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ソンブレロ仮面ウシカメムシ幼虫ほか

ちょび髭のソンブレロ仮面と美少女仮面



擬木にウシカメムシの幼虫がいた。成虫は8~9mmほどで前胸の左右につきだした突起が特徴的──これがウシのツノを思わせるためにこの名がついたらしい。この特徴的な突起は幼虫にもあって、プロポーションは成虫とよく似ている。しかし模様は異なり、パッと見の印象も違う。成虫も好きな昆虫だが、ユニークな模様をもつ幼虫もお気に入り。ということでカメラを向けると触角をかくした。


この姿↑がソンブレロのようなツバの広い帽子をかぶり、ゾロのようなマスクをつけた、ちょび髭男の顔にも見える。また胸背面の黒い模様は、逆さにすると飛行するスーパーマンのように両手(前脚)を広げたタレ目の黒猫にも見える。


言われてみればたしかに見える……気がする……かもしれない空目ネタ。ちゃんと見えたであろうか?
撮っていると、触角を立てて歩き出した。


大きさが判るように直径2cmの1円硬貨と比較↓。


頭を下にすると、模様が《両手(前脚)を広げた黒猫》に見える↑。
やはり先日、擬木で見かけた成虫との比較画像↓。


成虫は晩秋から冬頃に擬木でしばしば見かける。幼虫もときどき見かけるが、成虫よりも目にする機会は少ない。
※ウシカメムシ成虫の大きな画像を追加↓。




顔の模様には幼虫時代のおもかげが感じられる。

空目ネタ昆虫つながりで──ウシカメムシ幼虫の《ソンブレロ仮面》に対してホソバシャチホコ幼虫の《美少女仮面》。


何度も紹介しているホソバシャチホコ幼虫の空目だが、個体によって模様に違いがあり《美少女仮面》の表情にも変化があるので、この虫をみつけると撮ってしまう。これが先日撮った直近の個体。

アオクチブトカメムシの臭腺開口部



ウシカメムシのように前胸の両側にトゲ状の突起を持つアオクチブトカメムシ──先日も紹介したが(*)、これはウシカメムシよりだいぶ大きくて18~23mmほどある大型で美しいカメムシだ。「大きくて綺麗なカメムシは臭いがしません」とハッキリ言いきっている人がいたので、アオクチブトカメムシの臭腺開口部(ニオイを発する孔)を確かめてみたくなった。
カメムシ成虫の臭腺開口部は胸の腹面にあるので、チェックするにはカメムシをつかまえて裏返すことになるわけだが……このアオクチブトカメムシは捕食性──他の虫などをつかまえて口吻を刺して体液を吸う。捕食性のサシガメは刺すことがあり、とても痛いらしいので、アオクチブトカメムシも(サシガメではないが捕食性なので)、下手につまむと刺されやしないか……という不安はあった。
(といいながら実は初めてアオクチブトカメムシを見たときは捕食性だと知らず、金属光沢の美しく映る角度をさがして手に乗せて撮影していた。そのときは刺されなかったのだが……そのさいにカメムシ臭を感じたことがあったような気もする)
オオトビサシガメの腹面をチェックしたときはピンセットを使ったが、アオクチブトカメムシは幅が広くてピンセットではつかみにくそうだ。この日は気温が低かったせいか、このアオクチブトカメムシは動きがにぶかった。前胸の左右に突き出した突起は、つまむのにちょうど良さそうに見える……ここをつまんで裏返せば、口吻は届かないのではないか? そう考えて、口吻の動き(つまんだ指に届かない保証は無いので)に注意しつつ、臭腺開口部チェック&撮影にいどんでみた。


