FC2ブログ

プラスチック食の蛾!?/タヌキ顔の蛾!?他

緑地の柵や手すりには木を模した擬木が使われていることが多い。コンクリート製やプラスチック製だが、わざわざ天然の木に似せてあるのは自然の景観との調和を意識したためだろう。本物の木を使った柵や手すりも無いことはないが、虫に食われたり腐食してボロボロになっているところも多い。メンテナンスや寿命のことを考えると木材より擬木の方が便利なのだろう。
僕が虫見で歩くギボッチ(擬木ウォッチ)コースではプラスチック擬木が使われている。
プラスチック製の擬木ならば虫に食くわれる心配もない……と思いきや──!?

プラスチック擬木をホストとする「ど根性蛹」!?



プラスチック擬木の表面から蛹(既に羽化したあとの抜け殻)が生えていた。
樹木の幹に「ぬけがら(蛹)」を残して羽化するスカシバガという蛾によく似ている。
他にもプラ擬木で発生した!?蛾とおぼしき蛹があちこちで見つかった。




実は昨年も3月に同じど根性蛹を見ている。今年も複数見られたということは、この虫にとってプラスチック擬木からの羽化は、もはや定番となっているのだろう。
良く似たスカシバ(蛾)の幼虫は木にもぐりこんで内部を食べて育つが……この「ど根性蛹」は幼虫時代、擬木内部でプラスチックを食べて育っていたのであろうか!?




「ど根性蛹」がプラ擬木内部からはい出てきて、ここで羽化したことは疑いようがない。
ちなみに昨年撮った、よく似たコスカシバではないかと思われる蛾の蛹↓


サクラの幹からのぞくコスカシバ(と思われる蛾)の蛹(抜け殻)↑はしばしば目にする。幼虫がもぐりこんだ木の内部を食べて育つのは不思議ではない。しかし、自然界には存在しなかったプラスチックのような分解しにくい素材を食べる昆虫がいるとは、にわかに信じられない。

プラスチックを食って育つ虫がもしいたとしたら……幼虫がプラスチックを分解するしくみを調べ《増え続け処分場所に困窮しているプラスチックゴミ》の処理に応用できるのではあるまいか?──などと、妄想が広がってしまう。

しかし実際は……プラスチックを食して成長する虫がいるとは思えない。
では、どうしたら、こういう状況が生まれるのだろう?
考えられる可能性としては──、
《他の場所で育っていた幼虫が蛹になるため食樹を離れ、擬木の隙間(直射日光が当る表面の劣化や、内部との温度差による膨張差などで剥離が生じてできた隙間?)に潜り込んで蛹になった》という可能性。プラスチックを食べて成長するとは考えにくいから、成長に必要な養分は他で得ていたとすると、こうしたケースが思い浮かぶが……ホストの樹皮下で育った幼虫がわざわざ1度そこから出て擬木に入りなおすという面倒なことをするだろうか?──と思わないでもない。
他に考えられる可能性を思いめぐらせてみると──、
《擬木に生じた隙間内部には苔やカビなどが発生していて、幼虫はそれを食して成長した》というシナリオ。
擬木に卵を産みつける蛾は少なくない。その多くは孵化後移動したり餓死したりするのだろうが……広食性の種類なら、そんなところに活路を見いだす幼虫がいてもいいかもしれない?


色々想像は広がるが、確たることはわからない。
謎めいた蛹(の抜け殻)について考えながら歩いていると、さらに妄想が飛躍するものを目にした。
「プラスチックの擬木に穿孔する蛾ばかりか、金属の柵に穿孔する昆虫もいるというわけか!?」
鉄の柵が虫に食われないよう、虫たちに向けて鉄柵内部に穿孔しないよう禁止を訴えるプレートがあったのだ!?


ということは、このあたりの虫たちには、この告示文が読めるということなのであろうか? プラスチックや鉄を食うこともさることながら、文字が読める昆虫おそるべしっ!
……というのはもちろんジョーク。
しかし、そんなことまで妄想を展開させた「ど根性蛹」おそるべしっ!

謎の「ど根性蛹」には何だか化かされたような気分だが……「化かす」と言えば「タヌキ」。
──という強引な展開で、プラ擬木で見かけた「タヌキ顔」の蛾もついでに……。

キアイを入れればタヌキ顔に見える蛾!?





