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キマダラカミキリの左右非対称に見えがちな模様?

長い触角/左右で違って見える模様?



オスは特に触角が長く、撮るときに「長過ぎてやっかいだなぁ」と思ってしまうカミキリ。それで見かけてもスルーしがちなのだが……今年の初個体ということで、いちおう撮影。
僕の手元の図鑑では「キマダラカミキリ」となっているが、図鑑によって「キマダラミヤマカミキリ」や「キマダラヤマカミキリ」と記されており、最近は「キマダラミヤマカミキリ」が使われることが多くなっているらしい。
「触角が長いだけでも、やっかいなのに、和名まで長くしてどうするんだよ!」と思わないでもない。
だいたいなんで「深山」や「山」をつける必要があるのか? 平地でも見られるカミキリだというのに?
ミヤマカミキリという別の種類もいるのだし(これも山でなくても見られる)、わざわざ長くてまぎらわしくなるような和名を使うのはなぜなのだろう?
「キマダラカミキリ」でいいじゃないか──と思ってしまうのは僕だけだろうか?
標準和名というのは種類ごとに1対1対応でなくては困る。妥当な理由があって改名することはあってやむなしと思うが……なるべく普遍性を維持し、できれば短く覚えやすい和名に統一してほしいものだと思う。
個人的には「深山」や「山」をつけるには違和感があるし、標準和名はシンプルで馴染みのあるものであるべきだという思いから、僕は「キマダラカミキリ」を使いたい。
※【追記】「キマダラミヤマカミキリ」の和名の由来について、カミキリ屋さんから「ミヤマカミキリ族(Tribe)」だからそう呼んでいるのだろうというコメントを頂きました。

和名が長いのもやっかいだが、触角が長いのも撮るさいにやっかいだ。触角が長いのはこのカミキリの特徴なのだから、それが判るように撮りたいところ。が、その特徴を納めるために「引き」で撮ろうとすればカミキリ本体が小さくなって判りにくくなってしまう。本体の特徴がよく判るように「寄り」で撮ろうとすれば触角が画面からはみ出てしまう……。


あまりにも長い触角は、標本箱のスペースだって占領しそうだし、図鑑等でも誌面スペースをとることになるので、そういった意味でも扱いがやっかいそうだ。

キマダラカミキリ本人(本虫)にとっても、長い触角は敵に見つかりやすくなるというデメリットがありそうな気もするが……そんなデメリットに勝る「役割り」があるからこそ「長い触角」は存在しているのだろう。
その「役割り」とは何だろう?……と想像してみるが、これだけ長い触角である必要性があるものなのか、僕にはよくわからない。

「触角が長い」という特徴は「夜行性」を示唆しているようにも感じる。夜の暗い森の中で木の幹を這いながらメスを探すのなら、(「嗅覚」と「触覚」の機能をもつ?)センサーとしての「触角」は長い方が有利なのかもしれない。
だが僕が見かけるのは昼間。まだ咲いていないが──アカメガシワが咲く頃になると、この花に集まっているのをよく見る。日中、花に集まってくるのだから、こんなに長い触角がなくても繁殖の機会はいくらでも得られそうな気がするのだが……。
という事で昨年6月に撮ったキマダラカミキリ↓。触角が上のものより短いのは♀だろう。


キマダラカミキリの画像を見ていて気づいたことがある。上翅の模様が左右で非対称なものが目につくということだ。




キマダラカミキリの模様は、密生する微毛と光線の加減で見え方が変わる──というような話があったので、上翅部分を拡大してみた。






キマダラカミキリの体の表面には赤褐色・黄金色の細かい毛が密生しているが、この微毛は生え方(角度)は一定ではなく、場所によって毛の傾きが違う。
微毛に対する光の入射角度や見る角度で「見え方」が変わってくるようだ。
微毛が逆立って見える角度では光は吸収され毛の下の地の色が濃くみえ、微毛が寝て見える角度では地の色が隠され光が乱反射して明るくみえる──基本的には上翅に密生する微毛の生え方は左右対称だが、光を受ける上翅の左右の角度の違いや見る角度の違いが模様の濃淡の差を生んでいるようだ。


