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4月下旬の《他人のそら似》昆虫ほか

エゴシギゾウムシとレロフチビシギゾウムシ



エゴシギゾウムシ──体長5.5~7mmほど。派手さはないがシックなデザインが、なかなかしゃれている。鴫(シギ)のクチバシを思わせる長い口吻でエゴの実(種子)に穴をあけ産卵するそうな。
この昆虫を初めて見た時は、地味系が多いゾウムシの中で異彩を放つユニークなデザインだと感心した。ゾウムシの人気投票をすれば、きっと上位にランクインするだろう。




人気のデザインだからコピー商品が出回る……というわけでもないのだろうが、これとよく似たデザインをもつ極小ゾウムシ(チビシギゾウムシ)がいることをその後知った。その「なんちゃってエゴシギゾウムシ」なジュウジチビシギゾウムシというのを去年紹介したが(*)、今年はまた別種のレロフチビシギゾウムシと思われる極小ゾウムシを何度か目にしている。その姿をおさえようとカメラを向けるのだが……これが小さい上にせわしなく動きまわり続けるのでなかなかキレイに撮れない……。


1円玉での大きさ比較を試みたが動きまわって撮れず。はからずしもツーショットとなった蛾の幼虫で「間接大きさ比較」してみたしだい。レロフチビシギゾウムシの体長は2~3mmほど。ジュウジチビシギゾウムシともよく似ているが、レロフチビシギゾウムシは「上翅中央白帯は第4間室で欠ける」そうな。
ジュウジチビシギゾウムシでは背中の十字模様の横棒がつながっていたが、今回のチビシギゾウムシでは途中、欠けている。上翅会合部から数えて4列目──これが「上翅中央白帯は第4間室で欠ける」ということなのだろう……と解釈。


違いが判るように去年撮ったジュウジチビシギゾウムシ(背中の十字模様の横棒がつながっている)の画像↓。


エゴシギゾウムシ・ジュウジチビシギゾウムシ・レロフチビシギゾウムシのデザインの類似性は興味深い。昆虫の模様のパターンというのは発生しやすい「型」のようなものがあることを示唆しているように感じる。
じつは意外に出現しやすい「他人のそら似」!?
エゴシギゾウムシ・ジュウジチビシギゾウムシ・レロフチビシギゾウムシの場合は、種類が違うとはいっても同じゾウムシの仲間(ゾウムシ科)だから──「他人のそら似」ならぬ「いとこのそら似」といったところか。

科が違っているのに似ている「他人のそら似」





最近みかけた昆虫で、違うグループなのにデザイン・カラーリングが似ているもの──ということで。上はヨツボシケシキスイだろう(ケシキスイ科)。下はヒメオビオオキノコムシかミヤマオビオオキノコムシあたりだろうか?(オオキノコムシ科) 図鑑を見ると他にも似ているのがあるようで正確な種類はわからないが……とりあえず、科が違っているのに似ている「他人のそら似」もある──という一例。
この2つの昆虫の模様が似ていることに意味があるのかどうか、よくわからない。発生のブロセスで形成されやすい「型」のようなものがあって、意図せずにたまたま偶然似てしまっただけのかもしれない。
自然界ではこうした「他人のそら似」は意外に起きやすく、偶然の「空似」が天敵の「空目」をさそい、生存率を高めるような効果があった場合(周囲の葉や枝に似ていたり・危険な昆虫に似ているなど、天敵にスルーされがちな状況が生じた場合)に、生存に有利な特徴が受け継がれ凝縮し《擬態》としての完成度を高めていくことになるのではないか……そんな気がしないでもない。

4月下旬に見られた昆虫から

上翅にならぶ四つの紋──というデザインも、けっこうありがちなパターンなのかもしれない。もう何度もアップしているヨツボシチビヒラタカミキリも、そのひとつ。


そのヨツボシチビヒラタカミキリと出現時期や和名の「ヨツボシ」と「ヒラタ」が被るヨツボシヒラタシデムシも出ていた。


ヨツボシヒラタシデムシは、ちょっと地味目な昆虫だが、昨春は《ひげ噛み行動》をめぐって想像が広がり個人的に大いに注目した昆虫だった(*)。昆虫を見ていて脳みそが刺激されることは多い。

