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メダカチビカワゴミムシの最後っ屁ほか

屁~と思ったメダカチビカワゴミムシの最後っ屁



暖かめだった先日、擬木の上にメダカチビカワゴミムシが出ていた。少し前にもネタにしているけれど、もう少しキレイに撮れないものか……と思いカメラを向けてみるが……例によって小さいうえによく動くので、なかなかうまくいかない……。
前回、ダメ元で指に乗せたら意外にじっとしていたということがあったので、今回も試してみることにした(前回の画像↓)。


しかし、なかなか指に乗ってこない。そこで、指先で軽くつまんでみたところ──。
突然ただようほのかな異臭!?
オサムシが腹端から放つ酸が思い浮かんだ。
「もしや、メダカチビカワゴミムシが放った最後っ屁(さいごっぺ)!?」──そう思って虫をつまんだ指先を嗅いでみると確かにクサイ!
オサムシやゴミムシの仲間が敵に襲われたときに、酸を噴射し身を守るものがいることは知っていたが、こんなに小さなメダカチビカワゴミムシにも、ちゃんと装備されていたとは! ゴミムシをやっている虫屋さんにはあたりまえのことなのだろうけれど、僕にはなんだか意外だった。

僕はこれまで、オサムシの仲間の最終兵器ならぬ「最臭屁器(最後っ屁)」の想定相手はタヌキやアナグマのような、嗅覚を頼りに昆虫を捕食するほ乳類だというイメージを持っていた。
というのも、以前飼っていたフェレット(イタチの最後っ屁を有する元祖イタチ科)がアオオサムシを追い回し「最後っ屁」に敗退するのを何度か見ていたからだ。








◎↑フェレット漫画:最後っ屁対決!?より ※「グランジ」はフェレットの名前

こんなシーンを目の当たりにして、オサムシ類の放つ最後っ屁(実際は屁ではなく有機酸)は、獲物を探し追尾するレーダーともいえる捕食獣の嗅覚に打撃を与える有効な攻撃だと感じて納得していた。鼻を直撃しなくても強いニオイ物質を放てば、天敵の嗅覚(注意)はその分泌物に向けられるだろう。そのスキに昆虫本体は逃げおおせるという陽動作戦としての効果もある。イタチ科の最後っ屁にもそんな意味があるのだろうと考えていた。

だから、最後っ屁のターゲットである(と僕が想像していた)タヌキやアナグマがエサとして狙うには小さすぎる(と思われる)メダカチビカワゴミムシが「最後っ屁」を装備しているとは思わなかったのだ。
それでは、メダカチビカゴミムシの最後っ屁は誰に向けてのものなのか?……思い浮かぶ天敵はトカゲやヤモリ、カエル、小鳥などだろうか? 考えてみたら刺激性のある分泌物は鼻のみならず、目や口などの粘膜に対して効力を発揮するににちがいない。メダカチビカワゴミムシを狙うサイズの天敵──爬虫類や両生類、鳥類に対しても有効なのだろう。
調べてみたら、ミズギワゴミムシ(メダカチビカワゴミムシはオサムシ科ミズギワゴミムシ亜科)が噴射する分泌物も、オサムシ同様メタアクリル酸というのを主成分としたものらしい。
いずれにしても、こんな小さな体に、最後っ屁の元祖・イタチ科のフェレットを撃退したアオオサムシと同じギミックが、ちゃんと装備されていたことに感心した。

そのアッパレなメダカチビカワゴミムシは、僕の指に悪臭を残し、早々に姿を消したため、その後の画像は撮れなかったのであった……。

《フユシャクもどき》と言われた蛾

フユシャクはずいぶん紹介してきたので、フユシャクとともに今よく見られるフユシャクではない蛾──ハイイロフユハマキを紹介↓。


ハイイロフユハマキはフユシャクと同じ時期に見られるということで間違えられがちなためか、【フユシャクモドキ】の名で呼ばれていたこともあったらしい。
フユシャクではないので僕はふだんスルーしがちなのだが、ペアがいたので撮ってみた。この画像だとよくわからないが、フユシャクと違って、ハイイロフユハマキはオスにもメスにも両方にちゃんとした(?)翅がある。
成虫で越冬する蛾は少なからずいそうだが、フユシャク同様、冬にちゃんと繁殖活動をしているというのが興味深い。
フユシャクを初めて知った時、「寒い冬に適応して♀は飛ぶための翅を捨てた」──みたいなイメージで理解していたのだが、同じ時期に♀も翅を退化させずにちゃんと活動できている蛾もいるわけで、ハイイロフユハマキのペアをみると昆虫の世界も単純ではないな……とあらためて感じる。

ちなみに、このハイイロフユハマキ・ペアと同じ日、目にした翅を退化させたフユシャク♀↓。


左がシロフフユエダシャク(エダシャク亜科のフユシャク)♀、右がフユシャク亜科のフユシャク♀。フユシャクは全てシャクガ科だが、ハイイロフユハマキはシャクガ科ではくハマキガ科。

