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白い虹の幻想!?日暈を映すカミキリ

カミキリ撮影中に遭遇した不思議な光景

先日、クワの粗朶(切り取った枝)で地味なカミキリをみつけた。


大きさ比較をしようと1円硬貨を近づけると、触角をたたみ静止状態に↓。


マルモンサビカミキリ(体長:6~9mm)だろうか……比較的新しい枝にとまっていると目にとまりやすいが、古い枝にとまっていると見つけるのが難しい。


《古い枝に止まった地味なカミキリ》を別角度で↓。




昆虫撮影では、接写するために不用意に近づくとカメラで影を作ってしまうことがある。そのため、光がどの角度でさしているのか太陽の位置を確認することはよくある──その通常の動作で空をあおぐと……なにやら幻想的な光景が頭上に広がっていた。


上下が反転した白い虹!?


SF映画に出てきそうな光の輪が……!?!


これは「日暈(ひがさ・にちうん)」と呼ばれる大気光学現象だそうで、太陽が薄い雲にかかることで起こるとされる。虹のようにも見えることから「白虹(はっこう・しろにじ)」とも呼ばれるとか。
科学現象であっても幻想的な光景であることに変わりはない。何か不思議なことが起こりそうな予感がしないでもない!?
しばし目を奪われていたが、「しまった、撮影中のカミキリ見失ってはイカン」と我に返って、あわててカミキリのとまった枝を探すと──、
なんと不思議なことに古びていた枝がいつのまにか若返り、とまっていた地味なカミキリも小綺麗に変身していた!?


しかも、リニューアルしたカミキリの上翅先端には白虹の丸い輪がきっちり浮き上がっているではないか!?


これは白虹がもたらした日暈幻想なのか!?
……というのは、もちろんジョーク。同じ場所で見られたマルモンサビカミキリとは別のカミキリ──ニイジマチビカミキリだった。


ニイジマチビカミキリは小さいながら(体長:3.5~5mm)模様がキレイなので好きなカミキリだ。《白虹》模様も魅力だが、その上の模様も美しい。キアイを入れれば《天使の翼》にも見えてくる!?
こうした美しいデザインは撮影意欲をそそるが、同じような枯れ枝で見つかる他の地味な極小カミキリに比べると、本種はよく動きまわり撮りにくい印象がある。今回みつけたマルモンサビカミキリは数匹いたが、撮影で近づいたさい《危険を感じると触角をたたみじっと動かなくなる》傾向を感じた。そういった意味では撮りやすい。それに対し、カメラを近づけるとせわしなく動きだしがちなニイジマチビカミキリ(撮りにくい)とはずいぶん違う(本個体はたまたま撮れたが、動き出して撮れないことが多い)。この行動の違いは《体色&模様の地味さ・派手さ》とも関係があるのだろう。地味な──隠蔽擬態の効果がありそうな体色&模様であれば、外敵が近づいた時にじっとしている方が(気づかれにくく)生存率が高まるだろう。あたふた動き回る性格(?)よりじっとして危険をやり過ごす性分の個体が多く子孫を残し、その性分が受け継がれてスタンダードになった──と考えると合点がいく。
マルモンサビカミキリのように進化の過程でカムフラージュ効果のある体色&模様を獲得するというのは理屈としてはわかりやすい。それでは同じ環境にいながらニイジマチビカミキリのように美しいカラーリングを獲得したということにはどんな理由(合理性)があるのだろう? 目立つデザインは天敵に狙われやすくなるというリスクがあるが、仲間を見つけやすいという意味では繁殖率を高めるメリットもあるのかもしれない。あるいは、アリやハチなど敬遠されがちな昆虫に誤認させる警告効果があるのだろうか?
そんな目で見ると、ニイジマチビカミキリの上翅の下半分は「丸いアリの尻(腹)」を思わせるデザインに見えなくもない。上半分にある明るい部分は蜂が翅をたたんだ時のVラインに見えなくもない。
こうした解釈が単なるこじつけなのか妥当かどうかはわからないが……隠蔽効果の低い目立つ昆虫はじっとしているよりもせかせか逃げ回った方が生存率が高まるから、そんな性分なのかもしれない。
《幻想的な日暈》の下で、マルモンサビカミキリとニイジマチビカミキリを見ながら漠然とそんなことを考えた……。

季節のうつろいは早い。今年は昆虫の発生が若干早いのだろうか?
このところアカシジミを何度か目にしていたが、日暈を見た日には今シーズン初のウラナミアカシジミを目にしている。