ついでに4月下旬あたりから地面を這う姿がたびたび見られるようになったアオオサムシ↓。


けっこうキレイな虫だが、ピンチにおちいると腹端から酸を噴射して身を守るという《最後っ屁》のような化学兵器(化学屁器)を隠し持っている。昔飼っていた《最後っ屁》標準装備のフェレットが、なんとアオオサムシの《最後っ屁》に敗退するなんてこともあって、《最後っ屁》の効果・役割りについてあれこれ考えるきっかけとなった昆虫だった(*)。

あなどれない武器を装備した昆虫と言えば……でかいオオスズメバチの女王蜂が飛ぶ姿も見かけるようになった。スズメバチほどではないだろうが、アシナガバチの集団もそこそこ迫力がある。
先日見かけた──越冬から覚め、桜のウロからでてきた(と思われる)ムモンホソアシナガバチの集団↓




スズメバチやアシナガバチは基本的には新女王のみが越冬し、翌春たった1匹から新たな巣をスタートさせる──という認識でいたので、(なんとなく越冬も単独で行われるものだとばかり思い込んでいたので)集団で越冬するアシナガバチがいると知った時は意外に感じた。
その事実を知った時の画像がこれ↓──2013年10月に撮影したもの。


今回撮影したのと同じ木のウロに、越冬に備えてたくさんのムモンホソアシナガバチが集まっていた。
越冬時は集団でいても、営巣は女王1匹ずつ行なうようだ。去年の5月に撮影した、ムモンホソアシナガバチの営巣↓。


ちょっと意外だったのが、育房室(子どもを育てる部屋)は構築途中なのに既に卵が産みつけられていたこと。育房室を作り上げてから産むより、早めに産みはじめて、卵が孵化するまでの待機時間(?)も有効に活用して巣作りを進めた方が効率的だということなのだろう。その後も巣の拡張工事は進められていった↓。




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コメント

No title
ジュウジチビシギゾウムシより小さなシギゾウムシが居たのは驚きです。
他種の空似面白いです。
アオカタビロオサムシを何匹か目にしました。
又出掛けたいです。
No title
> 市川さん

チビシギゾウムシの小ささには驚かされますね。僕はスルーしがちなサイズ(小さすぎて撮るのをあきらめがち)なのですが、それでもちゃんとキレイな模様が入っているので頑張って撮ってみようとするのですが……なかなかうまく撮れずにいます……。

クロカタビロオサムシかアオカタビロオサムシか僕には見分けがつかないのですが……カタビロオサムシの仲間も出てきましたね。アオオサムシなどが地表を徘徊しているのに対して、カタビロオサムシは擬木の上で擬木遭難している蛾の幼虫等を食べる姿がこれから見られると思います。
先日、カミキリ屋さんがウワミズザクラの花(もうすでに終わっている)を掬ったらカタビロオサムシがネットインしたので、あんな高い枝先にもいるのかと驚きました。
No title
こんにちは。
・・・先程、「チビシギゾウムシに一票入れて帰宅したところです!」

・・・シギゾウムシのシギの嘴を連想させる長い口吻には、非常に魅力を感じます。そのちっこい版!(涙)・・・
トップ当選間違いなし!だと想います・・・
何と言いましても、(美しく非常に鮮明なアピール・ポスターに、道行く人々は足を止め!感動し!興味を示さずにはいられないと想います!)

(いとこのそら似)に頭がクラクラしてくると同時に・・・
(他人のそら似)にも惑われっぱなしです!

