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フェレット:尾の役割&しっぽ振りの意味(漫画版)

ふぇレッツ・ゴー~しっぽの役割:編~

いまはなき動物漫画誌《ハムスペ》2005年5月号にモノトーンで掲載したフェレット漫画『ふぇレッツ・ゴー』に手を加えたもの。
フェレットの尾の役割・しっぽふりの意味について考察した【フェレット:しっぽの役割?】のマンガ版。
 


 
※コマ番号の順に読み進んでください。




 


 




 


 


 


 




尾の役割・しっぽふりの意味についての考察


【フェレットのしっぽの役割って何だろう?】

飼い始めてしばらくした頃、ふとそんな疑問が思い浮かんだ。

最初にお迎えしたブランカ(ニューター・♀)は通常の尾を持っていたが、2匹目のグランジ(ノーマル・♂)は尾がとても短かった。
しかし2匹の散歩の様子をみていても、尾が短いことによる不利益を感じた事はない。むしろ通常の長い尾の方が踏んでしまう危険があって、かえってジャマなのではないか……そんな印象すらあった。

ケナガイタチ(フェレットの祖先)はハンターだが、他の肉食動物や猛禽などに狙われる存在でもある。長い尾は見つかりやすいし、抑える標的にされれば捕まりやすくなってしまうかもしれない(フェレットのシッポはつかみやすいが、脱臼することがあるそうなのでので注意)。
デメリットとなりそうな気もするが……だとしたら、フェレットの長い尾は何のために必要なのか、疑問に思えてくる。

ほかの動物ではどうか?
ネコ科の猛獣がハンティングするさい、尾をバランスをとるのに使う──なんて解説していた動物番組があったが……バランサーとしてはちょっと質量不足に思え、僕にはこの説が納得できなかった。尾が短いネコ科の猛獣も存在するし彼らも立派に狩りをこなしているではないか。
グランジだって尾は短かったが、だからといって動きが悪いということはなかった。それどころか、木に止まったセミをジャンプしてキャッチしたり、スズメをとらえたことさえあったのだ。

後にフェレット飼育書で「尾は鼻先の保温のため」という記事に出会い、なるほどと思ったが、鼻先を温めるだけなら、もう少し短くてもいいのではないか──という気はした。
長い尾はそれだけ体表面積を増やすことになり、熱を奪われやすくなるのではないか?
実際、しっぽハゲのフェレット(ホルモンのバランスの関係で尾が禿げる事はよくある)は冬、寒そうだ。

フェレットの尾で役に立つことと言えば──興奮した時にボッと逆立つので、飼い主としては緊張度を知るサインポイントとして利用できる点だろうか。
もっともそれは飼い主の利点であって、フェレットにとっての利点ではない。

さて、フェレットの尾についての疑問は、もう一つあった。

【フェレットのしっぽ振りには、どんな意味があるのか?】

ふだんは犬ほど尾を振らないフェレットだが……時折激しく尾を振ることがある──狭い所に頭をつっこんで何かを狙っているようなときによく見られる行動である。
これは何を意味するのか?

フェレットの「しっぽ振り」について、『アニファ』第7号(スタジオ・エス)や飼育書『フェレット』(アニファブックス/スタジオ・エス)では、次のように解説している。

「これは<不安><興奮><強い怒り>の表現です」
「なぜかフェレットの頭がトンネルや毛布で
 覆われているときにこの行動をします」


動物が興奮すると尾を振ると言うのは想像しやすい。
ガラガラヘビが威嚇で尾を振ることはよく知られているが、尾が鳴らないシマヘビやアオダイショウなども興奮すると尾をふることがある(ちなみに、ヘビには外耳がないのでガラガラヘビも、尾を振ったときの「音」は、自分では聞こえていない!?)。

ヘビのしっぽ振りも、犬のしっぽ振りも、フェレットのしっぽ振りも、もとは<興奮>に起源するものなのかもしれない。
ただフェレットのしっぽ振りは、どうもその解釈だけでは説明がつかない。

<興奮>でしっぽを振るというなら、なぜ広い所では(興奮しても)しっぽを振らないのか?
なぜ、フェレットのしっぽ振りは狭い場所限定なのか?

