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セミヤドリガの繭と蛹

セミヤドリガの繭と蛹



先日羽化したセミヤドリガ↑。羽化のようすは【セミヤドリガの羽化/幼虫~繭~成虫】で記した。
そして残されたセミヤドリガの繭と抜け殻の蛹↓。




このときの羽化は昼過ぎに行われ、急きょ屋外に持ち出して自然光で撮影することができたが、セミヤドリガの羽化は未明から午前中に行なわれることが多いらしい。羽化に気づくことができても、それが陽が出ていない時間帯であったり、あるいは雨風などで屋外(自然光)で撮影できない可能性もあった。そうした状況に備えて実は室内撮影の準備もしていた。
現在使っているカメラ(OLYMPUS STYLUS TG-2 Tough)にはストロボが内蔵されているのだが、接写ではストロボ発光してキレイに撮れたためしがない(単に使い方が悪いのだろう)……なので、室内でもストロボを使わずに撮影できるよう、100円グッズを利用して簡易撮影セットを用意していた↓。




せっかくなので、この簡易撮影セットを使って、羽化後に残された繭を調べ、撮ってみることに──。


セミヤドリガの繭は綿毛におおわれていて形がよくわからない↑。そこで、綿毛の部分をピンセットでとり除いてみた↓。


毛を刈られたヒツジのようになったセミヤドリガの繭↑。綿毛をのぞいた部分はやや堅めで、しっかりしている。蛹(抜け殻)がのぞいている部分を確かめてみると、穴が開いているわけではなく、蛹は繭端のスリットにしっかり挟まれていた。
《繭に穴を開けて羽化する蛾》↓とは違うようだ。


イラガやギンシャチホコの繭には羽化後、きれいな穴が残されている↑。しかしセミヤドリガの繭にはこうした「穴」がみられず、蛹は「スリット」に挟まれた状態。「穴をあけて出てくる」のではなく「すきまを押し広げて出てくる」スタイルなのだろう。


繭をはがし、1円玉に乗せて撮影↓。


セミヤドリガの繭を見て思い浮かんだのがウスタビガ(蛾)の繭。ウスタビガの繭も出口がスリット状で、左右から押すと開口するガマグチ構造になっている。セミヤドリガの繭も同じような構造なのだろう。


ガマグチ構造を確かめるためにセミヤドリガの繭を左右から押してみた↓。


はたして蛹をしっかりはさんでいた「スリット」が開いた↑。この状態で開口部を下に向けると蛹(抜け殻)はなんなく抜け落ちた。


蛹がとれたあとのセミヤドリガ繭の開口部↑。ガマグチ構造が確認できる。
そして、とりだしたセミヤドリガの蛹(抜け殻)↓。






腹面からみた蛹と成虫の腹面からのショットを比べてみた↓。




触角や脚などが意外にはっきりしていて、チョウやガの蛹というより、甲虫類の蛹っぽい感じがしないでもなかった。
そしてあらためて、蛹をとり出した後のセミヤドリガの繭↓。


左右から加えた外力で、ガマグチ構造のスリットが開いている繭↑。
とりだした蛹(抜け殻)とのツーショット↓。


(ついでに)夏の昆虫

気づけば8月も終わりということで……撮ってはいたものの投稿する機会がなかった夏の昆虫から少し。


目の前に落ちてきたノコギリクワガタのオス↑。大きな個体は大顎の湾曲が美しい。これを見て昔のコルベットスティングレイ(スポーツカー)を連想するのは僕だけだろうか?
実はこのオスが落ちてくる直前に小型♂(大顎の湾曲は小さい)が落ちてきて、2匹つづけて落ちてきたノコギリクワガタにビックリ。よく見るとそばにメスも2匹落ちていた。


頭上の枝にで餌場あらそいでもあって落下してきたのだろうか?
近くに樹液が出ているクヌギがあったので、そこへ移すとすぐに根元の土に潜っていった。
僕が子どもだった頃はノコギリクワガタはカブトムシより頻繁に見られたものだが、今では少なくなり、カブトムシの方が見かける機会が多い。


樹液ポイントでカブトムシを見かけるのは昔と変わらないが、僕が子どもの頃にはいなかったアカボシゴマダラが今ではしっかり常連メンバーに加わっている。
カブトムシといえばオスの《いかついツノ》がトレードマークだが、小さな個体ではこのツノが貧弱なものもいる↓。


以前、カブトムシの《ツノのジレンマ》を指摘する説がニュースなどで報道されていたが、個人的には大いに懐疑的だ。カブトムシのツノの大きさ(≒体の大きさ)は、幼虫時代の栄養状態や育成環境によるところが大きそうな気がする。この場所では樹液が出ている木は多いものの、緑地管理が過剰(?)で落ち葉がすぐに撤去されてしまうため、カブトムシ幼虫の餌となる腐葉土が意外に少ない。それで、こうした小さなオスも出やすいのかもしれない。


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コメント

No title
こんばんは・・・
技術もさることながら・・・
詳細で綺麗なお写真の裏には、弛まない努力があるのですね・・・
簡易撮影セットなど!考えた事もなければ、思いつきもしない私です・・・
(簡易撮影現場を御作りに成ってらっしゃる、その技術にも驚かされました!!!)・・・

セミヤドリガの繭も抜け殻も、そうは目にする機会はありませんので!ここぞとばかりに、しっかり拝見させて頂きました・・・
詳細な観察に脱帽しきりです・・・
面白いですね~!未知の世界を覗くことができ!大興奮です!!!
繭のガマグチ構造!(大興奮!)
ああいった構造に成ってるのですか!(驚きです!)

