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アカスジキンカメムシの抜け殻おとし



脱皮後の4齢幼虫と落とされた抜け殻



コブシの葉の上にアカスジキンカメムシの幼虫がいるが↑、1匹だけ色が薄い。これは脱皮を終えてまだあまり時間が経っていないからだろう。近くで脱皮をおこなったはずだが、付近の葉に抜け殻が残っていなければ、脱皮後の幼虫によって落とされた可能性が高い──そう考えて葉の裏をチェックするが抜け殻は見つからず、この葉の下(地面)を探すと、予想した通りに落とされていた↓。


3齢から4齢へと脱皮したようだ。葉の上には3齢と4齢の幼虫がいる↓。


この新4齢幼虫が脱皮を終えた正確な時刻はわからないが、この画像↑から45分後には、ここまで色がついていた↓。


そしてさらに20分後↓。


《抜け殻おとし》のシーンは目にしていないが、羽化後のカメムシ成虫が抜け殻を落とすように、幼虫も同じ行動をとっているようだ。ならば、幼虫の脱皮でも《抜け殻おとし》を観察できるはずだ。

アカスジキンカメムシの羽化】でも記したが、カメムシが《抜け殻おとし》をする理由は、おそらく「抜け殻があることで天敵に見つかりやすくなる危険」を排除するためではないかと素人想像している。
鳥などからは見えにくいだろう葉の裏に残った抜け殻をわざわざ落とすのだから、鳥などの視覚ハンター対策というより寄生蜂や寄生蠅対策なのかも知れない。羽化や脱皮の際に離型剤のような分泌物(?)が抜け殻の内側に残されていたとすると、そのニオイが寄生蜂や寄生蠅などをよぶことにもなりかねない。そうした危険を回避するためにカメムシたちは羽化や脱皮の後、抜け殻を自分らの生活圏(葉や枝・幹)の外へ廃棄するのではないか──そんな可能性を想像し《抜け殻おとし》の行動を確かめたいと思っていた。

アカスジキンカメムシの《脱皮》と《抜け殻おとし》



そして好都合なことに、脱皮中のアカスジキンカメムシをみつけることができた。2齢から3齢への脱皮のようだ。
ということで、少し前に同じ場所で撮った2齢幼虫集団↓。3齢幼虫が1匹混じっている(たぶん)。


赤いもよう部分は、脱皮したばかりの時は細かったものが成長とともに太く拡がる(そのぶん体も大きくなる)ような気がする。大きくなるとこの赤い部分が白くなるようだが、この部分は脱皮・羽化のあとの抜け殻では透明で、(暗色の装甲?部分が堅そうなのに対し)ビニールのようにしおれていたりする。脱皮(あるいは羽化)寸前の幼虫の赤(あるいは白)の模様は、新幼虫(あるいは新成虫)の色が透けて見えているということなのかもしれない。
そして今回みつけた幼虫の脱皮↓。画面隅の数字は撮影時刻。


左の画像↑で、古い殻の暗色部分の間にビニールのような透明部分があるのがわかる。


抜け殻から脚が抜け↑、触角がぬける↓。




抜け殻(入れ物)より大きな本体(中身)が出てくる脱皮マジック!?


ほとんど抜け出したように見えるが、まだ「気管」がつながっているらしい。


白い糸のように見えるのが古い(抜け殻の)気管↑。


脱皮を終えると↑、抜け殻に向き直って、頭突き攻撃を開始した↓。


カメラを警戒してか新幼虫は動きをとめたが、少しすると抜け殻の下にもぐりこみ、すくいあげるような行動にでた↓。


そこでまたしばらく動きを止めていたが、接写を中断して画像チェックをしているわずかなスキに抜け殻を投げ落としてしまった↓。


新幼虫はこのあと葉かげに隠れた。一方、落とされた抜け殻は↓。


脱皮前は赤かった部分──脱皮後は透明になった部分は縮れて、そのぶんしぼんでしまった感じもする。






暗色部分は形を残していて、意外に美しい。
とりあえず、アカスジキンカメムシの《抜け殻落とし》が確認できたので満足。


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コメント

No title
抜け殻落としの現場を撮影は凄いです。
天敵から危険を排除説正しいと思います。
此方では最近擬木の上などで単独が目立ちます。
No title
> 市川さん

葉の裏にカメムシの抜け殻が残っているのも見たことがあるので、《抜け殻おとし》が必ず行なわれているわけでもないようですが、通常の行動のような気はしています。
素人想像の域をでませんが、「わざわざ落とす」ことには何か意味があるのではないかと考えています。
アカスジキンカメムシの幼虫はこちらでも擬木上でよく見られます。台風の影響(?)で枝から落ちた個体が「擬木遭難」しているのではないかと。
No title
おはようございます。
アカスジキンカメムシの脱皮したては赤いんですね。
この赤い脱皮したては、目立ちますね!
No title
> kaneo93さん

