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2015年末のフユシャク

イチモジフユナミシャク♀

2015年最後の週に撮ったフユシャクを年越し前に投稿しておくしだい。
まずは、前の記事でも紹介したイチモジフユナミシャク。狭山丘陵界隈では12月下旬あたりが旬──この時期になると、年季の入ったサクラがあると幹や周囲の柵などをチェックしてしまう(僕の経験ではサクラでの発見率が高い)。


やはり桜の幹で別個体↓。


さらに別個体↓。腹の大きさ(持っている卵の数?)には個体差があって、翅と体の対比も変わって見える。


毎年、苔むした桜が多いポイントでサクラッチ(桜ウォッチ)をしてきたが、その場所では、最近は大胆な剪定や伐採が増え、その影響か以前に比べるとフユシャクの発見率が落ちている気がしないでもない。上の3匹は少し離れた桜並木の苔むしてない幹でみつけた。
擬木の上にいたイチモジフユナミシャク♀↓。




この個体↑は翅が淡いブルーだったが、若干鮮度が落ちてきた感じがしないでも無い。
やはり擬木にいた別個体↓。キレイで鮮度は高そうだが、翅の青みが薄く、白っぽく見える。




同♀の翅↓。


イチモジフユナミシャク♀の翅は青みを帯びた前翅の前縁下から白い後翅の前縁がのぞいていることも多いが、外側の縁は前翅・後翅ともそろった位置にあって、後翅外縁は前翅外縁からはみだしていない。

ナミスジフユナミシャク♀



イチモジフユナミシャク♀の色違いのようにも見えるが、腹の背面の模様が無いので違和感があった。


ナミシャク亜科のフユシャクは6種類だそうだが(フユシャクは、エダシャク亜科・ナミシャク亜科・フユシャク亜科にまたがっている)、他の5種類ではなさそうなので、ナミスジフユナミシャクではないかと判断。ナミスジフユナミシャクは個体変異の差が大きいようで、一度オオナミフユナミシャクとコナミフユナミシャクの2種に分けられ、その後再統合されるということもあったらしい。


腹側面の円模様はイチモジフユナミシャク♀に似ているが、重なった前翅と後翅を見ると、後翅の外縁が前翅の外縁より外側にはみ出している。

チャバネフユエダシャク♀



とりあえず、ホルスタインことチャバネフユエダシャク♀も見られるということで。同じ頃に出現し始めたイチモジフユエダシャクは見かけなくなったが、チャバネフユエダシャク♀はまだしばらく(?)みられそうだ。

フユシャクの産卵





フユシャク亜科のフユシャク♀が擬木に産卵し始めていた。シロオビフユシャクかクロバネフユシャクあたりではないかという気もするのだが、よくわからない。以前に観察したことがある(*)のと同じ種類だと思うが、産卵しながら卵を腹端の毛で覆っていくタイプ。まず卵だけを産みつけてから毛で覆うのではなく、卵を産みながら毛のコーティングも併行して行く。卵を含む一層目を生み終えた後も、腹端をこすりつけ「被毛の上塗り」をくり返していくはずだ。
経緯を記録したい思いもあったのだが、デジカメの電池がすでに残り少なく、時間もなかったので切り上げる。
翌日、卵塊を確かめに行ってみると──まだ母蛾は「被毛の上塗り」をくり返していた。








産卵開始してまもない頃──きのうは(卵がつまって)大きかった腹はすっかり縮み、腹端の化粧筆のようだった毛束もかなり貧相になっていた。母蛾がこれだけ労力を使って被毛コーティングを行うのには、乾燥防止・防寒・寄生蜂対策などの意味があるのではないかと想像しているのだが……とにかく、母蛾にとっては1日がかりの産卵&仕上げは大仕事だろう。
毛羽立ったフエルトのような表面は時間が経つと膜のようになり、その膜に穴を開けて幼虫が出てくるはずだ(*)。
近くには、すでに大仕事を終えた別個体♀がいた。