繭から蛹が出て来る際の構造・・・
こういったところを深く観察することの重要性を見習って行きたいと想います・・・
観察への着眼点の鋭さ!考察の深さ!・・・
今回も、愉しく拝見させて頂きました!!!☆・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

蝉から離脱したセミヤドリガ終齢幼虫を持ち帰ったときから、「連れてきてしまったのだから、しっかり観察せねば申し訳ない」という気持ちがあったので……羽化した蛾が去ったあとも、残された繭&抜け殻を調べてみたしだいです。

ストロボ撮影には(も)苦手意識があったので、100円グッズを寄せ集めて、こんなものを作ってみました(というほど大したものではありませんが)。
露出補正しないで白い綿毛を撮って暗くなってしまったり、途中でライトの電池が切れて別の懐中電灯を投入したりなど、撮影技術は相変わらず低く、バタバタしながら撮っていたので……やはりお見苦しいカットもありますが……。

とりあえず、セミヤドリガの繭や蛹のことも少し判ったので、終齢幼虫を持ち帰った甲斐はあったかなと思っています。
No title
簡易撮影セット素晴らしいです!右の2灯はメインライト、左の1灯は
メインライトで出来る影を弱める補助光としてカゴの左下角の位置が良いと思います。ストロボ光をダイレクトに当てると、反射で質感を損ねてしまいます、トレーシングペーパー(ガーゼなど)を発行部に被せると光が柔らかくなります。白い被写体は反射率が高いので、±の補正ボタンでプラス0.7~プラス1にセット写してみて下さい、白がグレーではなく白で描写されます。他にも、半透明のアクリル板でドーム状の屋根を作り一カ所レンズが入る穴を作り、照明を屋根越しに当てると柔らかい光となり影も柔らかくなります。参考まで(^_^)
No title
> skittoさん

撮影のアドバイス、ありがとうございます。
以前、Panasonic LUMIX DMC-FZ2 にクローズアップレンズ(凸レンズフィルター/Kenko MC Filter/CLOSE-UP NO.3)を装着して望遠側で撮っていたとき(被写体から30~40cmくらい離れたところでピントが合う)には、トレーシングペーパーのカバーをつくって発光部に被せて撮影していたこともあったのですが……今のカメラ(OLYMPUS STYLUS TG-2 Tough)にかえてから接写では光の加減がつかめず、ストロボ発光は使わずに撮るようにしています。
人間の目でみた(脳で補正した?)ような画像を撮るのは難しいですね。
No title
アップにして観察するといろいろなものが見えてきますね。すばらしいです。
No title
> 佛生山孝恩寺さん

セミヤドリガの存在は知っていましたが、これまでちゃんと観察ことがありませんでした。今回にわかに関心がわいて注目してみたわけですが……色々な発見がありました。
やはり関心を持つということが大事なのだと改めて感じているしだいです。
No title
深夜のコメント、僭越な内容で失礼しました。一番書きたかったのは、描写力・鮮明度・分かりやすさどれを取っても質の高い画像
に驚かされています(@o@)昆虫への探究心だけでなく、それを映像表現する努力も学ばせて頂きました、ありがとうございます(^_^)/追:ウスタビガの繭持ってます(笑)
No title
> skittoさん

僕はスチル撮影には苦手意識があって、「(写真)作品」としてのクオリティはあきらめ、「説明用の素材」として(低いハードルで)撮っています。とりあえず、言わんとすることがわかれば(伝われば)いいや……ということで。
写真としてキレイに撮れればそれに越した事はないのですが、「(写真)作品」としてのクオリティを求めると、僕にはちょっとハードルが高くなってしまいます……。
それでも、最近のカメラの性能が高くなったので、僕でもあるていどのものが撮れるようになったということなのだろうと思います。
昔、フィルムカメラの時代に一眼レフを使ってガッカリ写真を山ほど量産し、スチル撮影のセンスの無さを自覚しました。

ウスタビガの繭はキレイですね。スリット方式の繭なので羽化後もキレイな形をとどめているのもいいですね。
冬に羽化済みだと思って持ち帰り、春に寄生蜂が出て来てビックリ──なんてこともあるようですね。
No title
がま口状ですか~。
ウスタビガもなんですね。知りませんでした~。
小銭入れとして使ったらおもしろそうですが、小さすぎですね。。。

さなぎを取り出した後の繭…、めっちゃ笑った口になってますね!

撮影セット、すごいですね。
前回も書かれていましたが、羽化するまで気が気ではないですよね。
寝不足にはならなかったですか?笑
No title
> noriさん

ウスタビガの繭はキレイなのでけっこう好きなのですが、成虫が出たあとも繭が無傷で残るというのもポイントが高い部分です。ガマグチ構造ならでは──ですね。
セミヤドリガの繭も同じような構造だったので「へえ!」と感心しました。

今回、セミヤドリガが繭を作った1週間後~羽化した2週後の間は、目を放したスキに羽化しやしないか気になり、なるたけ外出時間を短く抑えてました。
なので、なんとか羽化のシーンが見ることができて肩の荷がおりました(笑)。

今回は寝不足ということはありませんでしたが……以前、コノハムシを飼育していた時は脱皮や羽化を見逃すまいと頑張って寝不足になったものです。
虫を飼っていると気が気じゃありません(笑)。

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