ちょっと暗めな状況だったのでフラッシュを発光↓


口吻の動きに気を配りつつ、しばし臭腺開口部を撮影。その後にニオイを嗅いでみたがこのときは感じられなかった。撮影中にニオイが飛んでしまったのか、この個体がたまたまニオイを発しなかったのかはわからない。低温でアオクチブトカメムシの動きが鈍かったことも関係しているのかもしれない。あるいはこの個体の臭腺液の貯蔵残量などの関係もあるかもしれない。カメムシ臭を放つ種類でも毎回必ずニオイを放つわけではない。
とりあえず今回は、アオクチブトカメムシの胸部腹面に臭腺開口部と、その周辺に、分泌した液を速やかに気化させる蒸発域らしきものがあることは確認できた。
「大きくて綺麗なカメムシ」では、アカスジキンカメムシも、ちゃんとニオイを発するし臭腺開口部も確認している(*)。最近生息域を広げているキマダラカメムシも大きくて綺麗だが、これはかなり臭かった(*)──これも臭腺開口部を投稿している。
(※追記:アオクチブトカメムシとしばしば間違えられるツノアオカメムシも大型の美麗種だが、ツノアオカメムシでもカメムシ臭を体験していたのを思い出したので加筆)

その他の昆虫@擬木



擬木で見かけるようになったコミミズクの幼虫。晩秋~冬によく目にする虫だ。


立ち上がる(?)と体の側面にすきまができるが、枝に張りつくときはここに脚がピッタリはまる。横から見た姿で、ガメラシリーズに出て来た大悪獣(怪獣)ギロンを連想するのは僕だけであろうか?
そしてコミミズクではなくミミズクの成虫↓。脚が体側に収納されている。


この成虫↑は耳介状突起が小さいのでオスだろう。コミミズクもミミズクも植物の汁を吸うカメムシ目の昆虫。
今の時期、擬態木ではカメムシの仲間が目につくが、甲虫類もいないではない。




シリジロヒゲナガゾウムシ♂のヘラのような触角は、ネコ耳ならぬウサ耳(ウサギ耳)っぽく見えなくもなくて、ちょっと面白い。大きな眼や、シックな模様も魅力的。画像はオスで、メスの触角はこれに比べると小さい。
甲虫類ではゾウムシの仲間も見かける。




ドングリやクリなどに産卵するシギゾウムシの仲間だが、似たようなのがいて僕にはまだ見分け方がよくわからない……ので、とりあえずシギゾウムシということで。
蛾では10月後半になってノコメエダシャク(これも、ヒメノコメエダシャクかオオノコメエダシャクか僕には正確に区別できない)が出てきた。


ノコメエダシャクは傾いでとまり腹を曲げている姿がユニークだが、これには左右の対称性を壊すことで天敵の目をあざむく効果があるのではないかと想像している(*)。傾いでとまることで、(左右対称である)翅の先端の形が非対称に見えたりもする。


また、擬木ではないが、その周囲に生えたキウイの葉を裏返してみると、キウイヒメヨコバイがいた。


キウイヒメヨコバイの存在を知ったのは昨年。1991年に小田原市で初確認された新属新種の昆虫だそうだ。成虫♂は前翅が赤みをおびてくる。白っぽい成虫は♀。この白と赤の感じが、なんとなく和金を思わせる。


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コメント

No title
ウシカメムシの幼虫は確かにネコ顔に見えますね。
次回しっかり撮ってみます。
大きくて綺麗なカメムシは臭いがしません。といったのは私だと思います。
鼻炎で臭覚が鈍くなり洗濯物に付いたマルカメムシが分かるくらいです。
大きいのも臭い有りですね。
No title
> 市川さん

ウシカメムシの幼虫はわりと大きかったので、これから羽化して越冬なのかもしれません。

「大きくて綺麗なカメムシは臭いがしません」という情報を目にした人が、そう思い込み、カメムシの話題にふれたときに、その知識を披露することはありがちでしょう。ネット上に投稿された情報は拡散しやすいので、そうした懸念もあって「そうではない」情報も上げておくことにしました。
間違った情報でもいちどネット上で拡散すると根絶は難しいので、ガセネタの発信源にならないよう注意する必要はあるかと思います。
No title
見えます、見えます、両手を広げた黒猫に見えました。
ウシカメムシは幼虫もかっこいいですね。
ナイスです!
No title
> nika4さん