シックな模様のモミジツマキリエダシャク



今年初のキマダラカミキリを確認した日に見つけた美しい蛾。樹皮や枯葉に紛れてボディラインをかく乱・隠蔽する色とデザインなのだろうが、ベージュとブラウンの組み合わせがなんともシックな味わいをかもしだしている。
帰宅後調べてみると、どうやら「モミジツマキリエダシャク」のようだ。幼虫はクマシデやカエデ類を食べるらしい。モミジツマキリエダシャクの成虫出現時期を7~8月としているサイトがいくつかあったが、4月に発生していたこの蛾もモミジツマキリエダシャクではないかと思う……が、あまり自信は無い。


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コメント

No title
もうキマダラカミキリ発生は早いですね。
非対称サイケ風模様が面白いですね。
髭が長いから名前も長くしたとしか思えない無用な改名と思います。
灯火下で良く見付けますが橋の上から覗いたアカメガシワにも沢山いました。
モミジツマキリエダシャクは4月から8月となっているサイトも有りますね。
どちらにしても早い出会いは嬉しいですね。ナイス
No title
こんばんは。
・・・キマダラカミキリを実際にこの目で観た事がない私ですので、今回しっかり観察させて頂きました!!!・・・

パッと見!・・・確かに左右非対称の模様に視えますね・・・
(その分、余計でも周りの景色に同化して観えます!)
よ~く観ると、微毛の生え方は左右対称なんですね!
アップで観ますと!
カールがかった?(直線ではない!)微毛が、光の反射を複雑にしてるのでしょうか?
これも天敵から逃れる手段の一つだと考えると・・・
実に不思議で面白いです!!!☆・・・
素敵な微毛を拝見させて頂きました・・・
(思わず、ナデナデしてみたく成りました!)
No title
滅多に見ないのでこんなに触覚が長いんですね~。...φ(。。;)メモメモ
(話はそれますが、最後の宙返りは何回見ても迫力・・・大変でしたね。)

キマダラカミキリに1票です。
シンプルな模様で綺麗です。
No title
> 市川さん

カミキリも色々でてきたようですね。他にはヒメスギカミキリもいたんですが、撮る前に飛びさられました……。
僕は夜の観察にはほとんどでないのですが、とりあえず昼もアカメガシワではよく見かけますよね。

和名が図鑑によってバラバラなのは混乱のもとですし……どこかで公式リストを作って、学名同様、統一して欲しい気がします。

モミジツマキリエダシャクの発生については、4月からとなっているところもありますね。7~8月というのは夏型(?)なのかも? ネット上では正しくない情報が孫引きで拡散しがちですから、気をつけないと……。
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

たしかに「左右非対称の模様」だと天敵の発見率は落ちそうな気がしますね。
昆虫をみつけるさいには「左右の対称性」がひとつのポイントになっていると思います。これについては以前、

ノコメエダシャクはなぜ傾いでとまるのか?
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/33745154.html

でも記しましたが……ノコメエダシャクも「左右の対称性」を壊すことで天敵からの発見率を下げていると僕は考えています。同様の理由でキマダラカミキリもこのビロード効果(?)は意味があるのかもしれませんね。
No title
> まあささん

触角の長いカミキリはいくつかあるようですが……キマダラカミキリも特にオスの触角は長いですね。
長いのは触角だけにして、標準和名は短いのを採用して欲しいです……。

「最後の宙返り」は、あれ自体久々だったのですが……それ以降封印しています。脳内に技の感覚(イメージ)は残っているのですが、たぶん筋肉が必要なトルクに達せず、今トライしたらヒサンなことになりそうです……。
No title
「キマダラミヤマカミキリ」の和名の由来について、知人のカミキリ屋さんから「ミヤマカミキリ族(Tribe)」だからそう呼んでいるのだろうというコメントを頂いたので追記。
どのグループに属しているのかわかりやすいように──という理由があってのことらしい。

