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エサキモンキツノカメムシの抜け殻落とし他

エサキモンキツノカメムシ:羽化後の《抜け殻落とし》

擬木で羽化中のエサキモンキサノカメムシをみつけた。3年前にも同じ状況で羽化した成虫が抜け殻を落とす行動を見ている(*)。今回も羽化後に《抜け殻落とし》をするだろうと期待して観察。予想通り確認することができ、そのもようを撮影したのだが……肝心のシーンが光線の加減でコントラストがきつくなり残念な画像になってしまった。見苦しい画像ではあるが、《抜け殻落とし》の記録として投稿しておく。


見つけたときは羽化の終盤だった↑。画面隅の番号は撮影順を示したもの。


まだ本来の体色は出ていない。抜け殻から伸びた白い糸のようなものは気管。


羽化後は後脚を背にまわすしぐさをくり返していた。3年前にも見た行動だが、翅をととのえているのだろうか?
「あ~しんど。腰にきたヨ」と腰に手をあてた姿に見えなくもない。


体が固まるのを待っているのか体力の回復(?)をはかっているのか……羽化後30分余りこの↑体勢でいた。そばについていると警戒して《抜け殻落とし》を始めない可能性があるので、少し離れて見守る。その間に光線の状況が変化。陽射しが横から差し込むようになり《抜け殻落とし》を始めた時にはコントラストがきつい状況になっていた↓。


レフ板代わりのアルミシートで光を反射させて影を緩和することも考えたが、おどかすと行動を中断してしまうかもしれないので、そのまま撮影。


予想した通り、新成虫が頭で抜け殻を押して落とす仕草が見られた。が、擬木ではありがちな、「落ちかけた抜け殻が、(クモや幼虫のしおり糸?に)ひっかかってぶら下がる」という状況に。
ここでアルミシートを使って影だった部分を照らすが、そのためもあってか成虫は触角をたたんで静止モードに入ってしまった↓。


落ちかかって宙ぶらりんになった抜け殻は、ほどなく風にあおられて落下。すると成虫が動き出し、抜け殻がなくなったことを確かめるような(?)しぐさをした。


《抜け殻落とし》を終えた新成虫は触角をたたんで動きを止めた。


翌日ほぼ同じ場所(数mm左にずれていた)にいた新成虫↑。だいぶ本来の体の色が浮かび上がっていたが、上翅革質部には色の薄い部分があり、紋にもまだムラが残っている。
今回は羽化の終盤からの撮影だったので、終齢幼虫の姿は写っていない。ということで、別個体の幼虫の姿↓。


エサキモンキツノカメムシの幼虫(の腹)は髪を真ん中で分けた人面っぽい。
そして、成虫(別個体)↓。これが本来の体色。


エサキモンキツノカメムシ似のモンキツノカメムシ

ハート形の紋をもつエサキモンキツノカメムシばかりに目が向き、スルーしがちだった、良く似たモンキツノカメムシ↓。


モンキツノカメムシの紋は「丸みをおびた逆三角形」が標準。しかし紋の形には個体差があって、エサキモンキツノカメムシのハート紋を思わせるようなモンキツノカメムシ個体もいる↓。


前胸両側の突起(前胸背側角)がエサキモンキツノカメムシより尖っていることや、前胸背面の色が緑色であることなどから、モンキツノカメムシであることがわかるが、紋の形だけでは判断しづらい(例もある)。
紋に変異のあるモンキツノカメムシ(別個体)↓。


両者ともモンキツツノカメムシ↑。エサキモンキツノカメムシの紋にも個体によって変異があるがモンキツノカメムシも同様。「紋の形」だけで両者を識別するのは難しいケースもある。「紋の形」ではなく「紋の位置」に違いがあるように思うがどうだろう?
モンキツノカメムシとエサキモンキツノカメムシを比較してみると、小楯板の中で紋が占める位置に違いがあるような気もする。


