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視力が衰えることで見えてくる世界!?~文字列空目

超巨大フクロネコが都心に出現!?

先日、webニュースのこんな見出しが目にとまった→【超巨大モッフモフクロネコ出現】(*)──新宿駅に巨大な動物の像(?)が出現したという話題だったのだが、この見出しの文字列を見て、まず瞬間的に認識できたのが「超巨大○○○○フクロネコ出現」だった。ちなみに、フクロネコはオーストラリア・ニューギニア島に生息する有袋類──クウォールとも呼ばれるフクロネコ科フクロネコ属に属する動物の総称だ。有袋類ではフクロモモンガ(シュガーグライダー)が人気がありペットとしてもよく飼われているのは知っていたが「おっ!? 今時はフクロネコが人気なのか!?」と思ってしまった。かつてはペットショップでフクロギツネが売られていたし(現在は特定外来生物)、公園でダマワラビーを散歩させている人をみたこともある──有袋類が注目されることがあってもおかしくはない。余談だが、個人的には「フクロアリクイ」あたりはもっと人気があっても良いように思う。そんなことを考えつつ見出しをながめ、「で、《モッフモ》って何?」と首をかしげた。フクロネコは総称だから、「モッフモ-フクロネコ」という種類がいるのだろうか?
で、記事を開いてみると、冒頭にこう記されていた。


東京・新宿駅(東京メトロ丸ノ内線新宿駅メトロプロムナード)に9月28日、横幅6メートル、高さ2メートルもある、超巨大なモッフモフなクロネコが出現した。

なんと「フクロネコ」ではなく「(モッフモフな)クロネコ」だったのだ。これはヤマト運輸が「宅急便コンパクト」の特別企画として設置したものだという。
「フクロネコ」は「誤読」ということになるのだろうが……こうした現象(?)を僕は「文字列空目(そらめ)」と勝手に呼んでいる。
「超巨大モッフモフクロネコ」に関しては「超巨大もっふもふクロネコ」とひらがな混じりで表記してくれれば判りやすかったのに──と思わないでもないが、最近、文字列空目が増えた気がする……。

少し前には『虫はなぜガラス窓をあるけるのか?』という児童書のタイトルを「虫はなぜガラス窓をあけるのか?」と誤読し、「虫が窓を開ける」とはどういうことだろうと考えてしまった。言い訳をすれば「(ガラス)窓」とくれば、その後に「開ける」という言葉を連想するのは自然なわけで、「窓」と「歩く」はふつう結びつかない。タイトルの主旨を適切に表現するなら「ガラス窓」ではなく「窓ガラス」ではないか──と思わないでも無い。またこれも「歩けるのか?」と漢字まじりで表記してくれていれば「開けるのか?」と誤読することもなかったろうに……。児童書では動詞をかなにひらくことが多い。

他にも「ミヤマカラスアゲハ」の文字列が「ミルマスカラス」(メキシコの覆面レスラー)っぽくみえてしまったり、「サルトリイバラ」が「リトルサイバラ」(小さな西原理恵子?)に空目しがちだったりする。

文字列空目が増えたのは、悲しいかな視力の衰えと無縁ではないだろう。
老眼を自覚するようになった頃から、テレビ(現在は離脱している)画面の字幕を読むのが面倒になってきた。洋画など観ていると字幕を読み切れないこともでてきたりして、それだけ(視力の低下によって)読み取りに時間がかかるようになってきたということなのだろう。

しかし、記事などの文章を読むスピードは習慣化しているため、これまで通りすみやかに読み進めようとする……それで「一字一字きちんと読み取る」ことが困難になって「文字列を見て読み取れるものから脳内サジェスト機能(?)が文字列を予想し認識してしまう」ようになったのではないか? 目に入った文字列の中から瞬間的に読み取れた字から意味のある言葉(脳内ライブラリにあるワード)を照合しようとする無意識的な働きが「文字列空目」を生んでいるのではないかという気がする。
カルタで読み札が読み上げられている途中で取り札を予想してとるのに似ているかもしれない。カルタに例えるなら誤読(文字列空目)は「お手つき」といったところか。

文字列の中の文字を読み落したり読み違えることによって生じる空目もあるが、区切る場所を誤って生まれる「お手つき」──「文字列空目」もある。
希少野生動物に関する記事では「オガサワラナガタマムシ」が「小笠原永田マムシ」と認識され、「小笠原で永田氏が発見したマムシ?」なんて思い描いてしまったこともあったが……これも、長い文字列の中から「小笠原」と「マムシ」がまず認識されたことによるフライング解釈による文字列空目だろう(本当は「マムシ」ではなく「タマムシ」の仲間)。冒頭の「フクロネコ」の空目もこれにあたる。