でも、やっぱり呼びにくいし(カミキリ屋さんたちの間でも、話す時は「ミヤマ」抜きで「キマダラ」と呼ぶ人は多いそうな)、「キマダラカミキリ」の方がなじむ気がする……というのは個人的感想。
No title
はじめまして、まろぽんと申します。
今日、私のblogにお越しいただき、ナイスありがとうございました。
どんな方だろうと、こちらにお邪魔してみました。

いろいろ、私の興味のありそうなことがたくさん。
また、面白い記事を読みに来させていただきたく思っております。

まろぽん、
No title
> まろぽんさん

ありがとうございます。

カナヘビの孵化のようすを紹介されておられたので、興味を持って拝見させていただきました。
僕も以前ヒバカリ(ヘビ)を飼育したことがあり、孵化のようすを撮ったことがあります。
そのときは8mmビデオとフィルムカメラで撮影したのですが、苦労したわりにあまりキレイに撮れませんでした……。

ヒバカリの孵化では、卵歯で卵の表面を切り裂くようす(卵の表面に切れ目が入るようす)に感心しましたが、カナヘビの孵化でも同じようなようすがみられ感心したしだいです。
No title
おはようございます。ブログのコメント、ありがとうございました。すごく昆虫に詳しいのですね。これから参考にさせていただきます。
No title
> あやこさん

詳しいというわけではないのですが、虫見散歩をするようになって、見つけた昆虫について調べてみたりしています。
普通種でも見たことのないものは多いですし、知らないコトも多いです。
知識がなくても、昆虫にはおもしろいのがいますね。
No title
キマダラカミキリ、触角も長くて模様もおしゃれでかっこいいですよね~。
アカメガシワの花にも来るんですね。
あのあたりのコースでも会えるかなあと楽しみがまた増えました。
複眼が触角の周りを囲っている具合がなかなかですね。
上から二枚目の写真とか、にっこり笑顔に見えてきます~。
No title
> noriさん

キマダラカミキリ──検索してみると夜行性で樹液に来るようなことが記されていますが、僕は(最近は?)夜出歩かないので、出会いは昼のみです。
あのあたりだと、アカメガシワが咲く頃に、花をさがすとけっこう見つけやすいのではないかと思います。

背面ショットで複眼が「にっこり笑顔」に見えるというのは、気づきませんでした。言われてみれば、確かに!
これからは、スマイリー・キマダラと呼ぶことにしましょう(笑)。
No title
こんばんは!

昆虫に詳しいですね~
カメムシの名前を教えてくださってありがとうございました。
No title
> qootennさん

詳しいというわけでもないのですが……出会う昆虫をデジカメで撮って調べるようになって、見かける虫のいくらかは判るようになってきました。
判らない昆虫の方がはるかに多いですが……よく見ると色々な発見があって面白いです。
No title
キマダラカミキリもモミジツマキリエダシャクも特徴がある虫たちですね。観察が細かく良く考察されているので何時も敬服しています。このたびはハチとアブを間違えている所を教えていただき感謝しています。☆
No title
> kenzさん

モミジツマキリエダシャクは初めて見る蛾で、シックな美しさにテンションが上がりました(笑)。
キマダラカミキリはなじみのあるカミキリだったのですが、それでもよく見ると「へぇ!?」という発見はあるものですね。
僕にはわからないことだらけですが、身近な昆虫の中に「へぇ!?」を見つけるのが密かな楽しみだったりします。

ハチやアブについてもあまり知識は無いのですが、コマルハナバチ(♂=ライポン)に関してはちょっと興味があって以前記事にしたことがあったもので。

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