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コメント

No title
私は年内のフユシャクネタを出し切ることはできませんでした(笑)
年内最後の記事はフユシャクで〆ることができそーです(現在写真整理中)。

その個体はイチモジ黒化型っぽく見えますね。
私も多く見ている訳ではないですが、ナミスジにしては翅型が異なるよーに見えます。

年明けの初フユシャクは何になるか、楽しみです(^^)
No title
> ともっくさん

フユシャクの記事、楽しみにしています。

ナミスジフユナミシャクではないかと判断した♀は、イチモジフユナミシャクっぽいですか?
イチモジフユナミシャクに黒化型があるというのは聞いたことがあって、それも視野に入れてはいたのですが違和感があって……前翅と後翅の長さの違いからイチモジフユナミシャクとは別種だろうと考えました。その一方、ナミスジフユナミシャクとする積極的な決め手もよくわからず……消去法で、変異が大きいナミスジフユナミシャクなのかなぁ……という判断に至った次第です。
ても、イチモジフユナミシャクでも前翅と後翅の長さに変異があるとすれば、そうなのかもしれませんね。もう少し調べてみたいと思います。
No title
すごい!、最近星谷さんの影響か、よく木の肌を見るようになりましたよ。ナイス!
No title
> 四季の風さん

何かおもしろいものが見られると良いのですが……。
注意していると見えてくるもの、注意しないと見えないもの──って、けっこうあるように思います。
No title
こんばんは・・・
結局、今年はフユシャクの仲間に出会えず終いでした・・・
(今年こそ、交尾のシーンを目にしてみたかったのですが!)

虫の生態に興味津々です!
本能とは言え?♀が自分の腹端の毛で卵を覆う行動には、感動さえ覚えます!
種を守ろうとする生物の行動の根本?を観てる様で・・・
不思議はもちろんの事!
ロマンさえ感じます・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

フユシャクはまだ見られる種類もあるし、これから出てくる種類もあるので、出会いのチャンスがあるといいですね。

フユシャク亜科の♀では、この被毛コーティングがけっこうザツな種類もいて(卵が毛の間からけっこう露出している)、そんな卵に寄生蜂とおぼしきのが来ている光景も見た事があります(それで、念入りにコーティングする意味があるのではないかと思うようになりました)。
この念入りにコーティングする種類は──虫の本能とはいえ、感じるものがありますね。そばでカメラを向けているのに──本来なら(自分を守るためには)逃げ出してしかるべき状況なのに一心不乱に「仕上げ」を続ける姿は健気に見えます。

気をつけて見ないと気づかない世界にも、感動があるものですね。
No title
こんにちは。
そちらでは擬木などでフユシャクがまだ見られるのですね。こちらでは、戸外の昆虫はほとんど見られません。2月頃になると、クロカワラはよく見られます。
ナイス!
No title
> バタフライさん

こちら(狭山丘陵)の擬木では、1年いつでも何かの虫は見られます。きょうは擬木ではなく柵でしたが、ニホントビナナフシがまだ頑張っていました。
フユシャクは種類は入れ替わりますが、冬の間ずっと見られますね。
No title
ん~~~やはり、狭山丘陵ですか~!
今年はゼヒ廻る回数を増やしたいと思っています。
去年は年末ギリギリになってやっとフユシャクに出会ったのですが、それまではどうなっちゃったんだ???と言うくらい見つけられませんでした。
まぁ、コチラは擬木が少ないことは確かなのですが、廃材や伐採木の所は、全て…カミキリも蛾も、空振りが続いています。
No title
> cha*ele*n_a*ms_*l*eさん

こちらではイイ感じの桜の古木がけっこう伐採されて、フユシャクの発見率も落ちてきた感じもしますが……比較的色々な虫が見られる気はします。
僕が歩く虫見コースでは擬木が6キロほど続いているので、たいてい、どこかに何かはいる……といった感じです。

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