アカスジキンカメムシの場合、成虫は羽化直後は白っぽいのですが、ヨコヅナサシガメなんかは羽化直後は赤くてよく目立ちますね。
それでも複眼は最初から黒いところが面白いです。
No title
いつも思いますが、脱皮した抜け殻の方が小さく、よくこの殻の中に入っていたものだと感心します。出てきた瞬間に大きくなるのでしょうかね。
No title
脱皮や、蛹化、羽化の瞬間はどんな昆虫でも神秘を感じてしまいます🎵
No title
> nika4さん

本当に「そんなにデカい体が、いったいどこに収まっていたんだよ!」と思わずにいられませんね。
体を膨らますことで古い殻を破り、体を押し出す──というようなこともあるのかも?
No title
> すぬーぴーさん

「脱皮」「蛹化」「羽化」──知識としては誰でも知っていることですが、やはり実際に見ると神秘的ですね。何気なく見ていた虫たちがこうしたプロセスを経て来たのだと思うと、なんだか一目置きたくなってしまいます。
No title
脱皮の途中から抜殻を落とすまで30分以上、割目が入り赤色幼虫が見え始めてからになると1時間以上は掛かりそうですが、目が離せませんね。ここまで詳細な経過観察画像、学術的にも貴重な映像ではないでしょうか。
No title
> skittoさん

少し前に観察できたセミヤドリガの羽化が意外にあっさり(繭から蛹が出現し羽化が始まるまで数分、羽化が始まり成虫の翅が伸びきるまで数分)だったのに対し、カメムシの羽化や脱皮は思いのほか時間がかかる印象でした。

カメムシ屋さんやカメムシ飼育をしたことがある人なら、おそらく珍しい光景ではないのでしょうが……とりあえずまとめてみました。
ほ乳類であるヒトとしては、「すごいコト、してるなぁ」と驚き感心するばかりです。
No title
こんばんは・・・
素晴らしい観察・・・
集中力に脱帽です・・・

虫が!
「今から、孵化しま~す!とか脱皮しま~す!とか羽化しま~す!と訴えてくれるわけではありませんので」
そのタイミングは、日頃の観察から得た観とに頼るものが大きく成ると想います・・・
そのタイミングを上手く捉え、詳細に記録されてるところ・・・
流石だな~と、唸り覗き見てしまいました。
目的を持って観察されてるところ・・・
詳細な記録!見習わせて頂きたいところが多いです!!!☆・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

少し前のアカスジキンカメムシ羽化では、見たかった《抜け殻おとし》のシーンを見逃し、近いうちにリベンジしたいと思っていた矢先だったのでテンションが上がりました(笑)。
脱皮中の幼虫を見つけ、「この後、はたして《抜け殻おとし》をするかどうか……」と経緯を見守っているときはスリル満点(笑)。

今回も「落とす瞬間」は逃しましたが、《抜け殻おとし》の《行動》そのものはおさえることができたのでよしとしました。

アカスジキンカメムシが集団で発生している木をみつけたことが観察のチャンスを増やすことになったのでしょうね。
No title
抜け殻落とし、こんなふうにするんですね!
ぐいーんと下に入り込んで。。。
私は脱皮も見たことがないので、すごいです。
抜け殻落としをするかどうか…と見守っているあいだ
ドキドキワクワクしたことでしょうね~。
こういう行動は、遺伝的に受け継がれていくのでしょうかね。
No title
> noriさん

《抜け殻おとし》は以前擬木で羽化したエサキモンキツノカメムシで初めて見たのですが、「たまたま偶然」に落としたのではなく、「プログラムされた行動」という印象で、他のカメムシでも確認してみたいと思っていました。
先日のアカスジキンカメムシの羽化と今回の脱皮で、やっぱり「遺伝的に受け継がれている」のだろうと確信し、スッキリできました(笑)。

とはいっても葉の裏に残っている抜け殻を見つけた事もあるので、かならずやるわけではないようですが……。
先日は、羽化直後のキバラヘリカメムシを見つけカメラを近づけたら、抜け殻を落とさずにさっさと逃げてしまいました。危険を察知したら抜け殻を落とすより逃げた方を優先させるのは遺伝子を残すには良い──ということもアリでしょうから、そんなこともあるのだろうと思っています。
No title
初めまして
今日はアカスジキンカメムシお教えくださりありがとうございました。
おかげさまで
こちらの脱皮まで拝見することができました。
ありがとうございます。
間違いがもたらした幸運
感謝です。
No title
> 笑みさん

アカスジキンカメムシもアカスジカメムシもキレイなので好きな虫のひとつです。
名前も似ていますが、厚みがあってずんぐりした体型も似ていますね。この丸っこさも好きなポイントのひとつだったりします。

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