなかったかもしれません。


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