また、文字列に漢字が含まれている場合には「読み」を間違えることで起こる空目もある。
正月に「元旦からパンケーキ!」と記した女性のコメントを「もとだん(元旦那)からパンケーキ!」と誤読し「あれ、この人って離婚歴があるのか。別れたあともパンケーキを贈る元・旦那って……」なんて誤解しかけたなんてこともあった。
これは「元」という文字がまず認識され「もと」と読んでしまったことで、「元カレ」「元カノ(ジョ)」「元旦(那)」の連想が働いたのだろう。
この時はすぐに勘違いに気づいたから良かったものの……文字列空目は、あなどれない。

視界の中で文字の順番を誤認しておこる文字列空目もある。
食品売り場の棚に並べられたペットボトル入りの「ウコン茶」を初めて見た時、カタカナの読み順を間違えて仰天したことは忘れない。当時「ウコン」はまだあまりメジャーではなく、それよりも使用頻度の高い別のワードが脳内検索されてしまったのだろう。
色合い的にも誤読イメージを誘う「ウコン茶」を見て、「飲尿療法なるものがあるとは聞いたことがあったが……時代はここまできたか!」と激しく動揺したものだ。
おそるべしっ、文字列空目!

文字列空目の頻発化とともにタイプミスも増えてきた気がするが、これも視力の衰えによるものだろう。
タイプした文章をチェックしながら読み返しているつもりが……一文字一文字を確認できずに、文字列の塊として認識してしまいがちなので、「正しい文字列であると空目」してしまい、間違いに気づきにくくなっているのだと思う。

視力が衰え、文字の読み取りエラーが増えたことで、目が良かったときには見えなかった世界が垣間みれているような気がしないでもない今日この頃なのであった。


*超巨大モッフモフクロネコ出現、期間限定で新宿駅にさわれる“全身”。
http://www.narinari.com/Nd/20150933933.html

空耳ならぬ空目アワー

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コメント

No title
今日は字が大きくて読みやすく助かりました(笑)最近は様々な場面で漢字が少なくなり空目症候群です。言葉も、ファミレス・コンビニなどで「○○になります」と動詞を丁寧語と勘違い、これは空耳では無いようで、老いによるストレスがこんな形で降りかかるとは思ってもみませんでした(爆)
No title
こんばんは・・・

「文字列空目」・・・☆
面白いエッセイに!
目が冴えてしまい、今宵は眠れなく成りそうです・・・(笑)

「虫はなぜガラス窓をあるけるのか!」
私・・・も!
この文章を読んだ瞬間、体の血がカ~~~と燃え上がりました!
「何ですって!虫がガラス窓を開ける!?そんな凄い現象があるなんて!(頭の中で、ハチ目(イメージ)が前脚を使用してガラス窓を開けるシーンまで空想しながら)興奮してしまいました!

いつもながら・・・
ユニークな着眼点に驚かされ、愉しませて頂きました!!!・・・
No title
> skittoさん

記事を作成するとき、画像を任意の位置に配置するときは「Wiki文法使用」というのを選択しているのですが、画像なしあるいは画像は冒頭のみの記事は「Wiki/HTMLモード」というのを使っていて、これだと本文の字の大きさを指定できるので普段より大きめの字に設定しています。

コンビニ等での言葉遣いには違和感や不快感を覚える事が少なくありませんね。
言葉はコミュニケーション・ツールなのであまり厳格に「正しさ」を求めようとは思わないし、僕自身も意図的に崩して使うこともありますが……結局それぞれの「美意識」の問題のような気がしています。
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

「虫はなぜガラス窓をあるけるのか!」──こっそりさんも誤読されましたか。
これは、読み間違えやすい文章ですよね。「窓」とくれば「あける」と続くのが普通ですから。
僕も戸を開けるネコを想像し、小さな虫がどうやって?──なんて戸惑ってしまいました。
児童書では読みやすくするために漢字をひらくことが多いのですが、これはかえって読みにくい例だと思います。
No title
(笑)
先日オガサワナガタマムシを見ましたよ(^^)/
素早すぎて残念ながら写真は撮れず。

文字列空目は私も良くあります(^^;)
No title
> ともっくさん

オガサワナガタマムシは国内希少種に指定されたそうですね。そんな記事で文字列空目しました。
生き物の名前では長い文字列は危険度が高いです。
有名なところ(?)では、ウスバカゲロウなども区切るところを間違えるとアブナイですね。
No title
おはようございます。
知らなかった超巨大フクロネコ、本物かと思ってしまいました!
超巨大フクロネコに触ってる人が大勢いるんですね。
No title
> kaneo93さん

「モッフモフクロネコ」の表記が「モッフモフ黒猫」だったら判りやすかったのですが……ヤマト運輸では「クロネコ」とカタカナ表記を使っているので、区切るところが判りづらくなってしまった気がします。
ならば「もっふもふクロネコ」という表記もあったのではないかと思うのですが……。
No title
あっ、ラが抜けてました(^^;)
No title
> ともっくさん

あっ、僕も気づかずにコピペしてました。
○「オガサワラナガタマムシ」
虫の名前はタイプするのが面倒なのでコピペしがちなのですが、文字列をパッと見て──脳が補正して読めちゃうんですよね……「補正空目」←これがタイプミスに気づかない原因かと。

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