サカハチトガリバという春に出現する蛾。この個体↑は羽化不全だった↓。


本来の姿はこんな↓


背中の中央(前翅後半の褐色部分)が金色っぽくも見える、意外に美しい蛾。
このとろ雑木林沿いの擬木や柵でよく見かける。これはまた別の個体↓




さらに別個体のサカハチトガリバ↓。




やっぱりタレ目のタヌキ顔に見えてしまうのは僕だけであろうか?


春めいてきて昆虫も増えてきた



コツバメはスプリング・エフェメラル(春のはかない命)と呼ばれるチョウの1つだそうで、遊歩道の路面に降りていた。飛ぶ気配がないので放置すると自転車に轢かれそうなので指に載せて植込みへ移動させた。同じ日、ヒオドシチョウ(これは越冬明けのチョウ)も何匹か目にした。画像はクヌギの幹で翅を広げていた個体。チョウでは他にミヤマセセリやアゲハ(ナミアゲハかキアゲハかは確認できず)、キタキチョウ、テングチョウなども目にした。甲虫類も色々出ていた。


トラフコメツキもこの時期によく見かける。同じ時期に見かけるようになるナカジロサビカミキリも出ていた。






このナカジロサビカミキリは今年初。今年3種類目のカミキリということになる。ちなみにこれ以前の2種類はヘリグロチビコブカミキリキボシカミキリで、いずれも1月の確認だった。これからさらに色々な種類が見られるようになるだろう。
カミキリも幼虫が木に穿孔する昆虫だ。ときに家具製品等から羽脱する強者もいるというが、プラスチック擬木から出てくるカミキリはさすがにいないだろう……。

スポンサーサイト



コメント

No title
ど根性蛹良く目にします。
プラスチックを食い破り脱出が凄いですね。
サカハチトガリバは24日同じ固体を撮りました。
最初は羽化不完全とは思いませんでした。
狸顔と飛べない翅を震わせていてサカハチトガリバと判りました。
他にもサカハチトガリバとやっと判る羽化不完全がいました。
最近こんなのをよく目にします。
No title
おお、これはプラを食っているのかもしれないですね。妄想も楽しからずや。
No title
> 市川さん

プラ擬木に残るど根性蛹は、なんとも珍百景なものを感じてしまいます。
サカハチトガリバは、このところよく見かけ、羽化不全も2匹、羽化後に翅が傷ついたと思われる個体も1匹見ました。
蛾も種類が多いので、面白味を感じない者はスルーしがちですが、サカハチトガリバはキレイで面白いので見つけると足をとめます。
No title
> 白樺平(シラカバビラ)さん

この状況を見るとプラスチック擬木で育ったように見えますよね。
トリックだとは思うのですが、真相がよくわからず、ミステリーなど根性蛹です。
No title
タヌキ顔、見えますね~。
というか、星谷さんの「気合いを入れれば」シリーズで
見れなかったためしがないです。
暗示にかかりやすいのかも。。。
とくに最初の、丸の中に入ってるやつ、
普通にタヌキだと思う人もいると思います。(っていないか…)

擬木食の蛾は、ちゃんと育つのか、気になりますね。
No title
> noriさん

見えてよかった(笑)。キアイを入れやすいように丸くトリミングした助走(誘導)画像(?)を入れてみたしだいです。

擬木に卵を産みつけている蛾はけっういるみたいですね。フユシャクの卵なんかはちゃんと孵ってはいるようです。でも、その幼虫たちがどうなっなったかは不明……。糸を吐いてクモみたいいに風に乗って拡散するなんて話もあるので、食樹までたどりつけるものもいるのかも知れませんが。
擬木に産みつけられた卵のどれかが擬木に穿孔してど根性蛹まで成長するのか……珍百景的ミステリーです。
No title
こんにちは。
・・・「ど根性蛹」(爆笑!)
(その根性が欲しい!)

笑ってばかりいられないですね!
本当に不思議な現象?です・・・
わざわざ幼虫が擬木をよじ登り、(あったかいんだから~)と前蛹状態で擬木の隙間に脚を突っ込んで「いざ、蛹!」って事は考えにくいですし・・・
(それとも、あの状態(角度に成る様な)ひっかかる場所を探してる?)
・・・とにもかくにも、不思議です・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

なんともフシギな光景でしょう? いったいどういう経緯でこんな状態が生まれるものなのか……。
ど根性蛹の生え際(?)をみると、明らかに「中から出てきた」ように穴の周辺が外側へ押し出されているんですよね。
プラスチックの表面をこじあけて出てくるなんて、まさに「ど根性」!
ビックリ&フシギでなりません。

管理者のみに表示

トラックバック