冬に似つかわしくない鮮やかな若葉色の繭



旬なのか時期外れなのかビミョ~なところだが……この時期、裸の枝先にめだつのがウスタビガ(蛾)の繭。


枝が葉でおおわれた時期には緑色の繭は目立たないのだろうが、冬になると逆に目立つ。しかし、順調に育っていればウスタビガは秋に羽化していて冬にはすでに繭は空き家。上部の直線的な部分がガマグチのように開閉する構造になっているので成虫が羽化したあとも繭は無傷のまま残る。アップの画像(鈴なりとは別の場所のもの)ではこの繭から羽化した♀が産みつけたと思わせる卵が繭の外側についている。ちなみに、下に開いている穴は雨水等の(?)排水孔なのだとか。

順調に育っていれば、この時期の繭は空き家のはずなのだが……寄生蜂が入っていることも少なくないらしい。キレイな繭を空だと思って部屋に飾っておいたところ、暖かくなってハチが出てきててんやわんや──というエピソードも何度か聞いたことがある。

ついでに幼虫時代の、やはりキレイな緑色の姿もこの機会に↓。




昨年5月に撮ったこの画像↑はおそらく4齢。終齢(5齢)幼虫は触れるとチーチーとネズミの鳴き声のような音をだす。繭の形もユニークだが、幼虫もちょっと面白い蛾だ。


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コメント

No title
言われてみればハイイロフユハマキのメスは翅があっても真冬に生きてるわけで、そう!口吻もあるそうですね。
フユシャクに口吻がない理由もわかんなくなってきますね?
星谷さんの言われるように虫の世界の複雑さを感じました。
No title
> ピンちゃんのママさん

そうなんですよね……フユシャクだけ見ると「へぇ~! なるほどねぇ~」なんですけど、ハイイロフユハマキを見ると「あ……これもアリなのか……」と(笑)。
解ったつもりになってもなっても、新たな発見や疑問が次々と……虫の世界も奥が深いですね。
No title
こんにちは。
「そのメダカチビカワゴミムシの臭いは、どのくらいで消えましたか?更に、熱さ?痛み?の様なものはありませんでしたか?」・・・なんて、思わずお訊ねしてみたく成りました。☆

臭いと言いますと、皆様はカメムシ(クサギカメムシ)を連想されるかもしれませんけど?私が苦手な臭いは・・・アゲハの仲間の幼虫の臭角が発する(腐敗した柑橘類)の様な?涙を誘う臭いです。(虫のギミック・・・スゴ!)です・・・

こうしてハイイロフユハマキを拝見させて頂きましても!
フユシャクとは、何か異なる違和感を感じますね!・・・
交尾!(いいですね~・・・交尾シーンも見詰めてみたいです)
ハマキガ科には、一年中(地域によっては)出現するプライヤハマキなんて種もいるそうです・・・
その姿とフユシャクの姿の違い・・・
その不思議に高揚してしまいますね!!!・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

メダカチビカワゴミムシの臭いは、以前嗅いだアオオサムシの悪臭を連想したものの、そう大したものではありませんでした。指先には痛みも熱も感じず、指先に残ったニオイもカメムシをつまんだ後程度? マンガに記したようにフェレットの鼻に吹き付けられた「アオオサムシの最後っ屁」を間接的に嗅いだときの方が強烈でした。
カメムシのニオイが指につく事は何度か体験していますが、ニオイの持続性もカメムシほどではありませんでした。
もっとも、メダカチビカワゴミムシの最後っ屁が非力というより、体が小さい分、噴出量も少なかったというだけのような気もしますが……逆にあの小ささで、あれだけ臭えばアッパレといえるのではないかと思います。

余談ですがノーマル・フェレット(臭腺除去していない)の最後っ屁(正確には屁ではなく臭腺の分泌物)は皮膚につくと水で洗ってもなかなか落ちません。服につくと洗濯しなければ数日余裕で臭っていました。

フユシャクとハイイロフユハマキ──同じ冬に活動している蛾として興味深いですね。
No title
そうなんですか~? "ァ '`,、'`,、(´▽`) '`,、'`"
笑えますね。
経験者しか分からないことです。
仕返しに・・・負けずに頑張りましょう!ヽ(;▽;)ノ
No title
> まあささん

フェレットを飼っていたときのエピソードで、オサムシには触らないようにしていたのですが、まさかこんなに小さな虫が最後っ屁をひるとは思いもよらず……くらってビックリ、「屁~」な気分でした。
トカゲやヤモリ、カエルなんかがメダカチビカワゴミムシを食おうとした瞬間、口の中でかまされたら……と想像すると、それなりの効力はあるのでしょうね。
No title
こんなにも多くのヤマカマス、初めて見ました。
ナイスです。
No title
> ガラパゴスさん

同じ木の他の枝にもまだ他にもあったのですが、ワンショットで撮れるのはこれが限界のようでした。色あせたのもあったので、前の世代のものもまただ残っているのでしょうね。

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