この問題について、あるときハタと思い付いたことがある。
きっかけになったのが、散歩中目の前で繰り広げられた、グランジと(偶然でくわした)アオダイショウのバトル──その闘い方だった。

グランジがアオダイショウとの距離をつめようとすると、アオダイショウは近づくグランジに噛み付こうとたわめた首から一気に頭を振り出す。
その攻撃をグランジはバネ仕掛けのようなバックステップで間一髪でかわした。そして攻撃が空振りしたヘビの体勢がととのわないうちに踏み込んで反撃しようとする。
アオダイショウは不充分な体勢から2発・3発目の鎌首を撃ち出してきたが、グランジはふだん見せた事の無いようなマッハのバックステップでかわし続けて、ヘビが空振りした頭を引き戻すのに合わせて懐に飛び込もうとする。
アオダイショウが攻撃の手を休めれば、たちどころに距離を詰められてしまう状況で、無理な体勢から牙をふるい続けるが、グランジはその攻撃を完全に見切っていた。

素早いバックステップで敵の攻撃を紙一重のところでかわし続ける──この動きは、かつて映像で見たことがある「クサリヘビ(毒蛇)を狩りするケナガイタチ」の動きとそっくりだった。

グランジの反撃の圧力に一気に押し込まれる形となったアオダイショウ。
勝負がつく前に、あわててグランジを回収した次第である。

このとき本気で闘うフェレットの姿を初めて見た。
相手の攻撃をかわすバックステップの素早さには驚いた。この技術はフェレットに宿っている本能的な戦闘技術なのだろう。

そして、その戦闘術をふまえた上で、ふとこんな状況が思い浮かんだ。
グランジは後ろも見ずに跳び下がっていたが、もし、バックステップしたとき、すぐ背後に障害物があったとしたら、どうだろう?
相手の攻撃をかわすことができず、一咬みをあびてしまったかもしれない。相手によってはその一咬みが致命的になる事だってあるだろう。
かといって、相手から片時も目を離せないバトルの最中に、後ろを見てスペースを確認している余裕などありはしない。
広い場所なら跳び下がるスペースを心配する必要は無いかもしれないが、これがやぶの中や穴の中など、狭い場所での闘いであった場合、「後ろを確認せずにバックステップ戦闘術」を使うのは危険ではないか……。

そこまで考えたときに、ハタとフェレットのしっぽ振りが頭に浮かんだ。
フェレットが狭いところに頭を突っ込んでいるとき尾をパタパタと振るのは、このためではないか!?

【フェレットのしっぽ振り】は【退路空間を確認するための行動】

──そう考えると説明がつく気がする。

フェレットのしっぽ振りがよく見られるのは、チューブの中で遊び仲間と出くわした時や隙間に頭を入れて何かを狙っているときなど──狭い状況で臨戦態勢をとったときだ。
前方に注意を払いながら退路スペースを確認する必要のあるとき──狭い場所でバトルにそなえて退路確認をしているのだすれば納得できる。

また透明チューブの中を後退するときなども大きく尾を振りながらトンネルの壁を確認しているようにも見える。

退路センサーとしての役割を考えれば、尾は短いよりある程度の長さがあった方が感知範囲が広くとれて便利なはずだ。
フェレットの尾が長いのはそのためかもしれない。

ちょっと判りにくいかもしれないが……グランジがチューブにもぐって遊ぶ動画をアップしてみた。チューブ内をバックで進むとき、尾をふって左右の壁を確認しているようすが映っている。


フェレットの尾は閉塞空間での退路確認に使われる──これが役割のひとつであり、しっぽふりの理由の一つではないかと、僕は考えるようになった。

※フェレット漫画『ふぇレッツ・ゴー』 ※カラー加筆復刻版
超魔術イタチ:編【フェレット漫画:超魔術イタチ!?】
グランジ目線で散歩:編【フェレット漫画:いたち目線で散歩】
イタチと迷信!?:編【フェレット漫画:イタチは不吉!?】
ニオイでほんろう:編【フェレット漫画:最後っ屁対決!?】
すっげ~:編【フェレット漫画:最大のハプニング!?】
忍者イタチ:編【フェレット漫画:忍者イタチ!?】
『フェレットinジャケット』(フェレット漫画第1作)
ハムスペ新人まんが大賞受賞作:編
『フェレットのいる風景』

