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初フユシャク2015他

今季初フユシャク(冬尺蛾)

前回の記事の最後で、ニトベエダシャクが出てきたので、フユシャクも間近……というようなことを記したが……今日、今シーズン初のフユシャクを確認。


初物のフユシャクは、羽化不全のクロスジフユエダシャク♂だった。痛々しい姿だが、出現確認の記録として画像を上げておく。フユシャクといえばやはり翅が退化した♀にその特徴が顕著なので、♀がいないかと探していると──いた!


ホルスタインやダルメシアンにも例えられる、ユニークな柄のチャバネフユエダシャク♀。見ての通り翅が退化して、一見蛾には見えない。フユシャクを知らなかった頃、初めてこの昆虫を見たときは何の仲間かすら想像できなかった。


フユシャク(冬尺蛾)は冬にだけ(成虫が)出現するシャクガ科の蛾の総称で、メスは翅が退化して飛ぶことができないという特徴をもつ。フユシャクの存在を初めて知った時には「昆虫なのにあえて冬に出現して繁殖活動を行う」という点、そして「蛾なのにメスは翅が退化し飛べない」という点に《意外性》→《興味》を感じた。
自然界に存在する《意外性》はある種の《必然性(合理性)》に裏打ちされているはずで、その「手品のタネ」を「謎解き」してみたくなる。
「天敵の少ない時期に出現して繁殖活動を行うことで生存率を高める生存戦略をとったのではないか」とか「天敵が少ないから、メスに逃げて飛び去るための翅がなくても生き残れたのだろう(翅=飛翔力はオスに残されていれば配偶機会は得られる)」という想像をし、自分なりに《必然性》を解釈したが、フユシャクを観察しているうちに自然界はそう単純ではないことに気づかされていった。
実際には冬にも少ないながら天敵は存在する──フユシャクがクモの餌食になるシーンや産卵した卵に寄生蜂と思われる昆虫が来ているシーンも目にして、冬は全く天敵がいないわけではないことを知った。産みつけた卵塊に毛のコーティングをするフユシャクを見て、霜対策や乾燥防止の意味合いだけではなく寄生対策の可能性もあるのではないかと考えてみたり、フユシャクの多くが夜行性であることを知って(冬に天敵がいないのであれば日中活動した方が良い)、日中は天敵がいるのではないか──鳥の捕食圧が「夜行性」の多い理由ではないかと考えたりするようになった。昼行性のクロスジフユエダシャクの交尾を観察すると、ナチュラルな状態では、たいていメスは落ち葉の下に隠れている。これは鳥に見つからないよう隠れているのではないか。その「見えない所にかくれたメス」を見つけるためにオスは婚姻ダンスをすることも観察できた。当初、オスの翅は、(メスのいるところへ)《移動するための器官》と考えていたが、メスの居場所を探り当てる《検索器官》(の一部)として重要な役割りを果たしている事を知った(*)。
フユシャクの《意外性》と《必然性》も、当初想像していたものより複雑なようで、色々脳みそを刺激してくれる。
ちなみに、昨シーズンの初フユシャクは2014年11月20日に確認したクロスジフユエダシャク♂、一昨年(2013年)は11月11日に確認したチャバネフユエダシャク♀だった。

擬木や柵の昆虫など



チャバネフユエダシャク♀がいた近くで見つけたウバタマムシ。この時期に(も)見られる甲虫類の中では最大級で、存在感がある。


擬木ではないが、鉄柵の支柱の上にはミミズク成虫の姿があった↓。






ミミズクがどういう生活史をもっているのかわからないが……この時期、小さな幼虫をみることもある──ということで、先日撮った画像を↓。




1円硬貨との比較で成虫と幼虫の格差が大きいことがお判りいただけるだろう。
半翅目(カメムシ目)つながりで、欄干にいたクロスジホソアワフキ成虫↓。




クロスジホソアワフキ成虫は昨年12月にも見ている。
鉄柵の上のブチミャクヨコバイ成虫↓。




ブチミャクヨコバイは7月にユニークな姿の幼虫を撮っていて、注目していた。


ルリボシカミキリ~ツインテールヨコバイで投稿した画像↑。
半翅目(カメムシ目)つながりで、今日に話を戻して──前回記事にしたモンキツノカメムシのペアがいたので撮っておいた↓。


エサキモンキツノカメムシが5月~7月に交尾しているのは見ているが、モンキツノカメムシは11月に(も?)交尾をするものなのだろうか……。
きょうは暖かかったので、他にも色んな虫が活動していたが、こんなキュートなものも見られた↓。