また、ついこないだ「蛹が増えたなぁ」と思っていたキアシドクガも次々に羽化をしていて、食樹のミズキのまわりを優雅に群れ飛ぶ姿も見られ始めた。この純白の蛾の乱舞も、ちょっと《幻想的な光景》に見える。


キアシドクガといえば、その蛹(抜け殻)が極小ツタンカーメンっぽいということで、以前、人気漫画『とりぱん』にとりあげられたことがあって(たぶんキアシドクガと思われる)、毎年この時期になるとそれを思い出す(【極小ツタンカーメンの季節!?】)。これもちょっと《幻想的なエピソード》といえるかもしれない。

というわけで、今回は(ちょっと強引に?)《幻想ネタ》でまとめてみたしだい。

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コメント

No title
いつものことながら、凄い観察力ですネ~!!
そんな小さな子、老眼の私には無理ですね。
No title
こんにちは。
・・・(ひがさ)をご覧に成った後のマルモンサビカミキリの(早替わり)に驚かされました・・・
「まさか?・・・一瞬のすきに、古い皮を齧り取り、お風呂で、一気に自分のサビを洗い流したのか?・・・???」

・・・後の説明で、ホッ!と安心すると共に・・・
「(隠蔽擬態)の効果について!と、(繁殖率の向上説)について!」の考察を拝見し・・・
目から鱗です・・・
移動のスピードからの考察!・・・成程~と、うなってしまいました!
翅の派手さから、(繁殖率を上げる!)この(上げる!)の言葉・・・私は、気付けてませんでした・・・
只、単に♀の気を惹くもの・・・威嚇のため!(ぐらいにしか思えて無かった自分)
・・・その考え方に脱帽です!!!☆・・・
No title
> 東北の温泉バカさん

僕も老眼で撮るとき(モニターを見るとき)は老眼鏡が必要なんですが、虫探しをする時は広い範囲をカバーするため裸眼です。
ある程度小さな虫でも何度か見ていると脳みそが「その虫の見え方」を覚えるのか「反応」できるようになるみたいです。
虫見は、昆虫そのものもおもしろいですが、観察する側の「認知」の不思議を感じさせてくれることにも面白味を感じています。
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

ちょっと強引な《幻想ネタ》にしてしまいましたが……マルモンサビカミキリとニイジマチビカミキリの「撮りたさ」と「撮りにくさ」が相反することについてて考えてみたしただいです。

オスの派手さを《メスの気をひくため》あるいは《警告》と(その可能性を)考えるのは自然なことだと思います。
要は《生存率に有利な特徴》が受け継がれ完成度を高めて行くのだろうと解釈しているのですが、これには繁殖率も関わっているのだろうと想像しています。

虫を見てあれこれ勝手に想像しているだけなので、僕の解釈が正しいかどうかはサダカではありませんが……毎度のことながら、虫見は脳みそを活性化する──と感じています。
No title
あ… マルモンサビカミキリ。。。
これ未だ見たことないのですが… よくお会いするコースですか?
枯れ枝に紛れている小さい地味系カミキリをよくいろいろと見つけますね!

擬態の件はなるほど~と思いました。
小さいカミキリがてけてけ…と歩いている姿はアリにそっくりですよね。
地味系カミキリはじっとしていることが多いように思います。

白い虹を見た後、虫が入れ替わっていたのはびっくりですね!
No title
> noriさん

マルモンサビカミキリ……のつもりなんですが……僕も初めて見ました。お会いするコースとは少し離れているのですが、去夏トラフカミキリが発生していたポイントがあって、そこで見つけました。桑の粗朶に4~5匹。

ケシカミキリやガロアケシカミキリも地味系ですが、けっこうじっとしていたような。ヒシカミキリなんかは模様があって撮ろうとするのだけど、歩き回って撮りにくい印象が……あれもアリに擬態しているのかもしれませんね。

ふだん気象はほとんど撮らないのですが、今回は強引に(?)使ってみました(笑)。
No title
相変わらず、素晴らしい観察ですね~~。
ん~~~~~む、オイラも出会いを求めるならば…もっともっと遠くへ出かけねばナランちゅ~こっちゃ....
No title
> カメレオンーアームスさん

目的の虫にもよるのでしょうが、種類を問わなければけっこう身近な所でも出会いはあるのではないでしょうか?
僕の虫見コースは環境が良いので色々みられますが、僕は自分のテリトリー(?)を出て遠くへ虫見に出かけることはほとんどありません。同じフィールドでコースを変えたりすることはよくありますが。
ルリカミキリやキマダラカメムシなどは自宅近くの市街地でしか見たことがないですし……案外身近にも「出会い」の可能性はあるのかも……。

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