ヨツボシケシキスイにオビオオキノコムシ・・・科が異なるにも関わらず、どうしてここまで似てるのでしょう?・・・

虫達の模様、行動への興味、関心は跡をたちませんね!!!☆・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

ゾウムシというと、なんとなく無骨なイメージがあったりもしますが……シギゾウムシの仲間は、ちょっと繊細な感じがしますね。そのミニチュア版のチビシギゾウムシの魅力も、なかなかあなどれません(笑)。

「いとこのそら似」や「他人のそら似」な昆虫達を見ていると、「フシギだなぁ」「なんでかなぁ」とあれこれ思わずにいられなくなってしまいます……。
昆虫は自然が生み出した多様性の結晶──みたいな感じもしますね。
No title
エゴシギゾウムシが巨大に見えますね。それでも7mmですか、やはり小さい? ナイスです。
No title
昨日 また半日流してきました。
私もデオキノコムシ科のヤマトデオキノコムシとヨツモンクロツツハムシに会えました。
このデザインって多いですよね。
形成されやすい…に 一票。
そうそう ヨコヤマにはあえませんでしたがヨツボシチビヒラタには会えました。
あとカミキリではシラケトラっくらいでした。
No title
> nika4さん

虫見を始めて初めてエゴシギゾウムシを見た時は「小さいなぁ」と感じたものですが……チビシギゾウムシを知ってからは、エゴシギゾウシがでかく感じるようになりました(笑)。
No title
> 辺蟲憐さん

このテのデザインは意外に多いですよね。やっぱり発生の段階で形成されやすいパターンというのはありそうな気がします。
ヨツボシチビヒラタカミキリは、あのあたりではよく見られるのですが、局地的なんてハナシもあるみたいですね。他地域のことはよくわかりませんが……。
シラケトラカミキリも出てきましたね。これからトゲヒゲトラカミキリがわんさか見られるようになると思います(笑)。
No title
ジュウジチビシギゾウムシ、小さいのにきれいに撮影されていますね~!
レロフチビシギも第四間室の白が欠けているのがよく分かります。
でもあの小さいのを撮影したあとは、どっと疲れますよね。。。
ヨツボシケシキスイとオオキノコムシも、すごく似てますね!
いままでごっちゃにしていたかもしれないです。。。

オサムシって意外ときれいなんですね。
最近見かけるときれいだなーと思うのですが
オサムシの写真を撮ったりしてると、もうどっぷり虫やというかんじがしてきます。
No title
> noriさん

問題の?「第四間室の欠け」が判るようにと、追いかけ回して撮影したのですが……チビシギゾウムシは小さい上にじっとしていないので、ホントに撮っていて疲れますね。それでもOK画像が撮れれば疲れたかいがあったと満足できるのでしょうが……量産した残念ショットの画像を確認すると、またどっと疲れます(笑)。
じつは今日もレロフチビシギゾウムシを見つけ、OKショットが撮れたら追記しようと頑張ったのですが……ちっとも動きをとめず、やっぱりNG画像を量産したのみで根負けしました……。
疲れを知らぬレロフチビシギゾウムシ、おそるべしっ!

オサムシの仲間には、キレイなものも少なくないようですね。すぐに汚れてしまいそうな地表付近を徘徊しているのに、いつもピーカピカなのに感心してしまいます。
No title
先日教えていただいたシギゾウムシの仲間たち!
オンパレードで見せていただいて感激しております。
ムモンホソアシナガバチの集団越冬すごい迫力ですね!
私なら逃げ出してしまいそうです。
出会ったことのない虫たちを見させていただくのを楽しみにしています。
No title
> ピンちゃんのママさん

のレロフチビシギゾウムシ──何度か見つけることはできたのですが、なかなかうまく撮れずにいます。もようはキレイでおもしろいので、なんとか頑張って撮ってみようとするのですが……小さすぎる上に動きすぎ!

僕もピンちゃんのママさんのブログでは、まだ見たことがない虫・知らなかった虫を拝見し、楽しませていただいてます。
No title
ゾウムシの口吻は、おもしろいですね。
ヒラタシデムシ色や形、成体が独特で好きです。
No title
> タイコウッチさん

特にシギゾウムシの口吻は細長くておもしろいですね。触角をたたんたとき、この細い口吻に収納するようなミゾがついているのも感心します。

《ひげ噛み行動》がユニークなヒラタシデムシ類ですが、その中でもヨツボシヒラタシデムシはオシャレな方かもしれません。

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