着目点は、小楯板(しょうじゅんばん/前胸背板と上翅に挟まれた逆三角形の部分)のフチと紋との距離──「隙間A」と「隙間B」の格差。モンキツノカメムシは紋が小楯板の前(上)フチ寄りについているので「隙間A」が狭く、それに比べ小楯板側面縁との間「隙間B」が広い。エサキモンキツノカメムシでは紋は小楯板の中央にあって「隙間A」と「隙間B」の格差は少ない。
全ての個体に共通する識別ポイント(相違点)といえるのかどうかは判らないが、僕が見た範囲に限っていえば、こうした特徴があるように感じられる。

きれいなカメムシ幼虫とカッコイイ成虫

エサキモンキツノカメムシもモンキツノカメムシも綺麗なカメムシだが、綺麗なカメムシつながりということで……キレイなことで知られているアカスジキンカメムシ。成虫が美麗種なのは周知のことだが、幼虫もよく見ると美しい。


一見、黒っぽく見える部分には鈍い金属光沢があって、見る角度によって、とてもキレイに輝いて見えることがある(個体によってずいぶん違う)。同個体を角度を変えてみると──↓。


幼虫の赤く見える部分(あるいは白い部分)は、脱皮直後には幅が狭く、幼虫の成長とともに拡がっていくようだ。この部分は脱皮した抜け殻で確認するとビニールのように半透明になっている。
その部分が拡がった個体↓。




さらにカメムシつながりで、ガードレール支柱の反射板の上にとまっていたウシカメムシ成虫↓。






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コメント

No title
今年初めてカメムシの脱皮をみましたが、自分で落とすのですか。面白い習性ですね。理由があるのでしょうね。それにしてもまるでご自分で飼っているような観察です。すごいです。ナイス!!!
No title
こんばんは・・・
(羽化後の抜け殻落としの詳細な観察)に見入ってしまいました!

虫の!こういった行動に気付き考察し、結論に近づける粘り強い観察を見習わせて頂きたいと思ってます・・・
「間違いなく(抜け殻を落とそうとする行為?)は、非常に興味深いですね!(素晴らしい考察だと想います)」

脱出後の後脚を背にまわす動作は、蜂の仲間でも観られますね!
(翅を伸ばしてるのか?と思ってましたが・・・そうですね!「ととのえてる!」の表現の方がより適切ですね!)

↑の様な、ハート型の模様を持つモンキツノカメムシには、頭が混乱してきそうですけれど・・・
丁寧に観察してらっしゃる見分けのポイントも非常に興味を引くところです・・・

詳細な観察の姿勢を勉強させて頂きました!!!☆・・・
No title
> 四季の風さん

3年前にやはり擬木でエサキモンキツノカメムシが羽化後に《抜け殻落とし》をするのを見て、「いったい、どんな意味があるのだろう?」と興味を持ちました。
リンクの【カメムシの抜け殻落とし行動】などで、個人的な解釈をまとめています。あくまでも素人の想像で、正しいかどうかは判りませんが……。
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

こっそりさんも、かなりしっかり「観察」されてますので、いつも感心して拝見しています。

昆虫は、やはり観察に醍醐味がありますね。自然の不思議をかいま見ることのできるシーンに遭遇すると好奇心・探究心が刺激されテンションが上がります(笑)。

後脚を背にまわす動作、蜂の仲間でもやりますか。翅をととのえているのだろうか?……と考えましたが、他にも何か意味が隠されているのかもしれませんね。
何度か観察しているうちに、別な解釈がひらめくかも?
No title
手持ちの画像見たんです が少ないんでチョイ乱暴かもですが 前胸背板 チョ~納得です。流石です。
って言うか チョウ屋からすると ハートマークなんかよりパッと見でわかるだろう な~んて思ったりします。
これがアゲハサイズだったらエライ違いに見えるでしょうね~。
No title
> 辺蟲憐さん

いつか種に関する一般民間人の所感を記そうかとも思っていたりもしますが……昆虫の同定は僕のような素人には難しくて敬遠しがちです。
モンキツノカメムシとエサキモンキツノカメムシの違いについては、前胸背板の色を上げている記事は読んだことがあり、僕もそんな気がしています。
この2種に関しては、パッと見の印象がなんとなく違っていて、その違いは何なのかと比べてみると、前胸背板の色であったり、角の形であったり、紋の位置であったりする……という感じでしょうか。
もっとも、それが正しい識別点なのかどうかは確信が持てないのですが……。

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