ウシカメムシの成虫を初めて見た時は「こんなカッコ良いカメムシが日本にもいたのか!」とビックリしましたが、その後、幼虫を初めて見た時も「へえ!」と感心しました。幼虫もなかなか魅力的ですね。
No title
こんばんは・・・
ウシカメムシの幼虫・・・
ユニークな模様で、且つ非常に美しいですね~!!!・・・
確かに!あれは、黒猫間違いなし!?しかも、両手を広げて飛翔直前の姿でしょうか?
・・・近年、虫が苦手な方が増える中、こういった面白い虫の紹介があれば、特に女性の方々も・・・「一度、触ってみようかしら!」なんて、興味を示されるかもしれませんね!?
・・・触るには、やはり臭腺開口部を知っておいた方が良さそうですね!
詳細な部分を明確に紹介して下さってますので!非常に判りやすく、ため息つきつつ見入ってしまいました!

擬木巡りでの虫との出会いも・・・
流石ですね~!私は、先ずは擬木探しから行わないといけない状態ですが、↑のお写真を拝見しつつ、出会った時の喜びを想像し、胸が高鳴ってしまいました・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

ウシカメムシ、ちょっとユニークでイイでしょう?
カメムシは嫌われがちな虫ですが、ときどきハートマークを見つけてエサキモンキツノカメムシに好感を持つ人もいるようで……空目ネタも何かカメムシを見直すきっかけになってくれる事があるとすれば、嬉しい限りです。

虫見コースの擬木は雑木林沿いに伸びているので、またジョイント部分に隙間があるタイプなのでここに潜り込んで越冬する虫もけっこういるようです。
今は若干、虫は少なめな時期で、これから落葉が進んで陽当たりが良くなってくると、葉とともに落ちた虫や、陽だまりを求めてくる虫が増えてくるのではないか期待しています。
No title
イヤーすごい!アオクチブト以外初めて見る虫ばかり、キウイヒメヨコバイは熱帯魚のように見えます。ウシカメムシも小さいですが、コミミズクやキウイヒメなど目をこらさないと見落としてしまいそう。
No title
> skittoさん

葉の裏のキウイヒメヨコバイは色合いがキレイなので撮ってみたのですが、小さくて背景にピントが合ってしまいがちなのか、いまひとつ不鮮明な画像になってしまいました。小さな虫ですがキウイの葉の裏にいるので、キウイをみつけたら葉を裏返してみると(いれば)見つけやすいかもしれません。

コミミズクはカシ系の枝に張りついて越冬しているのを見ることがありますが、枝にいると見つけづらいですね。擬木のような目立つところにいると見つけやすいのですが……。
No title
ウシカメムシの成虫に初めて会ったときは感動しました!!
でも、幼虫にいつか出会えたらもっと感動しそうです。美しい模様!
この縞模様は成虫の翅の下にあるのでしょうか?
ないとしたらなんともったいないこと!

ヨコバイの仲間好きです。
きっとキウイにとっては害虫なのでしょうが、赤が魅力的ですね!
No title
> ピンちゃんのママさん

ウシカメムシはカッコイイですね。僕も知らずに初めて見た時は「こんなカッコイイ虫が日本にもいたのか!」と驚きました。その後、幼虫を見てまたまたビックリ!
幼虫の背中の模様は成虫になると翅や小楯板の下に隠れちゃうんでしょうかね。

キウイヒメヨコバイは、「なんでこんな所にキウイが?」というような場所にポツンとある葉のウラにもいたので、キウイがあるところでは見られる可能性が高い虫なのかも?
ヒメヨコバイの仲間は小さいので(撮るのに)苦手意識があるのですが、色合いがキレイなので撮ってみました。
No title
その後、擬木でみつけたウシカメムシ成虫の画像を追加してみた。

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