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コメント

No title
今回も興味深く拝見させていただきました。
フユシャク、確かに昆虫類にしては不思議な生態です。
No title
> すぬーぴーさん

昔は「昆虫は冬には活動していない(できない)」と思い込んでいたので、その冬にあえて発生する蛾がいて、メスは飛ぶことをやめてしまった──そんな虫がいるとは想像もできませんでした。
昆虫の魅力はヒトの考えの及ばないような多様性のあると思いますが……自然の創造物は奥が深いと実感しします。
No title
ほんとに・・・
「何故、冬を選んで?(選ぶ事に成って?)しまったのか?
その点を考えるところにも!
虫観察の面白さとも想える醍醐味があると想います・・・

「♂の翅は♀の居場所を探しあてる(検索器官)の一部として状う様な役割をしてるのかも?」の部分・・・
非常に興味深いです!

虫の行動の観察は、思いもよらなかった事を気付かせてくれることがありますね・・・
観れば観る程、虫に寄り添えるような気がして・・・
いつか、一つ一つのピースが埋め合わさって、謎が解けるのでは?・・・なんてそうは行かない・・・
「自然は、そうは単純ではない!」
おっしゃる通りだと想います・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

フユシャクのような虫がいると知った時には、意外性に驚きました。「天敵がいない冬に活動するようになったのだろう」と当初は単純に考えたのですが、観察していると冬にも天敵はいるし、「天敵がいないのならなぜ夜行性が多いのか? なぜ昼行性のクロスジフユエダシャクは葉の下で隠れて交尾するのか?」と色々な疑問がわいてきて、新たな解釈へ展開していきました。
この「?」と「!」のくり返しが昆虫観察の醍醐味かもしれませんね。
No title
お~~チャバネフユエダシャクのメスにも出会われましたか!!
いつ見ても星谷さんの擬木はムシの宝庫ですね!
ブチャイクも幼虫がいた辺りで成虫を探しましたが出会えませんでした。
寒さに頑張ってる虫に出会うと嬉しくなっちゃいますね!
No title
> ピンちゃんのママさん

ホルスタインを思わせるチャバネフユエダシャク♀は独特の存在感があるので、出会うと嬉しくなります。僕が初めて見たフユシャクの♀がコレだったので(当時はとても不思議なイキモノに見えました)、感慨のようなものもあったりして。
フユシャクを見ると、「また、そそんな時期になったのだなぁ」と実感します。
寒い時期に出会う虫には、ちょっと好感というかありがたみというか……みたいなものを感じますね。
No title
星谷さんとこ見ないでブログをupしてしまったのですが、
かなりかぶっていて笑えました~。
私はきのうの午後歩いたのですが、フユシャクとかモンキツノカメムシは
同じ個体を撮ったぽいです。

ブチミャクヨコバイ、いいですね。
見たいのですがなかなか会えないんです。
近いうちにまた行って探さなくては!
No title
> noriさん

ブログ拝見しました。チャバネフユエダシャク♀は同じ個体っぽいですね。モンキツノカメムシ・ペアもそうかも。
擬木では小さくておもしろそうな虫もいるのですが……特に動き回っているのは難しくてあきらめがちだったりします。

そうそう、クロスジホソアワフキは昨冬も撮っていたのに名前が判らず放置していたのですが、今回noriさんのブログのサイト内検索で(「アワフキ」で検索)判明したのでありました。感謝!。
No title
フユシャクが存在できてきた検証だけでも興味は尽きません!。今ブログを見せて貰い、鮮明では無いのですがクロスジホソアワフキかブチミャクヨコバイに似た種を写していますが同定できるかどうか怪しいのですが見てみます。
No title
> skittoさん

フユシャクは(♀の)ルックスだけではなく、生態もユニークですね。「いったい、どうして?」と考えたくなります。自然が創り上げた形・システムの奥の深さを感じる生き物のひとつではないかと思います。
No title
擬木、周囲の道路の感じからどの辺りか何となく分かった気がします(笑)
ついにシーズン到来ですね。
No title
> ともっくさん

1年経つのは早いもので……また、フユシャクが出現する時期になりましたね。
このあたりでは、クロスジフユエダシャクやチャバネフユエダシャクが真っ先に見られるようです。
今年はまだ見ていないのですが、クロスジフユエダシャクの婚礼ダンスを楽しみにしています。

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