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コメント

No title
動物のしっぽはいろんな役割をしてるんですね。
それにしても漫画が面白いし可愛いです。
No title
snowcoldさん、コメントありがとうございます。
しっぽの無い人間にはちょっと実感がわきにくいですが(笑)、動物によって尻尾のはたす役割は色々あんるでしょうね。カメレオンのしっぽは第5の脚の役割をしますし。
ちなみに虫に注目するようになったのは、このフェレットたちの散歩(でであう虫)がきっかけでした。
No title
こんにちは、初めまして^-^
あの、動物の雑誌に漫画掲載されてますか??
その漫画(四コマ)なんですが、それ読んだ時からめっちゃグランジのファンなんです!!
今グランジ見れてほんとうれしかったです★
応援しています*^-^*
No title
ガーネット★さん、コメントありがとう。
そして、グランジを覚えていてくださってありがとうございます。

今回アップしたのは2005年5月号の月刊ハムスペ(あおば出版時代の)に掲載したものものです。
(色を入れ、文章部分も少し変え、コマの並びもブログ用に再編集してありますが)

グランジの散歩エピソードはマンガに描ききれないほどありました(笑)。

グランジの写真は【散歩派フェレット・プチアルバム】にもアップしてありますので、ご覧下さい。
No title
線が柔らかくて、でもしっかりと個性あふれて・・・色のバランスも自然なので動物のモデルが生かされていいですね!
昔漫画家にあこがれた事もありました(^_^.)
No title
200pさん、コメントありがとうございます。

僕も子どもの頃、石森章太郎先生の『マンガ家入門』を読んでペン等を買ったことがありました。結局ペンを使いこなす前に挫折してしまいましたが(笑)。

フェレット漫画は「フェレットという素材はおもしろいのに、その割にマンガが少ない」という不満&ウチのエピソードをマンガという形でまとめておくのも良いかもという発想からトライしてみたものです。
つけペンは昔挫折したままなので、製図用のペンを使って描いてみました(笑)。
No title
星谷さん^^こんばんは(^^)

フェレットはホームセンターのペットシヨップコーナーで一度見たことがあります。
正直、イタチにしか見えませんでした^^売り価格を見てビックリ~
で、何と10万円以上でしたよ^^
「性格は穏やかで、人になつきやすいので飼いやすい」見たいなコメントが書かれていました。
時々ショップに立ち寄ってみますが、最近は見かけていません(^^)

まだ触った事も無く、観察は勿論出来てませんし、生態も分からない私には、ただただ売り価格が高かったな~のイメージしかないのですが、今回星谷さんの『ふぇレッツ・ゴ-』 ~しっぽの役割:編~を拝見している内に何て愛らしい…飼って見たら きっと面白いだろうな~って思いましたよ^^しかし我が家には3頭のコーギー犬が部屋飼いですのでむりですけどね^^

星谷さんの『ふぇレッツ・ゴー』を見て楽しみたいと思います(^0^)
No title
ありがとうございます。
フェレットに好感を持っていただけたようで嬉しいです。

フェレットは家畜化されたイタチで野生動物ではありません。
そういう意味では野生のイタチより犬や猫に近い存在といえるかもしれません。
犬や猫に比べるとバリエーションは少ないですが、カラーやパターンがいくつかあって、人気のものは値段も高い事があるようですね。
いわゆる「イタチのさいごっぺ」を回避するための手術などが行われている事が多く、そうした手間も値段には反映しているのでしょう。

フェレットがどういう動物かについては『ザ・フェレット』という飼育書に色々くわしく書かれているので、興味があるならオススメの一冊です。
僕も微力ながらお手伝いさせていただき、ブログでも紹介しています。

●『ザ・フェレット』&ノーマルフェレットのマーキング
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/26047076.html
No title
※リンクしていたfreeml日記のエッセイ&動画
【フェレット:しっぽの役割?】
http://www.freeml.com/ep.umzx/grid/Blog/node/BlogEntryFront/user_id/5997720/blog_id/98392
を漫画の後に追記しました。
No title
初めまして、昔ふえを2匹飼っていて
3年前にまた飼い始めました。今の子はミルクちゃんと名前を呼ぶとゲージの端に来て尻尾を振ります。そして出してあげます。手の上のご飯を食べたりトイレも直ぐに覚えてとっても良い子です。尻尾振りは興奮している時と書いてありましたが
興奮しているようには見えません。出して欲しいからなのかもですね^_^
No title
> xpk**099さん

ミルクちゃんは、呼ぶとゲージの端に来て尻尾を振りますか。可愛いですね。
呼ばれると、遊んでもらえるとか、ケージから出してもらえることを期待して気分が高まる(興奮する)のではないでしょうか?
ケージの隙間から外のようすをうかがうことで、狭い空間に頭を突っ込んでいるときときのような気分で(?)尻尾をふるのではないか……なんていう気もします。

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